| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 | 31 |
「医師は不足していない」と主張していた人は、少し前に「医師は足りている。配置の偏りがあるだけ」と微妙に主張を変えました(変えていない人はまだいるかもしれませんが)。そしてつい最近は「医師は不足しているかもしれないが、増加しているからそのうちOECDの平均になる」という新しい主張を始めています。3月2日のブログに紹介した朝日新聞の「救急医療を救うには」で厚生労働省の佐藤課長が「日本は2039年にはOECDの平均になる」言っていましたが、どうもこの論法はある種の人たちのお気に入りのようで、産経新聞でも同様の主張が展開されていて「【風】医師 警察官より多いのに…」というコラム(?)では、「医者は足りないと言うが、警察官より多い」「10年でOECD平均に追いつく」と書いてあります。
さて、朝日(厚生労働省)は30年と言っていますが、産経は10年。この差は何でしょう? ともかくこんな時には主張の根拠探しです(なぜか根拠が明確に書いてないんですよねえ)。一昨日このブログでとりあげた『図表でみる世界の保健医療 OECDインディケータ(2005年版)』を見たら「人口千人あたりの医師数」は日本は「2.0」、OECDの平均は「2.9」です。その差はわずかに「0.9」人。数字そのものはわずかですが、2.0を2.9にするには単純計算で45%医者を増員しなければなりません。幸い(?)日本の医者の増加率は、1990年から2003年の間の年平均が1.5%。複利ではなくて単利計算ですから1.5に30をかければ45。つまり30年後には日本の医師数は「2.9」になるわけです。
これで朝日(厚生労働省)の主張の根拠はわかりました。
しかし、産経の方がわかりません。どう数字をいじくったのか、ぜひ計算式を見せてもらいたいと思います。しかしこの程度は小学生レベルの算数ですよねえ。それとも、私が知らない前提が何かあるのでしょうか(産経は、外国の医師を大量に輸入する政府の計画を知っている、とか)。
でも、これだけ見て「朝日の方が産経より算数が上」と即断してはいけません。
日本の医者が増える、ということは、日本でだけ医者が増えることを意味しません。他の国でも増える場合があるのです。実際日本以上の増加率を示す国がOECDの過半数で、OECD平均の増加率は「1.8%」です。日本の増加率を覚えていますか? 1.5です。「2.9が年に1.8%ずつ増加していくのを2.0が年に1.5%ずつ増加させて追いかけます。さて、2.0が2.9に追いつくのは、何年後でしょうか?」
産経の回答は「10年後」、朝日(厚生労働省)の回答は「30年後」です。
まだ「アキレスと亀」のパラドックスの方がまともに見えます。
ただ、裏わざ的なやり方はあります。医師数は「人口千人あたり」で計算されますから、分母、つまり人口を減らせば医師数は増加するのです。ただ、人口を減らす過程で医師も減らしたら結局割合は変わりませんから、医師“以外”を減らさなければなりません。
我ながら、ひどいことを思いつくものです。私が厚生官僚をやっていないことは、日本の幸福ですね。
※さて、つくとしたらどんな“反論”がつくか楽しみです。私が使っているのは2005年版のデータですが、最近OECDは2007年のを発表したはず。その数字を引用して「おかだの計算は(細かいところが)間違っている」と言うか、それとも「2039から2008を引いたら30ではなくて31だ」かな。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0)