肺炎で患者の状態が悪いのに、発熱(体温計の数字)にだけ注目して「熱を下げればすべて解決するのだ」と解熱剤だけ投与して仕事した気になっている医者のことをなんと呼ぶでしょう。やぶ医者です(「咳を止めよう」と咳止めを追加で出したとしても、やぶ医者です)。熱が出るには原因があります。原因を放置して体温計の数字をいじくろうとするのは、お粗末な態度としか言えません。もちろん解熱剤だけで(あるいは解熱剤さえ使わずに)すませる場合はありますが、それはちゃんと診察や検査を行い(体温計以外も見る・診る=データを収集する)/診断を下し(仮説を立てる)/経過をフォローする(さらにデータを集めて自分の診断の正しさ(あるいは間違い)を経時的に確認する、間違っていたら新しい仮説を立てる)という一連の流れの中にある場合にだけ有効な手段です。
解熱剤だけの「治療」によってその患者がどんどん悪くなって息も絶え絶えの状態になったのに、「体温が下がらないなあ。きっと薬が弱かったんだ。解熱剤をもっと強いのに換えよう」と言う医者はなんと呼べばいいでしょう。やぶ医者以下です。現実の変化に対応できず最初の自分の“診断"に固執しているだけで、医者としてと言うより人間として見苦しい態度ですし、下手すると患者は死にます。
では
医療費の額(書類の数字)にだけ注目して「医療費を削減するべきだ」「医者が多すぎる」「老人医療費が多すぎる」などとしか言わない官僚や政治家やマスコミは、なんと呼べばいいでしょう。
日本の医療がどんどん崩壊していく(破壊されていく)のに、医療費の額がさらに増えていくことだけに注目して「医療費を削減するべきだ」「医者の数は足りているが偏在しているだけ」「老人も応分の負担を」と、“前の診断と治療方針を見直す"ことではなくて“もっと強い解熱剤を探す"ことにだけ夢中になっている官僚や政治家やマスコミは、なんと呼べばいいでしょう。
しゃれた言い方を思いつかないのですが、「現実を把握しその変化に対応する能力が足りない連中(あるいは端的に無能力者)」でいいかな。
さて
やぶ医者には悪い評判が立って患者が集まらなくなります。的外れなことばかり言う評論家だったら「三流の評論家」とレッテルが貼られて仕事が回ってこなくなりマーケットから退場していきます。
それが市場原理です。
でも
問題は、「彼ら」(のポジション)がこの世の中を動かす大きな権力を持っていることと、退場させる「市場原理」が働かないことです。
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