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2008.07.04 06:57 |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  社会・歴史  |  おかだ  | 推薦数 : 3

さまーたいむ 

 夏至も過ぎて今は梅雨の真っ盛りになったり一挙に夏を思わせたりの空模様です。地球温暖化がこれからますます進むのか、それとも氷河期がまたやってくるのかは私にはわかりませんが、今年の夏は猛暑なのでしょうか。夏の空模様も気になります。

 関東に行った時驚くことはいろいろありましたが、その一つが、夏の日の出と冬の日没の早さでした。一度早起きしてみたら、まだ朝5時前だというのに太陽がもう地平線を離れていて眩しいのにはあきれました。逆に冬にはまだ16時半なのにもう真っ暗で「今日はお日様を拝んだかな?」と考えてしまったり。日本は南北にも東西にも長いから端から端だと“時差”があるのだなあ、とつくづく感じましたっけ。(実際、日の出時刻で見ると、北海道と沖縄では東西差と南北差の相乗効果によって夏には2時間の“時差”があります)

 何年かごとに「日本にサマータイム導入を」という動きが報じられます。推進派の人には悪いのですが、私はそれには懐疑的な立場です。サマータイムが本当に恩恵をもたらすのは、夏には夜の9時ころまで明るいような、ヨーロッパのような高緯度地帯です。冬に渇望していた日光を夏の間に取り返すためには少しでも「一日(昼間)」が長い方が有利です。ですから、日本でもたとえば北海道(地球儀を見たら、ヨーロッパはほとんどが北海道より北にあります)だったらサマータイムの“恩恵”(ぎりぎりまで公園などで日光浴をして過ごす時間を延ばす)は大でしょう。でも中緯度地方では時計合わせが面倒なだけですし、そもそも日本でそこまで日光浴が人気でしたっけ?
 さらに推進派が言う“サマータイムの恩恵”そのものが、どうもアヤシイ。
 以前(前世紀の終わり頃でしたっけ?)にはサマータイムを導入したい目的は、「省エネ」と「経済成長」のため、と謳われていました(あのみっともない「省エネスーツ」を覚えていますか?)。だけど、その両者を同時に満足するのは相当難しいはず。だって、経済成長をばんばんしたら省エネにはならないでしょう? しかもその経済成長が、終業後の長い“昼”の時間を人々がリクリエーションに使うからレジャー産業が発展して、という理由づけ。残業が無くならない限りそういったレジャー産業は新規発展できませんし、「終業後のレジャー産業を発展させるため」なら、別にサマータイムを導入しなくても残業を廃止すれば良いだけのことです。そう感じて、以来私は「サマータイム推進の理由」には眉に唾つけて見るようになっています。
 で、最近のサマータイムの理由は「CO2削減」。何でもかんでも「CO2削減」「エコ」とくっつければ胸を張れる、といった最近の風潮ですが(大量生産の商品を売るためのTVコマーシャルでもそれが目立ちますが……)、サマータイムの場合「それ」は本当に現実的な話なのでしょうか? 工場やオフィスに人がいる限り、そこでは機械・照明・パソコン・エアコン・エレベーター・ボイラーなどでエネルギーが使われます。それは始業が一時間早かろうが遅かろうが(「9時〜21時」だろうが「8時〜20時」だろうが)、同じこと。もし本当に産業界でエネルギー消費量を減らしたかったら、就業時間の削減(=残業禁止)をした方が話は早い(本当に効果が出る)はずです(もちろん、24時間稼働の工場は除きます)。ただその場合にはサマータイムは“蚊帳の外”になるので、ある種の人は困るのでしょうね。(おやあ、さっきも同じことを言ったような……デジャブかな?)
 もちろん「計算したらCO2排出が何トン減ります」と計算式と計算結果を出してくれたら、検算くらいはしてみますけどね。ただし「原発はCO2を出さない」レベルの主張では駄目ですよ(ウランの濃縮・補助ボイラー・放射性廃棄物処理の環境負荷なども計算に含めろ、という意味です。もちろんサマータイムでウランの濃縮はしませんけれど)。

 なんていうかなあ、「サマータイム導入のためには、どんな理屈でもこねてやるぞ」という態度を見ると、「一家で自分だけ早起きなじいさまが、夜通しコンビニにたむろして朝寝坊する若い連中に業を煮やして、政府の力でたたき起こそうとしているのか」とか「西洋かぶれが『あ〜ら、我が国にもサマータイムはゴザイマス』と外国に向かって自慢顔をしたいだけじゃないか」とか根拠無く辛辣なことを言いたくなります。


 実は日本にもサマータイムと呼べるものがありました。戦後すぐに数年だけ導入された西洋タイプの“あれ”のことではありません。江戸時代のお話です。(私は西洋かぶれではないのです)
 当時の時刻は不定時法でした。不定時法ときいておそれる必要はありません。システムは簡単です。まずは真夜中と正午を固定してその時刻を「九つ」と呼びます。次に夜明けと日没を「六つ」と呼びます(真夜中と正午を間違える人はいませんが、朝と夕は日常生活で混同するおそれがありますから、明け六つ・暮れ六つ、と呼び分けます)。そして、昼は昼・夜は夜でそれぞれ6等分します(現在は24時間で一日ですが、当時は十二刻で一日だったのです。だから「四六時中」ではなくて「二六時中」と言いました)。そして時が経過するにつれて「九つ」から一つずつ数字を若くしていき、「六つ」を通り過ぎて「四つ」まで行ったら次はまた「九つ」に戻ります(真夜中を子(ね)と呼び、以後、丑寅卯辰巳、と十二支で数えるやり方もあります。これだと昼が午(うま)になります。だから「正午」、その前が「午前」、あとが「午後」です)。春分・秋分は、日の出が大体午前6時ころ、一刻が昼も夜も2時間ずつとなります。しかし夏には日の出は早く日没は遅い。つまり12時間より長い昼の時間を6で割ると、一刻の長さは当然2時間より長くなります。夏の夜や冬の昼の長さ(短さ)はその逆です。現在の時制では、秒・分・時の長さは絶対的に固定されていますが(例外は閏秒が入ってきた時)、江戸時代の日本では一刻が季節や地方によって伸びたり縮んだりして一定ではありませんでした。だから“不定”時法なのです。ただ、庶民は夜はとっとと寝ますから(油や蝋燭などの照明代が馬鹿になりません。日本人が好きな夜なべ仕事も、照明代とどちらが得かで計算する必要がありました)、ある意味では生活と季節に密着した“合理的”な時の流れ方、とも言えます。夏は自動的に早起きになり、長い日中はずっと仕事をする「さまーたいむ」です(一日二食だったそうですから、さぞかし腹が減って、昼過ぎ(=八つどき)の軽食(=おやつ)が待ち遠しかったことでしょう)。
 しかもこのシステムには別の利点があります。少しずつ「六つ」が移動しますから「時差ぼけ」が生じません。(サマータイムの場合、1時間ずれた直後の時差ぼけがばかになりません。しかもそれが年に二回発生します)

 ついでですが、「お江戸日本橋七つだち」では旅人は日本橋を七つに西に向かって出発します(歌詞に「初のぼり」が続きますけどそれはつまり「東海道を(京に)上る」ことですから)。七つは春分・秋分だと今で言う午前四時ころですが、夏だと午前三時ころで冬だと四時半くらいになりますね。日没までに少しでも歩く距離を稼ぎたいからの早立ちですが、たとえばお伊勢参りをする浅草の人間が「七つに 日本橋出発」に間に合おうと思ったら自宅を何時に出て歩き始めるんだろう、と考えて思わず眠たくなったことがあります。


 そうそう、1時間の「早起きは三文の得」を強制するサマータイムだと、朝6時半からのラジオ体操は現在の5時半から始めることになります(計算、合ってます?)。すると沖縄では夏休みの間中、九州でも夏休みの後半は、日の出前からラジオ体操を始めることになります。下手するとラジオ体操が終わってもまだ日は昇っていません。(「各地のこよみ」http://www.nao.ac.jp/koyomi/dni/ を参照しました)
 お江戸日本橋を日の出前に発つのは旅行者の勝手ですが、西の小学生に日の出前のラジオ体操を強いるのは、健康的なのでしょうか?(東日本の人間には痛くもかゆくもない話でしょうけれどね)


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どうせ利権がらみのお話なんでしょうねえ。むかし6月頃フランスに学会出張したとき、夕方7時も夜9時も明るいのにびっくりしました。こりゃサマータイム、っちゅう発想になるわいなあ、と実感しました。でもあの国のひとは昼間オフィス街のランチタイムでもスーツ姿でワイン飲んではるし、5時6時には家族連れで生演奏聴きながらカフェでワイン飲みながらディナー食べているし、文化というか人生に対する考え方が全然ちがいますよね。めちゃうらやましかったです。家も100年以上建っているような立派なアパートの借家ずまいみたいだし。なんでも外国のまねをすりゃいいってもんじゃないですよね。
written by Paul Carpenter / 2008.07.04 08:44
 ヨーロッパだけではなくて、アメリカでも大リーグの中継見たら平日の夕方に家族連れででかい球場が一杯ですし、ブロードウェイの中継でも夕方からの劇場が大賑わいです。日本とは「終業後の個人の時間」に対する意識と文化が違いすぎる、と感じます。
 そして、日本の文化と日本人の意識と密着していないサマータイムという制度を無理に導入しようとするから、妙に説得力のない理由を列挙することになるのでしょうが、その「無理」の部分に注目したら、やはり「利権」なのでしょうか? だけどサマータイム導入でどんな利権が発生するのかなあ。
written by おかだ / 2008.07.04 18:22
 私にもサマータイムにこだわるわけが分かりません。電波時計は売れそうですが、それ以外に何かあるでしょうか。我が家には時計機能付きの製品も含めて、時計が20以上もあります。それを年に二回も合わせるなんてごめんです。
written by bamboo / 2008.07.05 11:08
 時計が20個!……と驚こうとして、その前にまずは我が家のを数えてみました。「時計」単独だけではなくて、炊飯器・エアコン・ビデオ・電気給湯器(深夜電力を使ってます)・自動車……あわわわわ、やっぱり驚いてしまいました。とても指が足りないので数えるのをやめましたが(私は根性無しです)、それをすべて(それも年に2回)修正ですか。イヤだなあ。

 そうそう、パソコンの時計はどうなるんでしょう。インターネットからはずしておくとグリニッジを表示するところを見ると、最初の設定で「日本」を選択した機械についてはネットで取得したグリニッジから計算して日本時間を画面に表示しているのだろうと思いますが、サマータイムにするためにはOSのアップデートが必要なんじゃないかしら。MSが対応してくれるのかなあ。したとしても、「XPのサービスは終了しました」と、VISTAだけフォローだったりすると、経済界はCO2削減どころか、大トラブルを抱える可能性がありまっせ。まだXPは“現役”でしょう?
written by おかだ / 2008.07.05 16:07

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