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倫理観と死生観

K.U. / 2011.03.26 13:35 / 推薦数 : 0

今回の地震と津波による犠牲者の年齢を見る度、非常に複雑な心境となります。報道では、未だ行方不明の自身の子供達を探すため、瓦礫に覆われてしまった廃墟を一日中探索する両親の映像が流れていました。

自分も2児の親であり、もし同様の事態が自身に及んだ場合、平静でいられる可能性は全くありません。戦争や人災ならば、怒りの矛先の対象となる他者が存在しますが、天災であれば、苦悩や葛藤をただ受容するしかなく、今後の遺族の方々の感情を推し量ると、非常に陰鬱な気持ちとなります。

日本という国家は、太古より天災を繰り返してきており、それらを受容し、復興することで、精神的にも強大な国家を作り上げてきました。しかしその受容という語彙の中には、死というものが確実に含有されます。

医師の自分がいうのも変ですが、死への準備、これはどの年代の方でも平時から考えておかなければいけないと思います。どこかの教授が言っていましたが、人間の生涯の死亡率は100%です。しかし、寿命つまりどのくらいの期間生きるかは個人差があり、科学的根拠に基づいた心がけ次第で伸びる、これもおそらく事実です。

しかし最近の風評で、ある物質が体に付着したらがんになるとか、飲料水中の放射性物質を摂取するとがんになるとか、せっかく安全に関する科学的根拠が出ているのに、子供達のことを心配するならともかく、中高年ないしは老年の方で極端な行動をとるのを見るにつけ、文明国家の国民、または科学者のはしくれとして、非常に悲しい思いです。

自衛隊、消防、警察の方々、その他原発の安定化に努める方々は、国家のため、国民のため、また残してきた家族のために、業務に従事されています。中には自分の被爆量は全く気に止めない方が絶対にいるでしょう。

被災者同士で助け合っている姿や、原発安定化に努める方々の自己犠牲、利他主義の姿は、蔓延する利己主義と全く対照的で、昔の日本人の倫理観はしっかり受け継がれている、ということを改めて認識します。

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