2009.12.31 14:00 |  仕事 / 職場  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 3

今年1年の総括

あっという間の1年でしたね。結構誰が書いているか面がわれて、匿名性がなくなってきているもんで、なんとなく書きづらくなってしまった感じがあり、あまり更新も出来ませんでした。悪口も書けないし。

ちょうど1年前に診療所を退職した。しかし、なぜかまたその診療所で働いている。昨年退職したのは、近くの医療機関に移籍をして、その医療機関の力をかりて、この診療所の医師体制をしっかりさせ、地域医療の継続性を守る。そして、二つの医療機関にさらに広げて提携先をみつけて、北海道の医師不足の地域に診療援助にいく、研修医も育てるなど色々と頭の中は大きく膨らんでいたのに。現実は厳しかった。結局うちの町側から派遣の交渉を打ち切ってしまった。まさかの展開だった。そのため4月以降常勤医ゼロの可能性があり、3月末で病棟も閉鎖。

私は5月から診療所に復職し、なんとか町民が主役、町民が主体的にかかわっていく地域医療を作っていこうと思っていた。

病棟の再開については迷っていたが、5月に戻った段階ですでに12月までに大量の看護師が辞職するということを聞かされた。これでは病棟を早く再開してもまた看護師不足で再度閉鎖になってしまう可能性が高い。在宅中心で頑張っていくしかないと思った。しかし、町民の考え、町長の最終的な決断などで、結局病棟は再開予定となり、そのために看護師を集めるということに。私としてもこの僻地で病院までの距離が40キロ、在宅の意識が進んでいないこの地区で病棟がなくなることはここでは死ねないとイコールだと思っており、病棟再開に対しては賛成だったので、なんとか早めに病棟を再開するべく頑張っているところ。

ただ、このご時勢看護師さん集めは大変だ。12名の定員を目指して、募集開始。現在6名の新規採用が決まったが、まだ2名不足の状態。

なんとか来年5月からはじめたいと思っている。

町民はどうなったかというと、私が戻ってからというもの、すっかり安心してしまったのか、自主的な動きはあまりでていない。町民側から「集会、勉強会をするから来てください」という声がかかるのを期待して、こちらから積極的にアプローチをしなかった。そしたら結局町民側からのアプローチはなし。

痺れをきたして11月から各自治体などを回って町民との懇談会を開こうとしたが、新型インフルエンザの流行が始まって町側からもストップがかかった。

最近色々な町民と住民との懇談会、勉強会のことについて話してみたが、皆さん私が忙しくて疲弊していると思っているので、先生に忙しい思いをさせてはいけないと思っていたという答え。

そういうことは喜んで出かけていくから何かあったら声をかけてねと話したら、「そうだったんですか!」と喜んだ様子。

ああわかっていなかったのかなあと改めて思った。みなさん遠慮深く、つつましい町民だ。

年明けからは少し積極的に仕掛けていくつもり。町民の意識を変えていかないと地域医療の改革はできない。この1年町民は色々と苦労して、ある程度学習してくれたと私は信じたい。今がチャンス。

行政との対話は月1回は定期に行っている。町長か副町長が出席する。その場で色々と今後の方針などを話し合う。

どうも私たち医療スタッフと行政側の話の進め方が違うことがあり、少し不満も残る。町長からしてみると、診療所は行政の一部門にすぎず、診療所スタッフ(私を含め)は町長の意向でなんとでもなるというような雰囲気を感じることもある。

合併する前までは町立病院を持っていなかったので医療スタッフ集めに苦労をしてきた経験がないわけで、しょうがないなあと思いつつ、このままではよけい診療所職員の不満が高まるばかりだ。

そうではないということを分かってもらうように少し粘り強く話し合って、そうではないということを指導してゆく必要はあるだろう。行政側もこの1年色々と苦労をしたことは事実。これも今がチャンス。

町議会議員の先生方についてももう少し積極的に頑張ってほしい。地域医療を支える地方議員連盟のことを知っている議員さんってうちの町にはいるのだろうか。単なる圧力団体になっているフシがある。医師派遣の交渉を打ち切る決断を町長がした際に反対をした議員が一人もいなかったというのは驚くべきことだと思う。今更「病棟、救急を早く再開しろ!」と要求ばかりをつきつけてくる。でも3月で医師派遣を断るということは、こうなることはわかっていたんじゃないの?と言いたくなる。

もちろん真剣に考えてくださっている議員さんも数名はいる。今後は議員さんとの勉強会なども開いて、議員さんの意識改革にも取り組んでいこうと思っている。

来年はいろんな意味で忙しくなりそうだ。昨年末からの色々な問題はコミュニケーション不足から来ていたことは紛れもない事実で、それは私も反省している。

これからはコミュニケーション。会って直接色々と話せば、もっともっと道は開けるだろうし、地域は良くなるはず。そう信じて来年は頑張ってみようと思う。また失意の底に落ちるかもしれないが、それならそれで辞めるだけだ。それだけの地域だったいうことになる。

なんとか上手くいって「もっとここに居たいなあ」と思えるような地域に育ってくれることを願っている。そうなれば色々な医療スタッフがこの町に来てくれるようになるかもしれない。

甘いかもしれないが、そのような時が来ることを信じて、

イエス様のお名前によってお祈りします。アーメン。

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2008.12.30 23:48 |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 5

仕事納めに思う

本日が診療所の仕事納めでした。

昨年も仕事納めのときの記事を書いていました。

http://blog.m3.com/hokkaido/20071229/1

 

今改めて読むと、今回の辞任は決して突然のことでなかったということが分かると思います。

 

この1231日で町の職員を辞めるため、今日は最後の日ということでお花も頂きました。まだ1月は別の医療法人からの派遣ということで通常通り診療所で勤務するので、ちょっと微妙な心境でした。まあ所長は今月一杯なので、公務員最後というより、所長の最後ということで受け取りました。

10年前にこの町にやってきて、その後院長、所長と約4年間責任ある立場にあり、診療所を町民の皆さんにとってなじみのある、頼られ、愛される存在にしていきたいという思いで色々と取り組んできました。

24時間365日急患は受け付けるということについては私が赴任する前からずっとやってきたことでした。このことについては病院から診療所へ転換する際も、方向性を変えませんでした。それがこのような僻地の診療所の使命と考えてきたからです。医師の過重労働については以前からずっと自分の中では気になっていました。大きな都会の病院の忙しさと違った忙しさが僻地の医療機関にあります。それがこの24時間365日の救急対応です。急患の数は少ないのですが、少ない医師で当直を担当するため当直する回数も多く、非常に拘束感があります。夜もいつもすぐに診療所に駆けつけられるように寝間着ではなく、ジャージを着て寝ていました。この町のような僻地ではこれが当たり前と思う反面、これでは長く勤められないという思いがいつもありました。そのためなるべく勤務環境を良くしようと思い、研修日を設定したり、代休をとれるようにしたり、夏休みはしっかり取れるようにしたり、週末の当直免除をしたりしてきました。しかしこのような方向性は行政からすれば医師のわがままと思われてきたような気がします。行政自体が、医師が労働者であるという認識がなく、労働基準法を逸脱した勤務についても見て見ぬふりをしてきました。

これは北海道の一僻地の問題ではなく、医療界全体にいえることで、マクロでみれば国自体が医師が労働者であることを無視して(知らないふりをして)、労働基準法を守っていないことを無視し続けてきました。そのため疲れ果てた医師たちが現場から逃散し、地域医療の崩壊が起こりました。医師は仕事先を変えようと思えばいつでも変えられます。開業もひとつの選択肢でしょう。ですから現場の医師たちはわざわざその場で踏ん張って闘争などせずに逃散するのです。今まで医師はみな使命感から身を粉にして頑張ってきました。今もそうです。全国で頑張って疲れ果てている医師がたくさんいるはずです。私も卒後8年間は完全に解放されるのは学会の時と夏休みくらいでした。旅行の予定も患者さんの容態が悪ければキャンセルでした。いつ呼ばれるか分からない状態でしたので、家内も私に子供預けて美容院にも行けないと嘆いていました。特に家内は医療関係ではなく一般人でしたので、医師の勤務体系についてはいつも不満を言っていました。夜寝ないで働いたのに次の日にまた普通に仕事するなんておかしいと。これってきっと普通の感覚だと思うのですが、私は医師という職業についたからはしょうがないと思っていました。

このような異常な勤務は医師では当たり前でした。ですから日本は医師数が少なくても医療が守られてきたのだと思います。医師が全員週 40時間勤務となると、一体何人の医師が足りないのでしょうか。

住民(国民)ももちろん知らない振りをしてきました。夜中当直で働いている医師が実は翌日も普通に勤務するということを知りませんでした。知らなかったというか想像力の欠如で知ることが出来なったのかもしれません。わざと考えなかったかもしれません。いずれにしても国民も医師の過重労働については認識してこなかったでしょう。行政にしても住民にしても医師なのだから夜も寝ないで働いて当たり前、高い給料をもらっているのだから36時間連続で働いて当たり前くらいしか思っていなかったかもしれません。私も以前事務の人から「先生くらい給料もらっていたら私も毎日当直しますよ~」なんて軽いタッチ言われて非常に怒ったことがありました。

話しが長くなりました。私も使命感でこれまで一生懸命働いてきたつもりです。しかし、こんな調子でいつまで働かなければならないのだろうかと思うようになりました。またこのような行政、住民の理解のない町では今後確実に医療崩壊が起こるだろうと思いました。

ということでは私は今月一杯で辞職し、ある医療法人に頼ることにしました。その医療法人が派遣で診療所に医師を派遣してくれる予定です。しかし、簡単に派遣などしてくれません。私の辞職と町の医療再生はあくまでセットです。今後行政や住民の努力が足りないと医師派遣は得られなくなり、地域医療は確実に崩壊するでしょう。おどしのようにとられるかもしれませんが、これは非常に重要なことだと思います。地域医療は医療機関だけで行うものではなく、行政、住民が一体となりつくっていくものだからです。医師まかせ、医療機関まかせではいい地域医療なんて出来るはずはありません。まずは行政側の判断で、残った医師を過重労働から守るために1月からは時間外受付を中止としました。医療法人からの派遣が今後増えれば少し時間外を診るようにはなるかも知れませんが、まずは完全にシャットアウトということになりました。いままでのこの町の時間外受診の自由さから考えると住民にとってはとんでもないことかもしれません。しかし、医療再生のためにしばらく我慢していただきたいと思います。24時間365日を看板にしてきた私としても非常に複雑な心境です。でもここを乗り越えないと私の、そしてこの町の再生はないと思っています。

北海道では各町に小さな病院や診療所があり、少ない人数の医師で地域の医療を支えています。どこの町も「地域医療を守るため」に24時間365日の救急体制を敷いています。でもこの「地域医療を守る」ということ自体が問題なのだと最近やっと分かりました(遅い)。

いったい地域医療の何を我々は守らなければならないのでしょうか。24時間救急なのでしょうか?違うと思います。24時間救急を守るつもりで頑張って医療崩壊になっては元も子もありません。ですから私は行政や住民に言いたい。今地域で頑張っている医師を大切にしてください。限りある医療資源だと思って大切にしてください。

しかし、現実は違います。まさに使い捨て状態ではないでしょうか。今まで「地域医療を守るため」という大義名分で医師に過重労働を強いてこなかったでしょうか?疲れ果てて辞めていく医師に後ろ指を指してきませんでしたか?

 

私が今度就職した医療法人の理事長はよく以下のような話しをされます。

北海道での生活にあこがれて北海道の地域の病院に赴任し、疲れ果て夢破れて帰っていく先生がいかに多いか。そしてその先生方は周りの先生に「北海道の地域医療なんかいったらだめだよ。殺されるよ」というかもしれない。そうなったら益々北海道の地域に医師は来てくれなくなってしまいますよ。そんな地域医療をするのはもうやめましょう!と。普通の医師が普通に北海道に来て2~3年でも楽しく地域で生活しつつ、地域医療を学んでまた帰って行けるような環境を作っていきましょうと。

 

どちらかというと「頑張って身を粉にして働くのは当たり前」タイプの古い理念にしばれられていた私に、この理事長やその下で働く医師たちは大きなパラダイムシフトを起してくださいました。これからどのような展開になるのか。色々と楽しみになってきています。

 

*その理事長も実は以前は私以上に「頑張って身を粉にして働くタイプ」だったことを私は知っています。「医者は普通の人の2倍の給料をもらっているんだから2倍働いて当たり前だ」とおっしゃっていたことも知っています。でも私よりずっと早くパラダイムシフトを起されていたようです。さすがです。

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2008.10.23 22:45 |  仕事 / 職場  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 1

ピンチ到来

いよいよ、うちの診療所にも医療崩壊の波がやってきそうです。3名でなんとかやってきましたが、12月一杯で1名辞めます。その後釜が4月から来る予定でしたので、3ヵ月だけなんとかしのげばなんとかなりそうと気持ち的には安心していたのですが、一転4月からの先生が来ないことになりました。色々な事情もあるのでしょう。そのことはしょうがないと思います。

あわててもう一人医師を探し始めましたが、このご時勢なかなか簡単には見つかりません。

来年4月から医師がくるということで、数ヶ月前にある先生からの求職依頼を断ったばかりでした。その時に4名にしてもいいのではと事務に提案したのですが一笑に付されました。

今思えばもう少し粘って4名体制の約束をとっておけば最悪3名体制は維持できたのにという後悔の念。

しかし悔やんでもいられません。あちこちに頼んで医師探しをしました。大学にも頼んでいますが、なかなか思うようには出張医の派遣は受けられません。しかも来年の4月以降は派遣は無理とのこと。

出張医でやりくりして、なんとか3月まではもつかもしれませんが、その後は崩壊路線まっしぐら。外来、病棟、カメラ、訪問診療、健診、施設の定期回診(4箇所)。さらに4月、5月は学校健診が目白押し。当直は2名で順番にこなす必要があります。間違いなく業務を大幅に縮小せざるを得ません。

現在ある医療機関に依頼中で、うまくいけば地域医療を維持することが出来そうなのですが、町の理解がないと到底できません。私も辞職覚悟で、町と色々と話し合いを進めています。町長、副町長ともこの状況を把握していなかったようで、少し慌てているようです。これを機会に今までの不満をまたぶつけました。1年前にも色々とぶつけたのですが、今回もさらに上乗せして文句をたくさん言いました。

毎回繰り返される医師不足問題。いままでは奇跡的に医師体制を維持できて来ましたが、これ以上は無理なようです。

このまま町の理解が得られなければ私もここにはいられないと思います。ほとほと疲れ果てました。最近はずっと仕事をしていてもはりがないというか、楽しくないというか、なんだかだめですね。

このピンチに起死回生の一発が出るか。大きな分岐点です。

 

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2008.09.12 19:38 |  仕事 / 職場  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 4

実習生受け入れ

地域医療の楽しさや問題点を多くの医学生に知ってもらいたいと思い、医学生の実習生を受け入れています。毎年20名くらいの医学生が診療所にやってきます。

楽しさを教えるつもりが愚痴になったりしてはしゃれにならないので、なるべく楽しくやっているようにはしていますが、医学生達は大変さももちろんわかってくれます。

今週は1年生の学生が2名やってきました。さすがに医学部に入ったばかりで医療現場に興味津々。

どんな実習に対しても一生懸命取り組んでおりました。昨夜は温泉にも連れて行きました。

実習中、たくさんの質問をいただきました。

「どうして僻地医療をめざしたのですか?」

「どうして総合医をみざしたのですか?」

「3人で僻地医療をやるのは大変ですか?」

もともと小児科医であった自分が、自分の中でどのように僻地での総合医をめざすようになったのか、その過程を色々とお話した。二人ともすごく真剣に聞いてくれました。

話していてなんだか自分もとても新鮮な気持ちになっていくような感じがしました。

やっぱりこうやって若い人たちとお話しするのは元気が出るなあと改めて思いました。

「若い医学生から生気を吸い取る」というと妖怪のようですが、今週はとても新鮮な気持ちで医療に取り組むことが出来たような気がしました。

 

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2007.12.29 17:11 |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 4

仕事納め

昨日28日が当診療所の仕事納めでした。このあたりの役所は普段は30日が仕事納めで、1月5日が仕事始めになっています。今年は29日、30日が土日になるので、28日が仕事納めで、1月5日は土曜日なのでこれまた延びて1月7日が仕事始めになります。役場の方々は9連休ということですね。診療所はさすがに9日間も「のほほん」と休んでもいられないということで1月4日に外来をします。でも役場は9日間の正月休みなので、診療所の職員も9日間休みをあげないといけないことになります。4日に出勤した職員には代休を与えることになります。診療所と役場はいつでもこのようにリンクしていて勝手に診療所で休みの日数とかは変更できません。もちろん給料もですね。このあたりは自治体病院、診療所に勤めたことがないとわからないお役所の規則です。

今年の正月休みは少し奮発してもらって出張医を多めに頼みました。だから他の医師も少し冬休みを満喫できるかもしれません。私も29日から1月2日まで5連休となります。ちょっと嬉しい感じです。でも他の医師も含めて9日間は休めません。休めない分は代休を取ることになっていますが、ギリギリの勤務で代休なんてなかなかとれません。有給休暇も今年はほとんど取れませんでした。(2日くらいかな)

それにしても11月~12月は忙しかった。インフルエンザの流行に加えて溶連菌や胃腸炎の流行で外来数がやたら多かった。どこの医療機関もきっとたいへんだったでしょうね。これで経営が少しでも良くなればいいんですが、そう簡単にはいかないでしょうね。

仕事納めの日、挨拶に訪れた副町長をつかまえて医師の労働環境についてディスカッションしてみました。結局1時間半くらい話し込みました。

まず医者は労働者という認識はありましたか?

と伺うと

「お医者さんはスーパーマンみたいなもんだから、労働者なんてことは一度も考えたことがなかったなあ」と。

正直者の副町長らしいお答えでした。

その後労働基準法のことや救急対応の危うさ、当直の大変さなどを訴えました。

「だいたい3人でほぼ365日当直をしていることについてはどう思いますか?大変だろうなとか思ったことはありますか?」の問いには何も答えがありませんでした。そんなことを考えたこともなかったということでしょうか。

それでも最近診療所を支えようという住民グループが会をたちあげたのですが、その会員の人がコンビニ受診をすると先生方も大変だからなんとか住民に働きかけなければならないと言っていたと副町長からの情報があり、少しうれしかった。でも診療所の管理者である町側はそんなこと考えたこともなく、住民の方がむしろ心配してくれているというのはいったいどうなってんでしょうかね、この町は。

それでも比較的言えば分かってくれる型の副町長はそれなりに理解をしてくれたようで、伊関先生の本もさっそく買って読みますと言っておりました。

救急体制のこと

日当直の扱い

時間外救急を診た時の時間外手当て

医師の基本的な労働環境のこと

色々と検討課題が多いと思いますが、なんとか働きやすい環境に整えていきたいと思っています。

このことについては全国医師連盟のSNSで色々と取り上げられており、私も勉強しつつやっています。いままでの無頓着ぶりを猛省する日々であります。

 

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2007.10.20 11:00 |  仕事 / 職場  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 3

僻地医のモチベーション

クサウラベニ茸先生とコメントのやり取りをしていて、僻地医のモチベーションってなんだろうと思いました。以前実習にきた医学生が「医師のモチベーション」についてグループインタビューをするという課題があり、応じたことがありました。思いつくままに答えたような覚えがあるのですが、自分にとってのモチベーションはなんだろうと改めて考えてみました。

まずは

僻地医療がやりたいという気持ち:これがないと最初から僻地にはこないだろうし、医局派遣できても予定通りまた大学や大病院に戻ってしまうでしょう。

使命感:というとなんだかかっこつけていますが、今自分が辞めてしまってはこの地域の医療が崩壊しかねないと考えるとなかなか辞めるのは躊躇してしまいます。自分の代わりの医師なんてたくさんいるのですが、私の後釜として信頼できる、継続していてくれるような医師がいないとなかなかバトンタッチは難しいと考えています。毎年所長が変わっていては診療所の運営が出来ないでしょう。ただ自分がなんでもかんでも所長として居座っていくこと自体は決していいことではなく、スムーズにバトンタッチをしていくことは難しいかもしれませんが、大切だと思います。そういう意味で後輩を育てていくことが重要であることは言うまでもありません。

住民や行政からの信頼:どの程度信頼されているかというのは数値ではなかなか出てこないのでつかみづらいのですが、困ったときに相談に来てくれることが多いとうれしいものです。外来の数にも結構あらわれます。長い時間を待ってでも私の外来に来てくださる患者さんの存在はうれしいものです。また行政に関していえば、診療所の運営について私の意見をよく聞いてくれるとか、色々なところから講演などの声をかけてもらうというのは一つのメルクマールかもしれません。

その町を自慢できる:自分が勤めている町に住み、そこで生活することにより、外からの眼ではなく、それに加えて内からの眼で地域を見ることが出来ると楽しい。これは実際にすんで見ないと分からない感覚かも知れません。医学生や研修医が来たときはなるべく地域を知るためのプログラムを組んだりもしていますし、往診のついでにあちこち寄って帰ってくることもあります。都会育ちの子が多いので、それなりにみんな喜んでくれます。

患者さんとの距離が近い:患者さんであり、近所の人であり、子供同級生の親だったりするわけです。その分プレッシャーもあるけれどやりがいも感じます。心筋梗塞やくも膜下出血の患者さんがきて、すぐ診断して、処置をして中核病院へ送る。ただそれだけのことでも患者さんやその家族はすごく感謝を表してくれます。私は何もしていないのに。

コンビニ受診が少ない:まったくないということはありえませんが、子供が夜に熱をだしてもあわてて連れくるという家庭は少ないです。だいたいは家で様子をみて翌日連れてきます。電話での問い合わせで済むこともあります。都会の病院の夜間救急のように腹の立つ患者さんは一部だけです。(地域によって事情は様々かもしれませんが)

あんまり忙しくない:小児科で急性期をバリバリやっていた頃、後期研修医で急性期病院にいた頃と比べて時間はたっぷりあります。公立診療所なので土日は基本的に休み。それこそ小児科時代はポケベル(古い!)から開放される日は夏休みと学会発表の時ぐらいでした。それに比べれば当直が多いといっても基本的には宅直ですし、年に2/3はフリーになれると考えればまあよしとすべきでしょう。家族とすごす時間ももちろんたっぷりあります。当直(特に週末の)はもっと減ってほしいけど。

自然が豊か:これは言うまでもないでしょう。僻地にくる医師はだいたい自然が好きなはずで、だからこそ田舎で暮らしながら医師をしたいと考えると思います。時間は結構ありますので、家庭菜園をするもよし、山歩きやつりをするのもよしです(私はクワガタ)。子供を自然の中で育てるというのもなかなかよいですよ。塾とかもないし。

仲間がいる:これも大きいです。同じ地域医療、総合診療志向の医師と一緒に働けることは楽しいことです。以前は普通の町立病院だったので、あまりそういう医師がおらず、ちょっとストレスでしたが、今はそれなりに楽しいです。

モチベーションが下がる、辞めたくなるというのは基本的にここの反対のことをことがおこるともういやになってしまうのでしょう。

特に 住民、行政の理解がない、経営についてあれこれ言われるというのは本当にいやになってしまいすね。現場を無視してあれこれ決めるとかは最悪。また町長の存在は大切です。無理解な町長はそれだけでもう終わりでしょう。知識がないならないなりに何か考えてくれたり、意見を聞いてくれればいいのですが、考えようともしない、先送りするのは困ったものです。

行政の悪口はいくらでもかけますが、基本的には私はあきらめています。まずは敵にならない、見方に引き込むというスタンスで考えています。役場組織は巨大ですから、私一人で立ち向かっても何も変えられません。こちらが負けるだけです。行政の理解がないのであれば公設民営化を選択するということになると思います。

あと仲間も大きいでしょう。同じベクトルを共有できない上司、部下がいると疲れてしまいますよね。

なんとなく思いつくままに書いてしまいましたが、いかがでしょうか。他にこんなこともあるとか、これは違うとかあればご意見をお願いします。

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2007.08.12 21:30 |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 1

高校教師も

高校教師郡部「嫌だ」 同一校に15年以上260人も 道教委苦慮(北海道新聞  08/12 07:45)

 同一の道立高で15年以上勤務する教員が今年4月時点で260人に達し、道教委が来年春まで3カ年で取り組んでいる長年勤務者解消計画の達成が困難な状況になっている。対象者の大半を占める札幌など都市部に住む教員が、郡部への異動を渋るケースが多いためだ。道教委は、人事停滞は弊害が多いとする一方、強制的な異動には慎重なこともあり、問題は簡単には解決しそうにない。

 道教委によると、同一高校勤務が十五年以上に及んでいたのは、解消計画を策定した二○○五年八月時点で、道内の高校教員と養護教諭ら計約九千人のうち三百六人。三カ年計画が終わる○八年四月までに十五年になる教員を合わせると五百六十四人に達した。道教委は○六、○七年度の人事で解消を図ったが、半数近くは手付かずで、○八年度人事でも完全な解消は難しい見通しだ。

 人事滞留の理由について、道教委は「多くは教員本人が郡部への異動を嫌うため」と説明する。「持ち家を離れたくない」との理由もあるという。一方、札幌市内の道立高に勤務して十五年近くになる男性教員は「進学希望の生徒のために長年、教科指導法を研究してきた。その力をまだ役立てたい」と話し、個人的理由ばかりでないと強調する。

 道立高人事異動実施要領は、一校の勤務年数が都市部で十年、郡部では六年を超えれば異動対象としている。

 一方、郡部への転勤を命じられた教員が発令取り消しを求めた訴訟に対する一九五五年の釧路地裁判決は、任命権者の裁量を認めて原告の訴えを退けつつ、家庭の事情などを考慮しない転勤命令は場合によって人事権の乱用に当たるとした。また、地方教育行政法は、学校長による任命権者への意見具申を認めており、人事には現場の意向が尊重される。

 こうしたことから、「本人の納得なしに強制的に異動させることは難しい」(道教委教職員課)のが実情で、道教委は対象教員を説得してもらうよう校長への働きかけを強める考えだ。

 転勤が実現しない教員を抱える道北の道立高教頭は「人事の停滞によって現場の士気は落ちている」と話している。

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道立高校の先生も僻地に行くのがいやなようですね。ずいぶん昔ですが、裁判にもなっているなんてびっくり!です。道立高校の教師になるなら、北海道内のどこに行くかわからないくらい知った上で教員採用試験をうけているはずなのに。

まあ色々と事情があるのでしょうから、道庁の思うままに人事は出来ないのでしょうが、「家庭の事情などを考慮しない転勤命令は場合によって人事権の乱用に当たる」と言われても、どこまでが事情で、どこからがわがままかは区別つかないでしょう。

確かに札幌の進学校では名物先生とかいるでしょうが、それでも同じ高校に居座って、現場の士気を落としてしまう先生は困りものですね。

もちろん私の町の先生は若い先生が多いと思います。それでもたまに家族連れで来てくださる先生もいらっしゃいます。拍手です!!こういう先生はクラブ活動の指導に熱心だったり、地域のために教室を開いてくれたり、一生懸命な先生が多い印象です。

現在、北海道の財政難で高校の統廃合が進んでいます。当町の高校も募集定員の半分しか応募がない状態で、今後廃校になるのではといううわさもあります。

医療機関と同じで、高校も淘汰されていくのでしょう。ここでも地方切捨てですが、これはしょうがないことなのでしょうか。

 

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昨日は代休で、お休みでした。千歳に行ってラーメンを食べたり、ホームセンターでお花を買ったり、ケーキを買ったり、一日中一人でぶらぶらして楽しみました。久々にお金をたくさん使ってしまいました。平日のスーパーってすいていて、ゆっくりと買い物ができます。なんか得した気分でした(このことについてはまた後でブログに書きます)。

 

さて、以前にも書きましたが、北海道庁は医師確保対策として、道職員として医師を採用し、2年間を地方勤務、1年間を研修にあてるというパターンで勤務させるようです。5人の採用を予定しているようですが、同じ取り組みをしている宮城県では2年間に8名の方を採用し、一応成功しているとのことです。城西大学の伊関先生のブログ(http://iseki77.blog65.fc2.com/blog-entry-2172.html#more)から引っ張ってきたのですが、STVニュースでやっていたようです。(それにしても伊関先生はすごい情報の集め方です。私はだいたい毎日伊関先生のブログをチェックして医療関係のニュースを見ています)

このパターンがはたして魅力的なのかどうか私にはあまりぴんときませんが、身分保障という意味では魅力があるのではないかというコメントもありました。確かにずっと道職員なので、長くいれば退職金がしっかりもらえるということになります。でもそんな先のことまで考えている先生とかっているのでしょうか。あと、2年仕事した後の1年の研修が、たとえば胃カメラだけずっとやるとか、耳鼻科や皮膚科の外来研修のみとか自由に設定できたり、休みは自由に取れるとかだといいですが、結局都会の急性期病院の一職員として働かせれるのであれば、その1年はかえって大変だったりして…。

いずれにしても5名の定員だそうですので、北海道の地域医療に従事したいと思われている方はよ~く考えて、また道職員の方とよ~く交渉の上、ぜひ応募してください。まず1クールやって、それで色々と情報を集めて、あとは自分で就職先を決めてもいいかもしれませんね。

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2007.05.31 04:47 |  開業 / 病院経営  |  仕事 / 職場  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 2

医師の移住促進(2)

昨日北海道での医師不足対策について書きました。私の診療所も医師不足がありました。もともとは町立病院だったのですが、常勤医2名がやっとでした。今回は私なりの医師移住促進計画です。

数年前に私が院長になり、その後有床診療所となりましたが、その段階で私は一つの方針を立てました。

・医師は診療所になっても3名体制とする

・医師の給与は私を含め減額し、以前の2名分の医師給与で3名分を支払う

・医師には研修日を週1日確保する

・夏休みなど長期の休みをしっかり取れるようにする

・土日当直をしたら代休を1日確保する

・研修医や医学生の実習を積極的に受け入れ、医学教育にも参加できる環境を整える

 

 (*医学教育については専門医の先生方は面倒くさいだけかもしれませんが、総合医療や家庭医療の分野では結構興味を持っている先生が多い印象です。ポートフォリオ、コーチング、オスキー、EBM+NBM、フィードバックなど、研修指導医養成講座で色々と習い、カルチャーショックを受けましたが、家庭医として研修してきた医師はほとんどそれらが身についています。)

 

もともと保健福祉センターを併設していて、町の保健師さんとも連携をとり、地域包括ケアに積極的に取り組んでいたり、町内の特別養護老人ホーム、ディサービスセンター、障害者施設などとの連携をしたり、在宅診療や地域巡回診療にも取り組んでおりました。人口4000人弱の町で1箇所の医療機関で、周辺にはこのような環境があり、地域医療を学ぶ上では、楽しいフィールドに育ってきていました。

そして診療所になる段階で若い医師を2名募集したところ、1ヶ月くらいですぐ2名の応募がありました。他にも大学関係から派遣を依頼されたのですが、4名の雇用は無理ということで大学はお断りしたという状況でした。

新しく来られた医師は1名は本州の都会から、1名は道内から来てくれました。両名とも地域での総合医を目指して勉強されてきた方でしたので、若いといっても即戦力でした。

 3名になることによりそれなりの余裕が生まれ、私もフィリピンやネパールの海外医療協力の様子を見に行ったりすることもできるようになりました。またカンボジアのスタディーツアーに参加された医師もおります。夏休みも2週間とってもよいことになっています。

今後はより質の高い、しっかりとした地域医療を目指して進んで行きたいと考えているところです。予防医学、町の医療費を下げる、町外流出患者さんを最低限に食い止めるなど、夕張の村上先生や他の地域医療に取り組んでおられる先生方にも色々と教えを頂きながら、当町なりの地域医療のモデルを創れたらと考えています。

あとは医師4名体制にして、他の困っている地域の病院や診療所に医師派遣を行い、人件費を稼ぐということも考えているところです。そうすると私自身も研修日や有給休暇を確保できるような気がします。

こんなような感じでやっています。まだまだ発展途上の診療所で、いわゆる先進的と呼ばれている診療所などを視察するとその足元にも及んでいないことも自覚しています。経済的にも苦しい状況が続いているのも確かですが、なんとかかんとかやっています。あとはしっかりとした後継者が、今一の私をしっかりと引き継いでくれ、継続して安定した地域医療を作っていってくれればそれが一番と思っています。

 

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2007.05.30 12:37 |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 3

医師の移住促進

 道庁が考えた北海道の医師不足に対する案です。

1、北海道の職員として採用し、2年間地方、1年間基幹

  病院で勉強というパターン (5名募集)

2、団塊の世代を中心に北海道移住を促進

3、民間病院から地方に医師派遣すれば、病院に対して

  年間500万円の資金援助をする(2名分のみ!)

 

というもの。1年間の予算が2800万円。お金のない北海道とすれば精一杯の対策なのでしょうか。

 

まずは北海道の移住医師を募ることですが、あまりに情報がないです。私も10年前北海道に戻る際、何の情報もなく、あちこちの町立病院の面接に歩きましたが、結局よくわかりませんでした。

北海道地域医療振興財団が頼みの綱かもしれませんが、財団も細かいところはつかんでいません。北海道に来たのはいいが、結局夢破れ辞めていった先生はたくさんいます。自治体職員や首長との確執、古い体質の院長や他の医師との確執、住民との確執などなど。

医師が足りない足りないと騒いで、北海道庁や医局になんとかしてくれ~と頼むだけではなく、受け入れる自治体病院だって、環境を整えるとか、情報を発信するとかの自助努力は必要だと思います。

 あと移住促進は団塊の世代にこだわる必要はありません。若い人のほうがかえってよい面もあります。子供が小さいうちは都会より田舎のほうがいいと考える方も多いのではないでしょうか。お受験していい小学校や中学校に入学することが本当に幸せとは限りません。

田舎の生活も楽しいですよ。数年間でもいいですから、ぜひ北海道の地域医療のために働いてみませんか?

 

*************************

道職員で医師5人採用 来月議会に補正予算案道、確保策に2800万円(05/30 07:16)

 道は本年度に実施する医師確保対策をまとめた

《1》道職員として医師五人を採用し医師不足の地方に派遣する

《2》地域に勤務医を派遣する民間病院に資金支援する

-など五事業で、本年度の補正予算案に計約二千八百万円を計上、六月中旬開会予定の定例道議会に提出する。

 五事業はこのほか、団塊の世代を中心とした道外在住医師の移住促進事業、医学生を含めた道外現役医師の勧誘活動、臨床研修医の指導医の研修事業。

 医師を道職員として採用する事業では、五人程度を三年単位で雇用し、医師不足の市町村立病院や診療所に派遣する。道内での義務勤務(九年間)を終えた自治医科大卒者に道職員となるよう働きかけるほか、新聞や雑誌で全国に呼びかける。

 三年のうち、二年間は市町村立医療機関の勤務医として働き、一年間は道職員として都市部の病院で研修する。予算は給与を除いて約四百万円。

 また、市町村立病院、診療所に医師を派遣した民間病院に対し、医師一人当たり年約五百万円の資金支援をする。年二人程度を予定している。初年度予算は約七百万円。

 このほか、移住促進事業では、首都圏などでの説明会を開催、地域医療の現場視察も行う。勧誘活動では、道職員が医大や道内出身の医師らを訪問、ホームページなども活用する。

 指導医研修は、地域病院での臨床研修受け入れ増を目指し、指導医がプライマリ・ケア(初期診療)を教えられるように研修する。

 

(北海道新聞ホームページより)

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