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 落語には、その日集まったお客さんからことば(お題)を三つ言ってもらって、即興でその三つすべてを織り込んだ話を演じる「三題噺」というものがあります。

 あまりの評判の悪さに、厚労省は「後期高齢者医療制度では、老人医療のアクセス制限などはない」などと弁解しています。
 ところで、現在私たちに見える厚労省が語ることばは……たとえば「高齢者の主治医制度」「外来のまるめ化」「レセプトオンライン化」です。おや、ちょうど(?)3つです。
 はい、話ができました。
 まずどんな手を使っても良いから「主治医」をお役所に届けさせます。口実なんかどうでもよろしい。「○○さんの“主治医”は××医師」という届けが役所にある、という形式が整えばいいのです。
 同時にどんな形でも良いから外来診療の定額化を進めます。
 さて、そこでレセプトのオンライン化を完成させたら何ができるでしょう。機械的にレセプトに検索をかけて特定個人のレセプトを抜き出し、「主治医」のところには定額だけ支払い、主治医“以外”のところは「主治医じゃないから支払いはナシね」と通達することができるのです(今は「しない」と口先だけ言っていても、将来「することができる」これが(官僚や政治家にとっては)重要なポイントです)。

 もちろんレセプトにチェックを入れるのは、厚労省の天下り先のお仕事です。きっとやりがいがあるでしょうね。「無駄な医療費」を大幅に削減できて、しかも自分の就職先はしっかり確保できるのですから。
 じゃあ、なぜ今やらないか? それは面倒だからです。現時点では書類を一枚一枚手でめくってつきあわせなければなりませんがそんな肉体労働を高級なお役人様がやりたいわけありません。それが、レセプトのオンライン化を進めたら、検索ボタン一発で居眠りしていても結果が出せるようになります(おそらく、検索ボタンを押す係と押したことを確認する係と個人情報を印刷する係と個人情報をシュレッダーにかける係とで4人、それを管理する管理職が5人、さらにそれを監督する理事が常勤と非常勤とで20人“必要”となるでしょう)。しかもお役所は「オンライン化を義務づける」と書類を一通発行するだけで、実際のオンライン化の金銭負担は各医療機関持ちです。こんな“美味しい”(経済的にも肉体的にも楽な)話はありませんね。

 面白くなかった? こりゃまた失礼しました。私には落語家に必要な才能と努力と言語感覚とユーモア感覚の四つがございませんので、「三題噺」ではなくて現実に即したただの「三題話」になってしまったようです。

 ……それでは、おあとはよろしくないようで……テケテンテケテン……


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