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< 大腸ポリープ | メイン | 早期胃癌 >

大腸癌

K.U. / 2010.05.08 17:00 / 推薦数 : 1

60歳代男性.S状結腸ポリープ15mm大に対し,内視鏡的粘膜切除術 (EMR:Endoscopic mucosal resection) を施行。臨床の先生は形状から大腸腺腫を予想されていました。

標本はHE染色です。向かって左側は概ね正常粘膜,向かって右側の腺管は紫がやや濃くなっているのが見えます。

右側の腺管の構造は,ややいびつな感じで,2から3個の腺管がくっついていたりするところもあります。

核を見てみると,左側は紫で腺管の基底部にはりついていますが,右側はややぎらついたような核で,基底部にはりつかずに,内腔に向かって登ってきています。

そして一部は核分裂のため,黒っぽく見えます。

 

診断:Well-differentiated adenocarcinoma (tub1)

 

すなわち高分化型腺癌です。

組織の一部だけでは,良性の腺腫と区別がつかないときもあります。そのため,腺管構造,細胞異型度,浸潤の有無など,さまざまな要素を加味した上で最終的に診断しています。

通常,癌組織を診断する場合,深達度,リンパ管浸潤,静脈浸潤,リンパ節転移,断端における癌細胞の有無などを観察します。

それらの重要性につきましては,皆様に今更お伝えすることはありませんが,EMRやポリペクトミーの場合,その手技上,深達度などが判別しにくくなることがあります。

早期癌と進行癌というのは,深達度で決定していますので,そこが少し曖昧になってしまうということです。

本症例の場合は,EMRで癌は表層に近い部位にあり,断端はほぼ正常粘膜でしたので,一般的にはこれ以上の処置を行いません。

早期に癌が発見されることが多くなり,また徐々にEMRの適応が広がり,進行癌の手術例が減ってきた印象です。

標本の中にはわかりにくいものもよく混ざっており,今後も悩みながら診断していくことになるのでしょう(泣)。

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