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40歳代女性。以前より検診で乳腺腫瘤を指摘されていた。
今回徐々に増大してきたため(約2cm大)摘出となる。
画像はHE染色で,スケールは1mmです。
一見すると,ピンク色の皮でおおわれた塊の中に,紫色の亀裂が入っているような印象です。
全体に目立つ薄いピンク色の部分には,間質の線維性結合組織が増生しており,よくみると紡錘型の線維芽細胞がたくさん認められ,若い線維化のように思えます。
内部の亀裂のように分岐する紫色の部分は乳管上皮で,増生がみられています。
それらを取り囲む濃い目のピンク色の部分は出来上がった線維化部分です。
診断:Fibroadenoma,Intracanalicular type
乳腺の良性腫瘍として有名なこの疾患は,20歳代から40歳代までにかけてよくみられます。
主にエストロゲンなどのホルモン状態により,大きくなったり小さくなったりしますので,エストロゲンの感受性が強くなることが病因とされています。
病理学的には,線維腺腫=線維腫+腺腫,と考えれば分かりやすく,間質の線維性成分と乳管上皮の腺腫成分とで成り立っています。
この比率によって,管内型とか,管周囲型とか分類しますが,臨床的には大差はないとされます。
また最近では乳腺症型という分類も加わりました。
線維腺腫からの癌化例は稀ですので,しっかりと診断がなされれば,通常は経過観察することが多いです。
しかし診断の上では,やはり比較的若年の乳癌との鑑別が問題になってきます。
乳腺症と同様,針生検などで癌を否定できない所見がでることもあり,病理の立場から摘出した方が安心だ,と思うことが多々あります。
乳腺病理は,患者さんの背景も頭に浮かべつつ,いつも悩みながら診断しています。
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