そのへんに転がっていた宣伝ビラを読んでいたら「今評判のサルフェートを豊富に含有した水」とありました(私は活字中毒者で、読むものがなかったら時刻表でも辞書でも読んでしまう人間なんです)。「サルフェート」ってのは、私の記憶では「硫酸塩」のことですが、いつのまに「“評判”の健康に良い物質」に“昇進”したのやら。これを「硫酸塩を豊富に含有」と表示したら今のように売れるのでしょうかねえ。早合点小僧が学校の実験室で希硫酸をごくごくやって「ぷはー、健康になったぞ」と言ったりして(良い子はやっちゃいけません。あ、悪い子もやっちゃいけませんよ)。
まあ商売のためには何でも表記は大切でしょう。「タウリン1000ミリグラム」は実は「1グラム」のことだし、「コラーゲン」は要するに「ゼラチン」のことでしょ。「ローヤルゼリー」は「ミツバチの幼虫(メス)が少量食べたら不妊の働き蜂、大量に食べたら女王蜂(体がでかくて一生卵を産み続ける産卵マシーン)になる」つまりは蜂の成長ホルモン・性ホルモン物質です(哺乳動物が昆虫のホルモンを食って何がそんなにめでたいのかは知りませんが、「ローヤル」って良い響きですねえ、うっとり)。健康とは無関係ですが、かつて大流行した「ツインカムターボ」なんか、ことばを聞かされただけでその場でダッシュして地球を三周半くらいしてしまいそうでしたっけ。
ともかく消費者がその表記を見た瞬間「おお、なんだかよくわからないが、すごそうだぞ」と思えたら、商業的には成功なんでしょうが、現実的にあるいは科学的にどうなのかをちゃんと考える“賢い消費者”に私はなりたいものです。
……「なりたいものです」と言う以上、まだなってません。残念!
そうそう、まだ賢くない消費者(私のことです)の素朴な疑問。「マイナスイオン」が体に良いのかどうかのエビデンス(根拠)は知りませんが、まあそこは良いです。気になるのはマイナスイオンの発生に伴って電気的に同量発生しているはずのプラスイオン。(発生しているはずですよね。でないと宇宙のバランスが崩れますから、というか、「そんなものは出ない」なんて主張して勝手に熱力学の第一法則を破っちゃいけません) このプラスイオンたちは、どこかで“悪いこと”をしていないんでしょうか? たとえば“健康に良い”マイナスイオンと結合して量を減らしている、とか。
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