イギリスBBCでは4月1日にはウソニュースを流すのが恒例だそうで、今年は「空飛ぶペンギンが発見された」です。“ペンギン”が飛んでいる映像を流して、「実はウミガラスだったんだよ〜」(ペンギンとよく似ているウミガラスはたしかに空を飛びます)と話を持って行くのかと最初は思っていましたら、登場したのは明らかにペンギンそのもの。よちよち歩いたり氷上を腹ばいにトボガン滑走していたのが、突然ばたばたと羽ばたいて飛び立ちます。空を乱舞するペンギンの大群。南極からいつのまにか南米ジャングルの上空へ。いやあ、CGとわかっていてもその意外性と美しさに負けて、画面に目を奪われます。上質のユーモアです。
さて、ところ変わって日本では、あまりの評判の悪さに負けて、後期高齢者医療制度が「長寿医療制度」に改められる、というニュースが流れました。「イギリスとは違って品のないエイプリル・フールだな」と思ってそのまま忘れていたら、どうもこれは本当のようですね。ニュースで大臣がなにやら力説しておられます。ひえ〜。
結局政府のホンネが「長寿」などではないことは誰の目にも明らかだからこそ「後期高齢者」という名称に“も”かみつく人が(私を含めて)いたわけです。それを「名称を変えたから“見事解決”」と主張されてもねえ……あまりに姑息的。ジョークにしては笑えないし、本気だとしたら無惨です。
そういえば、前世紀には「出生率予測をはずしまくる」という“問題”に対して厚生省が行った“対策”は「出生率予測をやめる」でしたね。「予測の精度を高める」「少子化が進行しないというこれまでの前提を捨てて態度を改める」ではなくて。なんて姑息的、と思っていたら、それはあのお役所の伝統だったんです。少なくとも「お金のかからない解決法」を求める(医療改革でも、節約ばかりしようとする)点では首尾一貫している、と褒めてあげるべきかもしれませんが。
で、「騒ぎたいやつは騒げ騒げ。制度ができた以上、いくら騒いでも無駄だよ。へへへ。まあ一応金のかからない策だけは講じて表面的に“誠意”だけはかぶせておくか」程度がホンネなんじゃないかしら。
「医療費削減で一番お金がかからない方法」は「老人削減」ですよね。だけどそんな“悪意”をむき出しにするわけにはいかないから、錠剤のようにきれいにコーティングしてみました、というのが「後期高齢者医療制度」、ただのコーティングではなぜか評判が悪いので砂糖もまぶしてみました、が「長寿医療制度」でしょう。だけど、いくら糖をコーティングしても、できあがったものは「糖衣された悪意」でしかないのです。
……「悪意と決めつけるのにはそれこそ悪意を感じる」と“反論”されるかもしれませんね。だったら「あれは善意である」と言ってあげても良いです。ただし「地獄への道は善意で舗装されている」の類の“善意”ですけれど。
「ウソでもそれを百回繰り返したら信じる人が出てくる」という言葉があります。特にそれを主張する人間がそのウソを信じ込む傾向が顕著。そういった行為を無力化する一番シンプルな方法は「ウソ百回」に対して「それはウソだ」と百回繰り返すことでしょう。ただ、繰り返しは飽きます(なぜか嘘つきは自分の行為に飽きないのですが)。日本中の他の人のブログでも百回どころか千回も万回も「それはウソだ」とこの話題は取り上げられていることでしょうから、ここでは飽きが出ないようにちょっと視点をずらしてみました。読んだ方に少しでも楽しめていただけたら、幸いです。
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