2008.02.08 15:26 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 7

小児科コンビニ化

昨日北海道版NHKのニュース「ほくほくテレビ」で病院、診療所の再編問題を特集していました。その中で取り上げられたのは名寄市立病院と士別市立病院の小児科の統合のことでした。名寄市立病院は道北ではもっとも充実した基幹病院で、医師不足とは無縁の病院のようです。一方士別市立病院は医師不足で苦しむ典型的な地域の病院。

今回の小児科の集約化は両病院の小児科医をすべて名寄市立病院に集めて、士別には日中の外来診療だけ出張に行くというもの。全部で7名の小児科医が集まることにより、小児科医の負担もかなり減ったと報告されておりました。

それでも小児科医が集まることにより24時間小児科医が診てくれるということになり、夜間などの小児救急患者はかなり増えたようです。年間1億円の増収になっているとのことですからすごい数の外来数↑と思われます(もちろん救急だけではなく入院基本料のアップの分も含まれるとおもうのですが)。

番組の中では小児科医の先生も自ら「コンビニ小児科」と「胸をはっている」と報告されておりました。

「小児科医が7名になることにより土日にフリーな日ができた」と小児科の先生も満足そうでした。

番組を見ていてとても小児科の先生が気の毒に思えました。7人で365日すべてカバーするということは、週1回の当直はもちろんで、土日も日直がそれなりの頻度で回ってくるわけです。しかも自称コンビニ小児科ですから住民も大喜びでコンビニ受診をしているようで、夜間も相当忙しいはずです。基幹病院でお産の立会いや未熟児の管理もあるだろうし、ハードな勤務であろうことは容易に想像つきます。

それでも「楽になってよかった」と…。完全に感覚がマヒ状態なのでしょう。最悪を経験するとちょっと楽になっただけでありがたいものです。でも土日フリーは一般人からすれば当たり前なことですよね。しかも完全に土日フリーになれるのはせいぜい月1回くらいなもんでしょう。それでも楽なってうれしいと…。

それに市や住民は甘えていていいのでしょうか。

神奈川県の藤沢市民病院は小児科13名でローテーションで夜勤、日勤をこなしていますが、それでも大変で、夜勤を増やさないとやっていけない状態。

私も以前8名の小児科がいる基幹病院で働いていましたが、決して楽ではありませんでした。

コンビニ受診で1億円増収になっても、医師が増えた分のコストは取り返せていないという院長のお話しもありました。

病院経営も大変なのでしょうが、7名にしたからにはその分のコストを回収するぞというふうにお考えにならないほうがよいかと思われます。

名寄の小児科の先生方が燃え尽きないことを祈ります。

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