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2010.11.11 22:40 |  診療  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 3

お久しぶりでございます

最近すっかりこちらのブログから遠ざかっておりました。診療所のブログとかホームページとかいろいろあったりで、どうしても更新が滞ってしまいます。

1回やめてまた戻った診療所。戻ってからすでに1年半になります。医師は春に1名入れ替わりがありましたが、相変わらず3名体制でやっています。

12名いた看護師は色々とあって嫌気がさしたのか今年の1月には4名までに減ってしまいました。その後一生懸命集めていて11名まで回復。来月1名加わりますので、12名になります。2名夜勤なので、あと2名くらい集まれば病棟再開ができそうです。

常勤医ゼロの危機から1年半。病棟は閉鎖し、時間外救急も休止していましたが、今年の4月から時間外は再開しました。病棟は前出のように看護師さんが足りずまだ再開できておりません。

病棟がなくなってから、その間の在宅死はゼロ。年間40名ほどの住民が亡くなりますが、この地区で最期を迎えることができたのは特別養護老人ホームの方だけ。

ほとんどの方は近隣(といっても40キロ~70キロ離れています)の医療機関で亡くなっています。

最期まで自分の生まれ育ったところにいたいというお話しは多くの住民から聞きます。そう言われるとつらいです。訪問診療や訪問看護も色々とやっていますが、まだまだ在宅で最期まで診るという文化が作れないでします。一日も早く病棟が再開できるようになんとかもう少し看護師を集めなければなりません。

医師の負担に関しては、以前よりは格段に減りました。時間外ははじめましたが、受診数は以前の3分の1になりました。平日は夜呼ばれる方が珍しいです。住民の方々も結構気を使ってくださっているようです。

救急車も以前は100%搬入されていましたが、現在は救急隊も考えてくれて外傷などは直接二次救急の医療機関に搬送してくれることも増えています。

当直明けも仕事の都合がつけば帰ってもいいことにしています。

週末、祝日は出張医に来てもらっていますので、週末、祝日はほとんどお休みできます。

また平日も札幌の民間病院から週1日程度、出張医が来ます。これは社会医療法人狙いの派遣なのですが、その分こちらも休暇をとりやすく、それなりに助かっています。

出張医への出費は年間にすれば医師一人分くらいの費用になります。かなりの負担ですが、行政はかなりの赤字を覚悟しても医師の負担を減らすということを考えてくれているようです。

今の診療所の戻る時に2年間と思って戻りましたが、いまだに病棟再開を果たせず、今辞めるのはあまりに無責任で、先日町長とお話しして少し残ることにしました。

またもう少し辞めないでやってみようと思ったのは同じく地域医療に一生懸命取り組んでいる先輩たちや同世代の医師たちに刺激を受けたからという面もある。特に自治医大系の先生が多いが、皆本当に優秀で、地域医療に真摯に取り組んでおられる。

また春に来てくれた先生も若い先生で、一生懸命頑張ってくれており、こちらも励みになるし刺激になっていて、とてもいい感じだ。

北海道にある「六花亭」という有名なお菓子屋さんは21年連続で職員全員が有給休暇を完全取得しているということで表彰されていました。

なかなかここまではいかないかもしれませんが、働きやすい環境づくりというのは大切だなあと改めて思います。

うちの診療所も医師5名体制くらいにして交代制勤務にできればよりよいのだろうけど、なかなか公立ではそこまでは厳しいのかなあ。出張医のコストを考えれば5名にして、すべてをやってもいいような気もしますがね。

以前問題にした継続性についてはもちろん解決していない。以前画策したように、どこかの医療機関と組んで医師の安定化を図りたいと思っているが、なかなかそんなところはありません。今考えているのは家庭医を育てる後期研修のプログラムに食い込むこと(今も後期研修医を育てるプログラムに登録しているが、そこはかなり施設数が多く、研修医は少ないので選んでもらうのは大変)。

後期研修医が来てくれるためには、もちろんそれなりの質も求められる。幸い新しく来た先生は総合医としての研修をかなりやってきているので、知識は豊富だし、evidenceにも詳しい。細菌のグラム染色もしっかりやってから抗生物質の選択をしている。私も以前習ったグラム染色を最近またはじめた。up to dateを読むことも増えた。ポートフォリオを使用した医学生、研修医への教育も行っている。若いスタッフに負けないように頑張っている。治療の標準化が出来るように医局でも色々と話し合ったりしている。ダニにかまれた患者さんに対してライム病の予防はどうすべきか、外傷患者さんに対して破傷風の予防はどうすべきか、腎盂炎の患者さんの対応(画像、培養、抗生物質の使用期間など)などなるべくスタンダードに沿って対応できるようにしている。今後はもっともっとそういったコンテンツが増えていけばと思っている。

なんだか話しがあっちに行ったりこっちに行ったりで読みづらくてすみません。久しぶりに書くと書きたいことが一杯あって。

どうも失礼しました。

 

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2010.05.30 19:50 |  診療  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 2

北海道の僻地医療で感じること

高知の壁地医先生のコメントにお返事を書いたのですが、長くなりすぎたため、こちらに改め書くことにしました。

一般論でいえば北海道のどこの自治体も色々な問題を抱えています。多くの町に町立病院があり、医師は2~4名おり、どこも救急指定をとって24時間、365日救急を受けています。以前はほとんどは医局から定期的に派遣医が来ていましたので、お金さえだしていれば医師確保もそれほど困ったことはなく、医師がいて当たり前、24時間救急があって当たり前という認識が強いです。町も医者さえいればという認識が強く、町の医療をどういう方向性ですすめていくかというビジョンが首長自体にないことも多々あります。

長野などでよくあるような村の一人診療所で外来、在宅、地域包括ケアに一生懸命取り組んでいる診療所というのはほとんどないのではないでしょうか。また佐久総合病院、諏訪中央病院、公立みつぎ病院といった地域医療のお手本になるような病院もありません。羅臼も一人診療所ですが、たまたま一人になってしまったというだけでもともとは町立病院で3名くらいの常勤医がいて、24時間救急、病棟をやっていました。当直回数の多さ、拘束時間の長さ、コンビニ受診で結構現場は疲弊しています。
悪気はないと思うのですが、住民は一般的にこのような医師の過重労働を認識していませんので結構気楽に夜も受診しています。普通は気づいてくれてもいいようなものですが、気づいてくれません。それでも医師に対して厳しいことを言う人はほんの一部だと思います。当町でも概ね町民の方々は理解してくれるようになりました。色々と事情があり1年くらい救急を受けていませんでしたが、この4月から再開しています。以前コンビニ受診でかなり問題になったこともあり、再開後は時間外の受診者は1/3に減っています。みなさん気遣ってくれます。向こうからはなかなか気づいてはくれませんが、こちらから色々といえば分かってくれると私は思っています。昔からあった悪しき習慣の薬だけ受診も3年前に「もうしません」という方針にしたら一気に片付きました。外来で文句を言う人はごく一部でした。皆それが悪いことだとは知らなかっただけなのです。
コミュニケーションが本当に大切なんだなあと最近改めて思っています。行政、町民、医療機関がお互いにしっかりとコミュニケーションをとってやっていけばなんとかなると私は思っています。

有名な岩手県の藤沢町では「ナイトスクール」という試みを長くつづけておられます。町民と医療機関の対話の場みたいな感じです。そこで町民と向き合い色々とお話しをします。医療や病院に対する住民側の認識が大きく変わっていくようです。

さて話しが変わって、羅臼ですが、町長は一生懸命取り組んでいて、町民もかなりの危機感をもって色々な勉強会をしています。前回のブログのコメントにありますように非常に腹の座った方とお見受けしました。私も2年前にシンポジウムに呼ばれて行ってきましたが行政や町民の関心は高く、働きやすそうに感じました。それゆえ今回のことはかなりびっくりしました。町長や事務長が院長とうまくコミュニケーションをとれなかったということでしょうか。一人に負担がかかりすぎたのもあったかもしれません。いずれにしても非常に残念です。
羅臼町民が行政と一緒になって考えた今後の羅臼の医療のあり方を書いた冊子も読んだことがありますが、かなり考えこまれていていい内容でした。地理的なハンディがかなりある中、なんとか地域医療を確保しようと頑張っている行政、町民の姿は印象的でした。

あまり高知の壁地医先生のお答えになっていないかもしれませんが、北海道の僻地医療に従事して思いつくことを適当に書いてみました。

赤ひげ的な先生もいないし、確立されたスタイルもありません。行政も町民も医療機関任せ的なところが多いのも事実でしょう。その分自分で地域医療を作っていこうと思うと案外うまくいくのではないかなあと思っています。もちろん時間もかかるだろうし、急な変革にはついてきてくれないでしょう。ある程度時間をかけつつ少しずつ取り組んでいけば必ずみんな分かってくれるのではないと甘い考えを私は持っています。もちろん私もすべての地域のことを知っているわけではありません。何かご意見などございましたらまたコメントなどいただければ幸いです。

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2009.02.22 18:49 |  診療  |  生活 / くらし  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 3

退職後の経過

昨年12月に以前勤めていた国保診療所を辞め、近隣にある公設民営の医療機関に転職しました。その後1月は派遣と言う形で以前と同じ診療所に勤務しつつ、週1日、転職先の診療所の外来で働き始めました。

本当は1月は以前の診療所で予約患者さんもたくさん入っていたので、1月一杯は普通に以前の診療所で働いて、2月から本格的に転職先の診療所で勤務することになっていました。

ところが新年の診療がはじまる2日くらい前に突然連絡がきて、外来を交替するからとのこと。予約が入っているけどと言うと、こちらも同じですといわれました(確かに)。

このことについては後で触れますが、しょっぱなからびっくりしてしまいました。

2月からは週1日、以前の診療所、週4日転職先の診療所に勤務しています。引越しはしていなので、週4日1時間かけて車で通勤しています。結構な山道の国道のため、やや運転に疲れ気味です。

転職先の診療所は理事長先生やその他の先生のお力で、各部署のスタッフがかなり自立して動けるような形になっています。禁煙外来なんかも診察後に外来看護師さんが指導しているのが聞こえてきましたが、かなり踏み込んだ指導をされていましてすごいなあと改めて関心しました。

以前の診療所では禁煙外来のための勉強会を1度開きましたが、結局は問診、指導、呼気中一酸化炭素測定などすべて自分でやって、結構時間がかかりました。

訪問診療にしても日程、訪問する患者さん、処方日数、次の訪問日の予定などあらかじめすべて訪問看護師さんがわかるようにしてくれていますので、初めてでもスムーズに訪問して、処方したりすることが出来るようなシステムになっています。

お薬も調剤薬局の方で、積極的に訪問薬剤指導をされているので、薬のこともあまり心配する必要がありません。

このようなシステムは当たり前のことかもしれませんが、以前の診療所では自分で訪問日を決め、次の訪問日にあわせて処方したり、検査の内容などを毎回看護師に伝えたりして、結構手間でした。薬も飲み忘れがないかチェックしたりしました。調剤薬局は訪問してくれないので、あらかじめ院内処方をしてそれを私が持っていくスタイルでした。

訪問後にあれもほしかったとか、これはいらないとか患者さんに言われたりして、結構面倒くさかったです。

たまに看護師が訪問日を忘れていたりするとカルテもでておらず、出発の時間に処方が間に合わないなんてことも1度や2度ではありませんでした。

いかにいままでヘンなシステムでやっていたかがよくわかりました。

はじめに書きましたが、外来も訪問も時々担当医をシャッフルしてしまいます。予約が入っているのにです。これには驚きです。こうして色々な医師が一人の患者さんに関われるようになっています。

患者さんは少し戸惑うかも知れませんが、突然だれかが休んでしまってもカバーできるようなシステムになっています。

長い目でみて、いままでのような主治医制度を引きずっている限り医師はなかなか休むことができません。このようなシステムがうまくまわれば、当直あけなので今日は担当医は休みですということが可能になるような気がしました。

患者さん側もこのことに慣れていただければいいなあと思います。違った目で見ればまた新たな発見があったりすることもありますし、診療の質も上がる可能性があります。

とういことで驚きの連続の2ヵ月間でした。色々と勉強になります。

今後以前勤めていた診療所がどうなるか。町長も動きました。住民も地域医療について真剣に考えるようになってくれました。行政、住民、医療機関が三位一体となって地域医療を創っていくというパターンがこの地で始まる予感があります。今日は長くなってしまったので、詳しくはまた次に報告しますね。

 

 

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2008.09.18 07:18 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 2

遊具に潜む罠

雲梯で宙づり、小1重体=ヘルメット引っ掛かる-愛知

9月17日23時31分配信 時事通信

 

17日午後4時55分ごろ、愛知県豊田市広久手町の公園で、同市立小1年の女子児童(6つ)が雲梯(うんてい)で宙づりになっていると、女児の友人が通行人に助けを求めた。女児は近くにいた男性に救助されたが、意識不明の重体。
 県警豊田署は、雲梯の上に乗って遊んでいた女児が下りようとした際、かぶっていた自転車用ヘルメットが棒と棒の間に引っ掛かり、あごひもが首に掛かったまま、高さ140センチ余の地点で宙づりになったとみている。
 調べでは、女児の身長は約120センチ。棒と棒の間は約17.5センチだった。学校から帰宅後、友人3人と公園で遊んでいたという。 

********************************

またしてもこのような不幸な事故が起こってしまったことが残念で仕方がない。悔しい。お子さんがかわいそう。
日本の遊具の危険性が指摘されて久しい。ドイツでは1978年、米国では1981年に遊具の安全基準ができている。日本はどうかというと2002年にようやく安全基準ができた。
ということは、現在公園や学校に置かれている遊具のほとんどは安全基準が出来る前に作られたものである可能性が高いということだ。
事故が起こるたびに責任者探しが始まる。親が悪い、学校が悪い、自治体が悪い…。でもそんなことをしていても解決はつかない。
遊具があるのが悪いのですべての遊具を撤去しようと考える人もいるかもしれない。
これ以上不幸な事故が起きないように最低限まず行うべきは、現在の安全基準に照らしてすべての遊具をもう一度検証しなおすことだと思う。
私も昨年学校保健会で遊具の危険性について講演をした。校長先生方は熱心に聞いてくださり、その後町と交渉し、小学校のすべての遊具のチェックを業者にしてもらった。その結果危険な遊具がいくつかあり撤去している。
安全基準では
「すべての遊具の隙間は 9cm以下もしくは23cm以上でなければならない」という基準がある。
今回のうんていは17.5cmの隙間。基準から外れている。23cmあればおちるだけですんだかもしれないのに。
ちなみに、この基準は頭が挟まって大きな事故が起きないためである。身長120cmの子供の胴体や頭囲を基準にして作られているらしい。
あと以前ランドセルをしょったままうんていで遊んでいて落ちて挟まっておおけが(死亡?)したというケースもあったと思う。ランドセルをしょったり、ヘルメットをつけていたら遊具の基準が守られていても危ない場合もあるだろう。しかしこのことについても学校の授業などでしっかりと伝えたり、注意を喚起する立て札を立てるなどして、しっかりと対策をするべきだ。
そのほか子供は遊具から落ちるということを前提として、遊具の周り180cmは衝撃吸収のための緩衝が必要なこと、高さ75cm以上の遊具は2.7m以上の間隔をあけなければならないという決まりもあるようだ。また遊具の高さにより地面についての基準もある。
たとえば 高さが2mであれば、ウッドチップなら○○cmの厚さなど。基本的にはウッドチップ、細かい砂、軟らかいマットを地面にすべきで、土とかコンクリート、砂利はもちろんだめ。
このように様々な安全基準が決められているのに、現在の遊具はほとんどチェックがされていない。
なんとかこれ以上不幸な事故が起きないように医師としても地域に啓蒙して行く必要があると思っている。

http://www.playsafety.ne.jp/index2.htm

がとても参考になります。是非ご覧下さい。
今回事故にあわれたお子さんがなんとか回復してくれるよう心から祈っています。

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2008.09.08 20:34 |  診療  |  生活 / くらし  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 3

葛藤

以前このブログにも書きましたが、なかなか「葛藤」が消えませんね~。消えては出て、出ては消え。という感じでしょうか。

ネックはやっぱり当直です。

田舎の診療所ですので、医師は3名です。しかし、地域柄、他の医療機関まで遠いため診療所で一次救急は対応せざるを得ません。地区の救急車は少ないながらもすべて診療所に搬入されます。大きな国道もあるため、結構ひどい外傷も来ます。3名で平日と日曜日の夜、祝日を担当し、土日は出張医というパターンで当直しています(といっても家に泊まる宅直ですが)。

昨年度までは土日の連続当直も月1~2回あり、少し負担が重かったため、今年度から金曜日夜から日曜夕方まで出張医にお願いしてもらうことにしました。だいぶ楽になるなあと思っていたのですが、それでも月7~8回まわってきます。全然患者さんが来ない日もあり、決して大変ではないのですが、なんとなく拘束感があり、辛いものがあります。

当直以外はほとんど呼ばれることがないので、月に23日は自由の日ともいえ、人間楽をするとだんだん根性がなくなってしまって、安きにながれてしまうもんだと我ながら情けない。

出張医のコストだって年間1000万円かかっています。赤字の診療所でなかなか厳しい状態の中、出張医を雇ってくれた町には感謝をしなければなりません。

と思いつつも最近は続けざまに夜中に呼ばれることが多く、ちょっと参り気味。

ひどいときは夜11時、午前2時、4時、7時とか患者さんがきます。たった3名とか4名なので、救急病院のようにたえず患者さんが押し寄せるというわけでありません。でも夜中に起こされるとその後すぐに眠れなくなってきました。若いころはすぐ寝れていたのに。

昨日も夜中2時にいたずら電話で、救急要請があったようで、私にも救急隊出動の電話がありました。その後4時に喘息発作。帰って来たら5時半。

目がぎらぎらしていたので、庭の枝豆を収穫して、ゆでて食べました^^;

なにをやっているんでしょうね。

まあ夜中は明らかなコンビニ受診ではないので、しょうがいないと思い、頑張って診ています。医師である以上、当たり前と考えつつ、それでもちょっと文句も言いたくなる。

今日はだれも「昨日は大変でしたね」とは言ってくれませんでした。これまた寂しい。

職場の労働環境を整えるというのが今年度の大きな命題だったと思います。それなりに町と交渉して、色々と勝ち取ったこともあるのですが、それにしてもまだまだつらいところが沢山あります。

最後はお金です。もっと根本的なところが解決されないとどうしようもないのでしょうか。

「頑張るマンの医師」vs「怠け者の医師」がいつも自分の中でけんかしているようです。

たまに愚痴って、ちょっとすっきり。

おつきあい下さりありがとうございました。

 

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2008.07.01 19:32 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 5

赤平市立病院の人気

昨日の北海道新聞の夕刊で赤平市立病院に初期研修医が殺到しているという記事がでていました。

第二の夕張としてかなり厳しい状態ながらなんとか再生に取り組んでいる赤平市立病院ですが、常勤医9人しかいないのに初期研修医を受け入れていて、それが大人気とのことです。2名の定員なのですが、全国から応募や問い合わせが殺到しているとのこと。

初期研修医の都市部への集中があるこの今、なぜ赤平市立病院なのか。

住民から必要とされているという喜びを研修医たちは感じているようです。また即戦力としての期待もあり、そこもうれしいようです。

少ない医師ですが、それぞれ専門家もおり、それなりの研修は出来るということでしょう。しっかりした研修ができないと、このネット社会ですからすぐ評判が悪くなって研修医からはそっぽを向かれます。

みんな正義感をもって赤平にやってきているようで、今の医学生も捨てたもんじゃないなあと感心しました。

初期研修が終わった後も是非北海道に残り北海道の地域医療のためにがんばってもらいたいと思います。

後期研修まで赤平というのはちょっと厳しいかもしれませんが、後期研修を終え、また赤平の常勤医として定着してくれるといいですね。

北海道の地域医療を再生するには若い力はどうしたって必要です。先の長い話しかもしれませんが、初期投資(お金だけでなく)を惜しまないようにがんばっていきたいところです。

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本日診療報酬改訂の全貌が明らかになりましたね。もともとほとんどアップのない中で各部署での診療報酬の取り合いみたいな感じですから、ほとんど期待はしていませんでした。

各分野で批判続出の今回の改訂。話題には事欠きません。

 いろいろな方がブログでもお書きになると思いますので私は有床診療所について少しだけ。

有床診療所では、48時間規制が撤廃され、有床診療所のベッドも病院と同じようにカウントされるようになりました。そこで今回の改訂では有床診療所の入院料が評価されるという噂がありました。どのようになるのかなあと思っていたのですが、ふたを開けると最悪の結果…。

有床診療所で入院中の患者さんが急変した時に医師が駆けつけることが出来るように体制を整えた場合は一人1日あたり15点(150円)が加算されるという有難い大判振舞い。

さらに医師が2名以上いる有床診療所でさらにプラス60点(600円)!

ちょっと待って下さい。今までは医師が2名いるだけで100点もらっていたのですよ。実質下がるということではないでしょうか。

たださえ低い有床診療所の入院基本料。これくらいのアップでは経営的にはまったく採算はあわないでしょう。

僻地ゆえ救急対応もできるように夜勤看護師を2名配置し、医師も宅直ではありますが、365日当直体制を敷いています。

自治体病院の再編とか言って診療所化を進めている割にはこれですから。まあ総務省と厚生労働省が話し合って物事を決めているとも思えませんのでこんなものなのでしょうか。

私の頭が悪いのでしょうか。厚生労働省の意図がちょっと理解できません。

これ以上いじめるのは止めて下さい。なんだか益々やる気がそがれていきますね~。

それでも、本日NHKの福祉ネットワークで大分県の姫島の診療所の話題を見て元気をもらいました。財政のことや医療体制のこととか色々と大変そうでしたが、所長の生き生きとした姿と地域住民との和気あいあいとした雰囲気を見てとても癒されました。離島という悪条件の中、色々と専門医を選べる都会の人より、姫島の島民のほうがなんだかとても不安をもたずに島で生活をしている。そして姫島村の村長が島の医療だけは絶対守るという強い意志を持って支えています。こんな診療所になれたなあと思いました。

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2008.02.08 15:26 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 7

小児科コンビニ化

昨日北海道版NHKのニュース「ほくほくテレビ」で病院、診療所の再編問題を特集していました。その中で取り上げられたのは名寄市立病院と士別市立病院の小児科の統合のことでした。名寄市立病院は道北ではもっとも充実した基幹病院で、医師不足とは無縁の病院のようです。一方士別市立病院は医師不足で苦しむ典型的な地域の病院。

今回の小児科の集約化は両病院の小児科医をすべて名寄市立病院に集めて、士別には日中の外来診療だけ出張に行くというもの。全部で7名の小児科医が集まることにより、小児科医の負担もかなり減ったと報告されておりました。

それでも小児科医が集まることにより24時間小児科医が診てくれるということになり、夜間などの小児救急患者はかなり増えたようです。年間1億円の増収になっているとのことですからすごい数の外来数↑と思われます(もちろん救急だけではなく入院基本料のアップの分も含まれるとおもうのですが)。

番組の中では小児科医の先生も自ら「コンビニ小児科」と「胸をはっている」と報告されておりました。

「小児科医が7名になることにより土日にフリーな日ができた」と小児科の先生も満足そうでした。

番組を見ていてとても小児科の先生が気の毒に思えました。7人で365日すべてカバーするということは、週1回の当直はもちろんで、土日も日直がそれなりの頻度で回ってくるわけです。しかも自称コンビニ小児科ですから住民も大喜びでコンビニ受診をしているようで、夜間も相当忙しいはずです。基幹病院でお産の立会いや未熟児の管理もあるだろうし、ハードな勤務であろうことは容易に想像つきます。

それでも「楽になってよかった」と…。完全に感覚がマヒ状態なのでしょう。最悪を経験するとちょっと楽になっただけでありがたいものです。でも土日フリーは一般人からすれば当たり前なことですよね。しかも完全に土日フリーになれるのはせいぜい月1回くらいなもんでしょう。それでも楽なってうれしいと…。

それに市や住民は甘えていていいのでしょうか。

神奈川県の藤沢市民病院は小児科13名でローテーションで夜勤、日勤をこなしていますが、それでも大変で、夜勤を増やさないとやっていけない状態。

私も以前8名の小児科がいる基幹病院で働いていましたが、決して楽ではありませんでした。

コンビニ受診で1億円増収になっても、医師が増えた分のコストは取り返せていないという院長のお話しもありました。

病院経営も大変なのでしょうが、7名にしたからにはその分のコストを回収するぞというふうにお考えにならないほうがよいかと思われます。

名寄の小児科の先生方が燃え尽きないことを祈ります。

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2008.01.30 13:53 |  診療  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 4

先進的取り組み

外科、婦人科も内科診療 士別市立病院 医師不足解消へ4月から試み(01/30 09:00)

 【士別】士別市立病院(十一診療科、常勤医十七人)は、症状の安定した内科の再診患者を四月以降、同病院の外科、麻酔科、婦人科でも診療する方針を決めた。医師が減り続ける内科の外来診療体制を、他の医師で支えるため、「診療科の垣根を越えて病院と地域医療を守る」(吉川紀雄院長)試みだ。

 道医療政策課によると、内科患者を他の診療科で受け持つ体制は、市立病院クラスの道内自治体病院では珍しい。

 同病院の内科は、最大時九人いた常勤医が六人に減り、二○○六年春から午前診療のみに体制を縮小。さらに今春、医師がさらに一人減る見通しだ。このため同病院は、投薬治療などに通う内科患者に同市内の民間医院への転院を依頼。しかし「夫婦で通院中なので不便」などの声が多いことから、通院を望む患者を三診療科で受け持つこととした。

 同病院は「外科だけでも内科患者を一日二十人ほど担当できると思う」(吉川院長)としており、医師減員後、内科の診療待ちが長時間化しないよう努める考えだ。

*************************

科の垣根を越えて地域医療を守ろうとするすばらしい取り組みで目が点になりました。

「内科患者を他の診療科で受け持つ体制は、市立病院クラスの道内自治体病院では珍しい」というとぼけたコメントもすごいですね。市立病院クラスであるわけないでしょ。

他のSNSでは「詐欺だ」というコメントもありましたね。私とすれば市長は事情をちゃんと市民に説明した上で、出来ないことは出来ないので、開業医を受診するように勧めるべきではないかと思うのですが。士別には開業医はいないのでしょうか。

「夫婦で通院中なので不便」とか住民に言わせていてはだめだと思います。こういう方たちはきっと外科や産婦人科の先生ではなく、内科担当医を指名しそうですから、内科医の負担は減らない可能性もあるし。患者さんは外来担当医を選ぶ権利があるのだろうし。

それにしても担当する先生方や住民もすべて納得の上での話しなのでしょうかね。えらいひとたちだけで勝手に決めては欲しくないです。

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2007.09.14 16:19 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 2

後期高齢者医療の骨子案

さる9月4日に社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会は「後期高齢者医療の新報酬体系の骨子案」を発表しました。

春くらいから「総合医」という名前が急に出てきて、どのような枠組みになるのか注目していました。

今回厚生労働省は部会での議論を元に、骨子をまとめました。今後、中医協で議論されることになります。

早速各団体から反対の声明や要望書がだされているようです。もちろん医師会は反対のようです。

患者さんの尊厳とかいう言葉も出てきますが、基本的には医療費を削減するための方策です。でもこのような流れはまず変わることはなく、来年4月からの開始は間違いないでしょう。

原文をずっと探していたのでが、やっと全国保険医団体連合会のHPで発見しました。(情報集めが下手)

http://hodanren.doc-net.or.jp/index.html

内容を読むと一見いいことばかりが書いてあります。以前「総合医」といっていましたが、今回の骨子では「総合医」という言葉はなく、「主治医」ということばにトーンダウンしていました。

基本的な線は主治医がその患者さんの情報を一手に集めて、ケアマネとともに、他の医療機関、介護・福祉関係者と情報を共有しつつ管理をするということです。

2006年の診療報酬でも評価していた在宅については引き続き評価がされています。ターミナルケアにおける訪問看護、訪問薬剤指導にも言及されています。

目新しいところではCGA(包括的高齢者機能評価)の概念が導入されたことと、終末期医療について事前に患者さんから希望を聞いておくというところでしょうか。

よく考えるのですが、この内容は私たちのような僻地の医療機関では当たり前のように行われていることです。

私が主治医で、内科の管理をしていますが、整形外科に定期的に通って、注射と投薬だけを受けているような方であれば、整形の先生に治療内容を聞いて、普段の管理は私がしていますし、前立腺肥大や白内障や鼻炎などの病気も落ち着いていて毎回薬だけという人はこちらで投薬をして、あとは数ヶ月から半年ごとに専門医にかかればそれでほぼ十分な管理が出来ています。専門医の先生も忙しすぎる外来が少し減ればその分、専門的な仕事に集中できるはずです。だいたいの先生は遠くまで通うのも大変だからといって、私に紹介状を書いてくれます。

こちらで同じような薬を出しているのに、他に通院している整形でも同じような痛み止め+胃薬がでていたりして、もったいないことってたくさんあります。

主治医を決めることって医療機関や国にとって色々な意味でメリットも多いと思うし、患者さんにとってもメリットが多いと思います。細かいところでは保団連や医師会が反対している部分もわかるのですが。

今回主治医が評価されるということですが、果たして、どのような診療報酬体系になるのでしょうか。すべてやってはじめて包括で評価されるというのが一番こわい。一元的に管理すればどうしても一回あたりの医療費はかさみます。一回に処方する薬の数もどうしても多くなり7種類を超えることも珍しくありません。このあたりわかってくれるかどうか……。

 

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