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 弁護士はまた「心神喪失がうんたらかんたら」と言いそうですが、静岡から秋葉原まできちんと運転できたことと拳銃で威嚇されたらあっさり抵抗をやめたことから、(価値観はともかく)判断能力はきちんと機能していたと私には判断できます。(福岡での子ども3人殺しでも、弁護側は「現場までちゃんと運転していたんだから、ひどい酔っぱらい運転とは言えない」なんて主張をしていましたよね)
 まったく、あわてて子どもにメールをしてしまいましたよ。「今日、秋葉原に行ってないだろうね」って。問題は秋葉に行ったかどうかではなくて、生きているかどうか、なのにね。

 殺された人たちには本当にお気の毒に思います。ただ、最近の流れをみると、今回殺された人を助けられなかったのは医療ミス、という医療訴訟が起きやしないかと心配です。懸命に頑張った救急の現場にこれ以上負担をかけないでほしいなあ。弁護士さんはご存じないかもしれませんが、この世には「致命傷」ということばもあるのです。憎むべきは、医者ではなくて、犯人ではありませんか?(もちろん、本当は助かるはずだった人が亡くなった、という場合は話が別ですが)
 被害者(とそのご家族)の人には、国家補償(と犯人の個人的償い)で当たるべきだと私は思います。国家補償が十分でないのなら、それをきちんとするのは(たぶん)国の責務でしょう。私もある日突然通り魔に殺される可能性はありますし、それで残された家族が路頭に迷うのはたまりませんから、そのための国庫支出については反対しません。

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2008.06.08 07:46 |  診療  |  生活 / くらし  |  その他(医療関連)  |  社会・歴史  |  おかだ  | 推薦数 : 1

メタボ 

 「メタボ」の前にまず「エコ」の話から。

 今「エコ」と言うことばはどんなイメージで使われているでしょうか。
 「ウィキペディア」の「エコ」の項には
>>* 「環境」のエコロジー(Ecology)
>>* 「経済」のエコノミー(Economy)
>>に大別されるが、状況によっては「環境保護と経済性」という意味で両者を兼ねることがある。

とあります。「エコロジー」が「生態学」から「環境(保護)」に意味を変質させ、さらに「環境保護をしたらお財布にも得」とアピールすることからエコノミーも巻き込んできたのではないか、と私は感じています。
 そう、「エコロジー」は本来「環境保護」ではありません。「生態学」のことです。だけどそんなこと、もう皆さん忘れていますね。「エコ」でエルンスト・ヘッケル(生態学ということばを提唱した生物学者)を思い出す人なんて、ごくごく少数派でしょう。「エコロジー」は「エコ」になることによって本来の「エコロジー」ではなくなってしまったのです。ことばが拡散する過程で意味が変質して定着した好例です。実はこの現象についてはもう30年以上前に古生物学者J・G・グールドが指摘しています。彼の科学エッセー集『ダーウィン以来』(早川書房)の14章で彼は次のように言っています。「それ(エコロジーということば)はあまりにもさまざまな意味に使われすぎてインフレ現象を起こし、本来の意味を失ってしまっている。今ふつうに使われている意味では、この言葉は、都会から遠く離れたところで起こっている何かすばらしいことや、人工添加物の入っていない食品などの代名詞にされてしまいそうになっている。しかしながら、もっと限定された専門的な意味では、生態学とは、生物の多様性の研究を指している」 当時とは比較にならない今の「エコ・ブーム」を見たら、グールドさんも(あの世で)目を丸くすることでしょう。

 「メタボ」がもともと「メタボリック症候群」であることも、そろそろ忘れられようとしていませんか? TVを見ていると「メタボなお腹」「メタボな生活」「メタボな食べ物」と、まるでメタボはただの「大きすぎる腹囲(=デブ)」の同義語でしかないような使われ方です。たしかにメタボ検診は腹囲をはかりますが、同じ肥満でも皮下脂肪ではなくて内臓脂肪を見ようとしているのだ、というもとの目的もすでに忘れ去られようとしているようです。で、その内臓脂肪がどう“悪い”のかについて、まともに考えようともせずに「メタボ」「メタボ」とひゃあひゃあ言っている風潮は、感心しません。

 「エコ」が人口に膾炙されることで「エコロジー」が忘れ去られてしまったように、「メタボ」になることによって「メタボリックシンドローム」も忘れられようとしているようです。だけど、それで良いのでしょうか?


(長くなるので、この話題は次回に続けます)

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