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2008.02.27 18:44 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  その他(医療関連)  |  社会・歴史  |  おかだ  | 推薦数 : 0

羮に懲りて膾を吹く

 日本の景気がなかなか回復しない原因の一つに、新設住宅着工件数の減少があるそうです。「景気が悪ければ、家を建てる人も減るよなあ」なんて思っていたら、「手続き」がネックになっているのも一因とか。

 耐震偽装に懲りた国土交通省が建築基準法を改正して建築申請のチェックをとってもとっても厳しくして、以前だったら悠々パスだったものもなかなか認めなくなっているそうな。
 もちろん耐震偽装は困ります。だけど、日本の景気の足を引っ張るくらい審査を厳しくすることが“解決”ですか? 私には「羮に懲りて膾を吹く」態度に見えます。いや、「角を矯めて牛を殺す」かも。

 お役所が熱心にやるべきことは、書面審査を厳重にすることではなくて(いや、もちろん有効な書面審査は必要ですけれど)、たとえば現場でコンクリートに水を多めに加えていないかとか実際の鉄骨が図面より細くなっていないかのチェックも重要ではありませんか? 机上だけでやたらと厳しくやっているのは、なんだか私には普段無関心に看過していていざ問題が起きたら大騒ぎをする「羮に懲りた過剰反応」でしかないように思えるのです(あるいは仕事をしている振りをして周囲にアピールしているだけかも)。問題は「普段の無関心」の方で、大切なのは「実効のある仕事」なのに。

 そういえば、厚生労働省も「羮に懲りて膾を吹く」態度を見せています。
 ここからは2007年12月に書いた「ため息をつきながら」の“後日談”です(現在進行中ですけれど)

 結局私は「リタリン登録医師」の申請をしました。申請は認可されて登録証明書が送られてきましたが、この処方から調剤までがややこしいこと。まず私が処方箋を書きます。私が勤務する病院の外来は院外薬局処方なので、処方箋と同時にどこが登録薬局(リタリンを処方しても良い、と認められた薬局)かを患者さんに紹介します。処方箋を受け付けた薬局は、リタリン流通管理委員会事務局に連絡します。事務局は、処方した医師が登録医師であるかどうか・薬局が登録薬局であるかどうか、を確認して折り返し薬局に連絡します。そのアクションが終了して初めて薬局はリタリンの調剤ができます。薬局の在庫が切れてリタリンを発注する場合も、この流通管理委員会を通さなければいけません。

 今までは“放置”で、一転こんどは手続き経路がずいぶん長くなりました(一般日本語では「面倒くさい」とも言います)。官僚から見たら「手続き経路を長くすること=問題のある処方を排除するバリアー」なのでしょうが、私から見たら「まともな医者と薬局に負担をかける」点で嬉しい制度ではありません。それと「悪意を持って固く決意した人」を防ぐのに、これで十分なのか不安もあります(私が思いついた手口に関して詳しいことは書きません)。イケナイことをしているところは、現場で薬の流通を末端までちゃんと追えばある程度見当がつくのですから、そちらから締めつけた方が実効的だったんじゃないかしら。膾を吹いているよりも。


※そういえば療養病棟で時々「こんなに悪くなっているとは知らなかった」と病棟中に響くような大声を出す見舞客がいます。“翻訳”したら「長い間見舞いに来ていなかったからじわじわと状態が変化している経過を知らなかった」となるのですが、こういった場合、「病棟に顔を出す回数の多さ」と「声の大きさ」は反比例している、が私の経験則です。もちろん「だんだん状態が悪くなった」ことも問題ですが、「その経過に無関心だった」ことは“無罪”?


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