羅臼診療所のニュースが本日の北海道新聞に載っていました。
羅臼診療所はきっと4年くらい前に医師や看護師数が減ってしまって町立病院から無床診療所にして、救急も止めたりして色々大変でした。さらに昨年は常勤医ゼロの危機も迎えたりしました。このブログでも取り上げました。
http://blog.m3.com/hokkaido/20100417/1
羅臼は外から見ている限り、町民が頑張り、行政も頑張り必死に地域医療を建て直そうとしていました。
町長は全てのエネルギーを医療に注ぐと言い切っていました。
財政も大変で、新しい診療所建設のための寄付も募ったりしていました。
それでもあきらめず頑張り、とうとうこのニュースのようになったようです。
来年4月から釧路の医療法人が指定管理者となって、羅臼診療所の運営をするようです。常勤医3名で内科、外科、小児科を標榜して、そのほかに脳外科、皮膚科、循環器科が月1回専門外来をするとのことです。病棟も19床で再開されます。
羅臼町は「地域医療政策費」として孝仁会に交付するとのことでした。
釧路の孝仁会はかなり大きな社会医療法人のようです。このような立派な医療法人が指定管理者になってくれるというのですから地域医療の安定と言う意味ではいいかも知れません。
地域医療の継続性を守るためにはこれが一番と私も思っています。それだけに私もこのようなパターンを模索しました。うまくいけばよかったのですが、いろいろあってあえなく挫折したわけです。以前は医局がこの役割を果たしていたのでしょうが、今はその機能はありません。
池田には地域医療振興協会が入ってくるようですし、このような例が今後は北海道でも増えてくるかもしれませんね。
指定管理者となる医療法人にとっても「交付金」が一括で支払われるわけですし、資金繰りの面でもメリットがあると思いますし、何より社会医療法人をずっとキープできます。
あとはスタッフ集めですね。医局派遣自体は必ずしも地域医療をしたい、そのための研修をした医師が地域に派遣されているわけではありませんでした(きっと)。数年田舎でくさい飯でも食って(または給料をたくさんもらって)、またシャバにもどるみたいな面があったように思います。
孝仁会は果たしてどうでしょうか。私はこの医療法人のことを良く知らないでよくわかりません。今いる医師が核として残ってくれればベストかも知れません。
看護師についても結構田舎で集めるのは大変です。
まだ1年あるもののそれなりにハードルはあると思います。私も経過を注視していきたいと思っています。
【池田】十勝管内池田町は、町立病院(現80床)を全面改築後の2011年秋から指定管理者に管理・運営を委ねることを決め、勝井勝丸町長は18日の町議会で、全国で医療施設を運営する地域医療振興協会(東京)を候補として検討していることを明らかにした。
施設の老朽化や帯広の病院への患者流出などによって、町から病院への繰り出し額は05年度の2億1千万円から08年度は3億円に膨らんでおり、「公設・民営」で運営コストなどを抑制。医療専門の団体に運営を委ねることで、医師の安定的確保にもつながると判断した。
改築後の町立病院は現在ある48床の療養病床を廃止し、一般病床のみの60床とする。
地域医療振興協会は、へき地医療向上を目指し自治医科大の卒業生を中心に1986年設立。全国40カ所で病院、診療所などを運営している。
総務省によると全国約950の公立病院のうち、08年度までに指定管理者に運営移行したのは54病院。道内では名寄東病院(名寄市)と、むかわ町鵡川厚生病院(胆振管内むかわ町)がある。
北海道新聞より
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上記の記事が先週新聞に載りました。以前からその話しは聞いていましたが、本当に来るのかなあと思っていました。
でもやっぱりいよいよ来るのですね。
「地域医療振興協会」は自治医大のOBが中心になって運営している社団法人です。
以前から僻地の診療所、病院の運営を請け負い、成功を収めてきました。私もずっとこの組織には興味を持っており、町長にも進言して、H13年頃にコンタクトもとったりしました。今後生き残っていくには公設民営化しかないのではないかと当時思っていました。まずは現地調査が必要ということで400万円の費用をかけて、調査をして、りっぱな報告書が出来上がりました。この報告書がきっかけとして診療所化への道が加速したのは確かですが、結局運営はできないという結論でした。当時はまだ北海道の自治医大のOB会自体がしっかりしていないので、なかなか難しいということをいわれました。それなら初めから調査とかして、400万も取るなよなとは思いましたが、調査自体は無駄にはならなかったので、まあしょうがないかと思っていました。結局は儲かりそうもないと思ったのでしょうか。
群馬の六合村温泉医療センター、岐阜の旧久瀬村の北西部地域医療センターなど、私も見学に行かせていただきましたが、診療所+老人保健施設+温泉施設で地域包括ケアを行い、しかも経営もかなりよく、地域医療をやっていた我々にとってはお手本のような存在でした。とても質の高い地域医療が行われていました。
その後だんだん大きな病院の運営委託を受けるようになりました。僻地に医師を派遣する以上、都会に基地的な病院を持って、医師を育て、地域に派遣するというビジョンはとてもよい方向性だと思っていました。しかし、だんだん都会の病院や大きな市立病院クラスの病院ばかりの運営をどんどん手がけるようになりました。
私が外から勝手に見ているだけで、内部のことは分からないのですが、少し方向転換をしているのかなあという感じもあり、一抹の寂しさを感じておりました。
あの長さんも結構この団体には批判的で、自身のホームページで好き放題批判しています。
以前から言葉の端々に感じていた地域医療振興協会への不信が最近ヒートアップしております。
共立湊病院でかなりもめたようですが、もともと長さんの生まれ故郷。ここでこのような問題があって、よけい切れてしまったのではないでしょうか。
今回それでも北海道発上陸ということで池田町が選ばれました。帯広から近いとはいえ、医師が5名という恵まれた環境にあるとは言え、北海道の田舎であることには変わりありません。なんとか頑張って北海道の地域医療の世界に、「これが地域医療だ!」的な素晴らしい展開を期待しています。
今後この病院を足がかりに北海道にも次々に公設民営の病院、診療所が出来てくるかもしれません。
それがいいことなのか悪いことなのかは分かりませんが、現在のところこの団体が運営している施設は共立湊病院以外は引き上げなく、運営もうまくいっています。私も興味深々で経過を見守りたいと思っています。
幅広い症例に対応できる「家庭医」を養成する医療法人北海道家庭医療学センター(室蘭、草場鉄周理事長)は十四日、来年四月から新たに道内の自治体立診療所一カ所に、医師三人を派遣することを明らかにした。派遣先選定には初めて公募を取り入れ、二十八日に札幌で自治体関係者対象に説明会を開く。
今回派遣するのは、同センターで家庭医の研修を終えた医師と後期研修医を含む三人一組。派遣対象は自治体が運営する診療所で、来年四月までに病院を診療所に規模縮小する場合も対象となる。
選定基準は今後詰めるが、草場理事長は「自治体や住民が医師を応援してくれる地域を全力でサポートしたい」と話している。
説明会は二十八日午後二時から札幌市中央区の市教育文化会館で。問い合わせは同センター事務局のメールアドレスhiro@hcfm.jpへ。
(北海道新聞より)
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本日北海道新聞に載っていました。3名だから3箇所かとおもって、私も!と叫びそうになりました。しかし、1箇所で3名セットで派遣。公立診療所が対象ということだった。私も手を挙げたいような気がしますが、今いる医師は私を含めて全員やめなければなりません。まあそれで地域の医療が確実に継続できればそちらのほうがいいのかもしれませんが。
北海道家庭医療学センターはもともと室蘭の日鋼記念病院に併設された家庭を育成するセンターです。かなり人気がありますし、4年間ここで研修すれば家庭としての基礎が出来上がり、様々なところで働くことが出来るようになります。
私もセンター出身の医師と一緒に働いたことがありますが、かなりの完成度で出来上がってくるという印象を受けました。
確かにすごいです。
今まで更別村、寿都町と2ヵ所の診療所でそれぞれ3名の医師を派遣し、その地域の医療を建て直してきた実績があります。ただ医師を派遣するということではなく、その地域に根ざした医療を展開するというポリシーがあるようで、地元での評判もいいようです。
その家庭医療学センターも母体のカレスのごたごたにあいそをつかしたのか、今春に独立しました。
センターとしても今後の収入の確保も必要でしょうし、研修医の研修先や卒業生の就職先の確保も必要ということで、今回の派遣ということになったのでしょうか。
更別、寿都に次ぐ、モデルケースが北海道内のどこかにできるのでしょう。少し羨ましいなあ~。
どこが受け入れ先になるのか。現場の医師が知らないまま、町長が説明会とかに出席してしまうというような不手際がないように祈ります。
3名とも全とっかえとなると、相当つぶれかかった診療所でないと難しいかも。あと作戦としては町立病院をつぶして診療所にに転換する。町立病院院長にしがみついている先生はおやめになるので、それを機に一気に医師を全部取り替えてしまう。
まあいずれにしてもかなり自治体が手を挙げるのではないでしょうか。でも、自治体も覚悟が必要です。自分達も一緒にしっかりとした地域医療を作り上げたいという熱い思いがないと草場先生の心は動かないですから。
昨日夕張医療センターのニュースが北海道内のニュースで流れていました。
夕張市の職員と職員の話し合いの様子が映っていました。ご存知の方も多いと思いますが、夕張医療センターは昨年夕張市が破綻したときに、一緒に破綻した夕張市立総合病院を村上先生が指定管理者として運営を引き継いだ「公設民営」の診療所です。村上先生は引き継ぐ際に、運営資金としてご自分で1億円の借金もされました。
診療所自体の運営は順調であるにもかかわらず、1年間の光熱費が5000万円を超え、そのせいで赤字になっているということでした。私の勤務する診療所は19床で、光熱費は年間1000万円です。夕張は19床の診療所+40床の老健施設ですが、もともと170床の老朽化した病院の建物を使っているのでどうしても効率が悪く、巨額な光熱費がかかってしまうようです。
そこで大家である夕張市に援助を要求しましたが、夕張市も財政再建団体で、自分勝手にお金は使えないようで、すったもんだしています。しかも夕張市は村上先生側に「もっと上手に運営しなさい」と説教までしてしまったようです。
だいたい公設民営ですから、「公」の部分があるはずですが、その部分を夕張市はまったく理解しようとしません。北海道庁も追加支援を検討しているとのことですが、最終的には国の判断ということになりそうで、なかなか先が見えない状況のようです。
以前このブログにも書いたかもしれませんが、公立病院には交付税というのが国から自体体に支給されます。夕張市も診療所になったとはいえ、170床分の普通交付税が5年間は支給されるはずです。単純計算では8000万円の普通交付税が夕張市の財布に入っているはずです。どうしてこのお金を医療のために使えないのでしょうか。
「交付税は自治体の裁量でどうにでも使えるもんだ」と役場関係者は主張しているようですが、私にはどうも納得ができません。病院があるからこその交付税ですから、それを病院のために使うことは当たり前ではないでしょうか。
経営感覚がなく、問題の多い自治体病院とは違います。給料も相当切り詰めて、夕張市の医療を維持するために一生懸命働いている夕張医療センターをこのまま見捨てていいものでしょうか。
夕張市は破綻する前からこの交付税を病院のためには使ってきませんでした。そして不良債務が膨らみ、夕張市が破綻したと同時に病院も破綻してしまったわけです。
まだ懲りていないところがすごい。というかそれだからこそ破綻したのか?とも考えられる。
このままでは村上先生は撤退するしかないとおっしゃっていました。撤退して引継ぐ医療法人があるかというとまずないでしょう。
それは国も、道も、そして夕張市だってわかっているはずです。このまま援助しないで夕張の医療が崩壊するのをだまって見ているわけはないと思うのですが。
北海道のほかの自治体のことを考えれば、5000万円で地域医療が維持できるなら安いもんだと思うのですが。
【赤平】財政健全化計画の見直しを進めている赤平市は十八日、二○一三年度までの連結実質赤字比率の推計をまとめた。それによると、○八年度の同比率は39・4%で、財政再生団体移行の基準となる40%を下回る見通しとなった。
市はこれまで、公立病院特例債の活用などで○八年度の同比率が50・3%まで下がると試算。40%以下にするためには約四億九千万円の収支改善が必要としていた。
市は、市職労に提案している一般職員給与30%削減による収支改善額一億五千万円のほか、道から受ける約二十八億円の低利融資による金利負担軽減分を四千二百万円と見込んだ。
さらに、公共事業の先送りで一億円を浮かし、特定目的基金などから一時的に二億円を取り崩すことで財源を確保するとした。
○九年度の連結実質赤字比率は27・7%、一○年度は25・6%で、一三年度で赤字は解消、約二億三千万円の黒字に転じるとした。
また、赤字の大部分を占める病院会計は、人件費削減や拡充を進めている人工透析部門の収入増などで、新年度以降、六千万円から二億円程度の単年度黒字を見込んでいる。
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またまた赤平話題ですみません。本日北海道新聞に以上のような記事が載っておりました。なんとか財政再生団体入りは免れそうな感じでまずは一安心でしょうか。それにしてもぎりぎりの数字ですね。なりふりかまわずあちこちを切り詰めてなんとかクリアできました。
気になるのは病院を黒字に計算しているところ。自治体病院の予算組みって、私も経験ありますが、勝手な患者数を並べてしっかり黒字になるように計算します。入院患者数とかもありえない数字が書いてあったりします。本当に大丈夫なんでしょうか。
経営改善についてはそういえば以前テレビでも透析を増やすと報道されていました。透析といっても今はそんなに黒字になるようなおいしい部門ではないですよね。20床に増やして、周辺の町からも集めるということでしょうか。収入も多いですが、材料費などの出費も相当出て行ってしまいます。本当にそれで2億円の黒字に転じることが出来るのでしょうか。そんな簡単なことならどこも苦労しないような気がするのですが。
総務省のアドバイザーのお話も病院のホームページに出ていましたが、今ひとつの内容でした。どうすればいいのかというアドバイスがあまり見られない内容でした。あのアドバイザーは大丈夫でしょうか?以前アドバイザーを勤められていた有名な長さんは厳しいことをおっしゃいますが、指摘がとても的確で役人は反論不可能でした。どのようにすべきかも思い切った案を提案されておりました。
赤平市は今までさんざん甘い見通しでこのような状況になっているのですから、大丈夫といわれても今ひとつ信用できない気がします。
最近北海道内では市立赤平総合病院のことが頻繁にニュースで取り上げられています。病院改革のモデルになるかということで注目されているようです。
総務省が提案した自治体病院経営のガイドラインを利用し、不良債務の返済期間を少し長くしてもらって、財政再生団体入りを免れ、その間に改革を進めていこうと考えているようです。
現在取り組んでいることは電気を消す、看護師の給料削減(20%くらい)だそうです。人口13000人の市に190床の総合病院。なんだか夕張を思い出してしまうのは私だけでしょうか。他からの情報では赤平市立病院には寝たきりで胃にチューブ(胃ろう)が入っている患者さんが一般病棟にたくさんいらっしゃると聞きました。介護施設が胃ろうの患者さんを受け入れてくれないためにどんどん市立病院にたまってしまったそうです。そんなに胃ろうをどんどん作ってしまうことの良し悪しはここでは論じませんが、それってやっぱり「総合病院」の仕事ではないですよね。新臨床研修制度のせいで医師が引き上げられて経営が悪化したと報じられていますが、果たしてそれだけなのでしょうか。これまた以前の夕張と重なります。
医師はまずこのような病院に好んで来ないでしょう。また看護師も給料削減されるなら普通は辞めてもうちょっとましな病院に移るでしょう。2年間で50人以上の看護師さんが辞めたとのことですが、ある意味当たり前の現象だと思います。残っているのは他に就職口がないか、地元の人か、ものすごく使命感の強い人かのいずれかでしょう。
以前見たテレビでは赤平市は病院を守るために町民の公共サービスも高くして、住民の負担を増やしていると報じられていました。市民と市長との話し合いで、病院に入院している100人の患者を守るために1万3000人に我慢しろと言うのか!とかみついていた市民がおりました。この怒りもある意味わからないでもないです。だいたい若い人はこの総合病院を利用しているのでしょうか。
診療所には絶対しないと市長は言っていますが、そんなに極端なことをしないでも、病院の規模を思い切って縮小し、あとは老健(今度医療強化型老健というのもできますね)にすれば済むことだと思うのですが。市長はなりふり構わずとにかく病院を残すの一点張り。この市長に任せていたら改革は実行できないような気がしますが。
改革の話し合いの内容は分からないので、外野が勝手なことは言えませんが、どのように改革をすれば再生できるのと考えているのでしょうか。
もう末期状態ですから、相当な思いきった策にでないと再生は難しいだろうと思います。特例債もただ借金を先延ばしにしているだけですから。
赤平の院長先生はテレビで見る限りすごくやさしそうな、誠実そうな先生です。あの雰囲気だときっと職員からの信頼もありそうだし、いっそのこと院長に主導権を渡して思い切った展開をしてみたらどうなのでしょうか。いずれにしてもいばらの道。院長先生が倒れないように祈るのみです。嫌になったら倒れる前にお辞めになるのも一つの考えだと思います。
インフルエンザや溶連菌が流行って、診療所は大忙し。先週は1日も昼休みがとれませんでした。午後1時まで外来して、5分でご飯食べて、午後の外来。外来を離れられず、訪問診療にもいけなくなってしまった日もありました。
夜は火曜日、木曜日が当直で、木曜日は夜9時まで外来が途切れず、さらに帰宅後も夜中2時半にまた急患で起されるという有様でした。こんなことは田舎の診療所では珍しい。さすがに疲れました。
昼休みがとれないと、いつも学生時代実習に行った病院の院長(同じクラブのOB)から「医者は早飯と早グソができないとだめだ」と言われたことを思い出します。
さて土日は研修会で横浜に行きましたので、飛行機の移動時間などを利用して、伊関先生が書かれた「まちの病院がなくなる!?」を一気に読みました。
もちろん医師や医療スタッフには読んでいただきたい内容でしたが、それ以上に町長、事務長、議員、住民に読んでもらいたい!とつくづく思いました。
以前事務長から「先生くらい給料もらっていたらいくらでも私も当直しますよ」とか、「3人も医者がいるのに、まだ当直で出張医が必要なんですか?」といわれて切れそうになったことがありますが、現場のスタッフがどんな思いでやっているのかまったく理解していない役人には本当に腹がたちますね。じゃあ、あんたがやってみたらどうですか?
そんなことを言うからみんなやる気がなくなるんですよ!と注意したらすごく反省してましたが。
本の話に戻りますが、公務員出身の伊関先生だけに、お役所の病理をするどく指摘されていました。さらに議会や住民の無理解についても書かれておりました。
お役所の病理を考えるならば、基本的には公設公営のままでの改革は非常に厳しいという印象がしました。
しかし公設民営など経営形態を変更すればいいというものでもなく、しっかりとしたキーマンが重要ということも書かれてありました。
夕張のようにうまくいくのは本当に珍しいのかもしれませんね。
夕張の村上先生はじめ 新大江病院、佐賀関病院、東栄病院などのように勤めている医師が医療法人を設立して、病院、診療所の運営を引き受けたという例もあがっておりました。
どうして自分たちが医療法人を設立し、リスクを犯してまで、その地区の病院のために働く必要があるのか。
それは医師としての使命感、住民や地域に対しての思い入れなどでしょうか。別にご自分の出身地でもないところで、どうしてこのような思いをしてまで踏ん張る必要があるのだろうか?
ふと考えてしまうことがあります。みなさん本当にすごいです。
いよいよ来年度の診療報酬改悪の内容がすこしずつわかってきましたね。前回のマイナス改定で相当のダメージがあり、倒産する病院が増えたようですが、今回ダメ押しのマイナス改定を行おうとしているようですね。まだまだ病院数が多い、医者は儲けすぎと財務省は考えているようです。
全体でマイナス改定でしょうが、産科、小児科や急性期バリバリのところはアップさせざるを得ないでしょうから、削るとこは自然と限られてきてしまいますね。このあたりは厚生労働省が限られた予算の中からどうするかを考えるのでしょう。
まずは開業医いじめ。夜間を診なければ診療報酬は下げますというもの。まじめにこんなことを考えているのは信じがたい。
一人診療所でスタッフもあまりいないところで、夜間延長してやれって言っている。今でも結構延長してやっている先生は多いとは思うのですが、夜8時までとはかなり大変。勤務医は労働環境をよくすると言いながら一方では開業医には随分とつめたい仕打ちです。勤務医の逃げ場をブロックするという狙いもあるのでしょうか。
医師会はどうでるのでしょうか。厚生労働省の暴挙を多少ブロックしていた言われている武見さんもいなくなったし、厚生労働省はやりたい放題でしょうか。
私の診療所もどうなるのでしょうか。一応医師3名いますので、24時間救急は受けていますが、夜間診療として診療時間を延長しているのは週1日です(しかも夜7時までの受付)。公務員という立場上、診療時間の延長をこれ以上することはできません。また看護師さんの時間外もやたら高いので、少々診療報酬をあげていただいてもかえって損する可能性もあります。再診料ダウン+後期高齢者医療制度のマルメ導入もありますので、全体の収入はもちろんダウンでしょう。今でも大赤字で肩身が狭い思いをしているのにいったい、どうなっていくのでしょうか。
諏訪中央病院の名誉院長の鎌田先生が以前医事新報で
「この国で医者をしていくのに疲れました」
と書いておられたのをふと思い出しました。本当にそんな気持ちになってしまいますね。鎌田先生のように医者以外の仕事でも食べていけそうな方はいいですが…。自分の仕事に対して正しい評価が得られていないというのはなんとも寂しい限りです。
以下北海道新聞から引用
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来年度の診療報酬改定で厚生労働省は2日、開業時間を夜間まで延長した診療所に診療報酬を手厚く加算する方針を固め、中央社会保険医療協議会(中医協)に提案した。地域の開業医に症状が軽い患者の診察を分担してもらって、病院勤務医の負担を軽くする狙い。患者が仕事や学校の帰りに医者にかかりやすくなる利便性向上も見込む。
勤務の過酷さから、地域の拠点病院などで勤務医の退職が相次いだことが「医師不足、地域医療の崩壊につながった」と指摘されており、改定案は勤務医の待遇是正策の一環。厚労省は「病院は大変。開業医も協力を」としているが、診療所の再診料を引き下げて加算分に回す方針で、日本医師会は反対を表明。調整は難航しそうだ。
厚労省は「午後6-8時」に絞って診療所の開業延長に加算、患者を病院から開業医に誘導する考え。救急搬送を含む病院の夜間外来が、この時間帯で突出して多いのに対し、診療所の大半は夕方で閉めている。
国保地域医療学会で、金沢に来ています。全国の国保直診施設が集まる学会です。都会には少ない施設ですので、全国自治体病院学会より、地域医療色の強い学会で、個人的に大好きで毎年参加しています。各地で地域医療を頑張っている先生方にお会いして色々と話しを聞くのも楽しみです。発表はコメディカルの発表も多く、あまりかしこまっておらず、ざっくばらんに討議できる雰囲気です。今年目に付くのは介護予防や口腔ケア、嚥下リハビリ、NST、メタボリックの保健指導という内容でしょうか。
私が気になったのは公設民営化の報告です。東栄病院という愛知県の病院からの発表ではかなり多くのギャラリーがおり、発表後の討議も白熱していました。私ももともと存じ上げている方々なので、事務長や副院長、今コンサルをしている会社の社員の方などと、色々とお話しもできました。
公設民営化により経営的にはかなりよくなっている(もともとかなりよかった病院ですが)反面、スタッフの充足には苦労されているようでした。それでも自由がきくこと、役場向きの仕事、議会対策の仕事がなくなり、事務長は院内のほうに目を向けることが出来るようになったこと、共済組合関係の無駄な出費がなくなったことなど、メリットも多いようでした。
自主的に運営できるよさがかなりあるようでした。全国自治体病院協議会の小山田会長もコメントをしておりましたが、赤字だからといってなんでも民営化するということは絶対反対。それでも委託を受ける医療法人が地域の医療ニーズをちゃんと評価し、それに見合った地域医療をするのであれば反対はしない。町も民営化で丸投げすることはあってはならない。必要な地域医療については不採算でも補填して実施すべきとおしゃっておりました。
東栄病院のビジョンも東栄町の地域医療をしっかり守るということが主眼のようでした。
今後大江病院や東栄病院、張医療センターのように病院職員が医療法人をたちあげ、公設民営化に踏み切る国保直診がふえてくるかもしれませんね(小規模だから出来ることではあるのかもしれませんが)。
伊関さんのブログでも紹介されていますが、10月1日に夕張医療センターの特集番組がNHKであります。
「地域医療はよみがえるか~夕張からの報告~」とタイトルがついています。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/071001.html
近隣に住むものとして、また地域医療をしているものとして、村上先生を尊敬するものとして、絶えず夕張の動向には注目しています。19床の有床診療所+40床の老健の夕張医療センター。医師3名体制でがんばっています。公設民営ですので、民間の経営を手法を取り入れてコスト削減に取り組んでいるようです。前回のNHKスペシャルでは色々と行政との闘いが描かれていましたが、その闘いは相変わらず続いているようです。
この規模の医療機関では下手をすると赤字転落の可能性が高いのですが、今のところ経営もそれなりに予定通りのようで、その秘訣も是非知りたいですね。
そして民営化により職員の意識はどう変わったのか、そして、住民はどう考えているかも興味があります。
ホームページ(http://www.kibounomori.jp/)でみると少しずつ外来患者数も増えているように思います。今後どのようになっていくのかとても楽しみです。
あと気になるのは病院に対する交付税がどうなるかです。
180床クラスの病院を19床の診療所にしたわけですが、総務省の規定では診療所化5年間は病院時代の交付税が交付されるはずです。財政再建団体になった夕張市に果たして交付税措置がなされるのか、またなされたとして、そのお金はどこに使われるのか(夕張市立病院時代はほとんど役場関係の予算に使われて、病院の赤字補填には使われませんでした)。
契約時の約束がどうなっているかは知りませんが、夕張医療センターが赤字になった場合は、そのお金をもらう権利はあるはずです。
崩壊寸前(既に崩壊?)の北海道の僻地医療関係者にとっては「夕張モデル」がどうなるか、非常に気になることではないでしょうか。
「地域医療はよみがえるか」どうか。
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