2007.11.21 21:31 |  医療制度 / 行政  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 4

70%の壁

先日総務省の有識者懇談会による、公立病院改革のためのガイドラインが発表されました。各自治体病院は2008年度中に具体的な数値目標をあげて改革プランを作らなければならないようです。ガイドラインの中で各自治体病院を震撼させたのは病床利用率が3年連続70%を下回った場合は規模縮小もしくは診療所化を促すというものではないでしょうか。

各自治体はこれは大変ということで、一生懸命空きベッドを埋める算段をし始めているのかもしれません。

この目標はとても無理で、この改革を進めることは地域医療の崩壊につながるとして、各自治体からは反発の声があげていると新聞では紹介されています。

でも私は思うのですが、使っていない病床を削減することがなぜいけないのでしょうか?どうして地域医療の崩壊になるのでしょうか。3年続けて使われていないということはいらないベッドのはずです。削減されても住民は別に困りません。困るのは交付税をもらっている自治体でしょう。

どうせ使っていないならそのベッド数を維持しようなんて考えずに、さっさと返上してしまえばいいのにと思います。

交付税にしがみついて病床数を維持して、かえって赤字が増えている病院って結構あるのではないでしょうか。

また70%を維持するために社会的入院をどんどん受け入れればどうなるか。医療費がどんどんあがるだけです。病院は生き残っても国保会計は火の車です。

うちも病院時代は北海道でトップクラスの病床利用率の低さでした。もし交付税にしがみついて、病院のまま維持していたら18年度の診療報酬改訂で3億の赤字になっただろうと予想しています。これではいくら交付税をもらっても埒があきません。

100床の病院をいきなり診療所にしたらと提案した北海道の自治体病院再編案にはびっくりしましたが、ガイドラインではなんでも診療所にしなさいとは言っていません。

使わないベッドは削減しなさい。身の丈にあった病床規模にしなさいということを言っているだけです。

規模を適正化することによりある程度コストの削減も可能になってくる可能性もあるのではないでしょうか。

ここは各自治体考えどころです。総務省は交付税のこともすべてお見通しです。使っていないベッドにいままで交付税を払っていた総務省ですが、そのうち絶対に使用してる病床数に応じて交付税が支払われるようになるに決まっています。

だってどう考えたって変ですよね。60床の病院で、入院患者さんが20人そこそこ。それなのに60床分の交付税を出す。普通の人が聞いたら「どうして?」ということになります。明らかに税金の無駄使いです。これまで眼をつむっていた総務省ですが、改革が進まなければこれくらいのことは平気でやるでしょう。

いつまでも交付税を頼っていたら痛い目にあいそうです。

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2007.11.14 20:06 |  グルメ / お酒  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 1

鵡川のししゃも

むかわ町のししゃもが最盛期を迎えています(というかもうすぐ漁は終了ですが)。さっそくししゃも買いに行きました。

写真のように10匹ずつ串にさして、干して売っています。

ところでみなさん ししゃもにおす、めすがあるってご存知ですか。生き物だから当たり前ですが、卵があるメスしか食べたことがない方も多いのではないでしょうか。

私が買ったのはオス特大10匹700円、メスLL 10匹1700円という串を買いました。オスは安く、しかも身がおいしいので、とてもお買い得感があります。

また鵡川ではししゃものお寿司も食べられます。てんぷらもあります。

ししゃも寿司は食べる前は生臭いのかなあと漠然と思っていましたが、予想に反して、生臭さはなく、脂ものっていて美味でした。

焼いてよし、お寿司でよし、本当においしかったです。

もうすぐ漁も終わるので、寿司を食べられるのは今週末がラストチャンスかもしれません。お近くの方は是非食べてみてください。

ししゃも1

 

ししゃも2

 

 

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2007.11.05 12:48 |  医療制度 / 行政  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 3

夕張問題

本日北海道新聞にも出ていましたが、夕張医療センターを運営する夕張希望の杜が夕張市に対して公開質問状を提出したそうです。

質問状の内容や経緯については

http://www.higashinihon-group.com/yubari/000760.html

に書かれてあります。

新聞報道とあわせて考えると、市民に対する健康啓発のためのパンフレットを市広報誌におりこむことを夕張市側が拒否したというのが問題の発端のようです。

市職員の見解ではパンフレットの中で、老健夕張の利用を宣伝している部分がだめだということらしい。

夕張には他の老健もあり不公平ということになってしまうということだ。

公設民営ということは市立診療所であることはかわりないのだし、そのあたりの判断はどうなのだろうか。

あまりに杓子定規すぎないだろうか。

確かに他の民間業者からは文句はつけられる可能性はあるのかもしれない。健康啓発の折込なら他の老健の名前もいれて、このようなところで通所リハビリをやってますよ~みたいに書いておけば役人もokをだしたのだろうか。

うちの町の広報誌にも色々と折込が入っているが、私たちの診療所の案内のほかに、他の医療機関からの案内もはいっているのは事実で、別に今までは特に気にもとめていなかったいう感じです。

夕張は医師会もあるし、他の施設も色々あってある意味競争原理が働いているので難しい問題が多いのでしょうか。

それにしてもここまで問題を大きくしたのはある意味夕張市の責任が大きいような思います。今回のことだけでこれほど大騒ぎするとは思えないので、ついに切れた、閾値を越えたということでしょう。夕張市の責任ある真摯な対応を望みたいですね。そうしないとようやく灯った地域医療の灯火が消えかねないですから。指定管理者を募集したときに夕張希望の杜しか手を上げなかったということを忘れてはなりません。

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2007.11.03 20:52 |  開業 / 病院経営  |  医療制度 / 行政  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 3

診療所の夜間対応

 いよいよ来年度の診療報酬改悪の内容がすこしずつわかってきましたね。前回のマイナス改定で相当のダメージがあり、倒産する病院が増えたようですが、今回ダメ押しのマイナス改定を行おうとしているようですね。まだまだ病院数が多い、医者は儲けすぎと財務省は考えているようです。

全体でマイナス改定でしょうが、産科、小児科や急性期バリバリのところはアップさせざるを得ないでしょうから、削るとこは自然と限られてきてしまいますね。このあたりは厚生労働省が限られた予算の中からどうするかを考えるのでしょう。

まずは開業医いじめ。夜間を診なければ診療報酬は下げますというもの。まじめにこんなことを考えているのは信じがたい。

一人診療所でスタッフもあまりいないところで、夜間延長してやれって言っている。今でも結構延長してやっている先生は多いとは思うのですが、夜8時までとはかなり大変。勤務医は労働環境をよくすると言いながら一方では開業医には随分とつめたい仕打ちです。勤務医の逃げ場をブロックするという狙いもあるのでしょうか。

医師会はどうでるのでしょうか。厚生労働省の暴挙を多少ブロックしていた言われている武見さんもいなくなったし、厚生労働省はやりたい放題でしょうか。

私の診療所もどうなるのでしょうか。一応医師3名いますので、24時間救急は受けていますが、夜間診療として診療時間を延長しているのは週1日です(しかも夜7時までの受付)。公務員という立場上、診療時間の延長をこれ以上することはできません。また看護師さんの時間外もやたら高いので、少々診療報酬をあげていただいてもかえって損する可能性もあります。再診料ダウン+後期高齢者医療制度のマルメ導入もありますので、全体の収入はもちろんダウンでしょう。今でも大赤字で肩身が狭い思いをしているのにいったい、どうなっていくのでしょうか。

諏訪中央病院の名誉院長の鎌田先生が以前医事新報で

「この国で医者をしていくのに疲れました」

と書いておられたのをふと思い出しました。本当にそんな気持ちになってしまいますね。鎌田先生のように医者以外の仕事でも食べていけそうな方はいいですが…。自分の仕事に対して正しい評価が得られていないというのはなんとも寂しい限りです。

以下北海道新聞から引用

************************

  診療所の夜間延長に加算 病院勤務医の負担を軽減(11/02 19:58)

 来年度の診療報酬改定で厚生労働省は2日、開業時間を夜間まで延長した診療所に診療報酬を手厚く加算する方針を固め、中央社会保険医療協議会(中医協)に提案した。地域の開業医に症状が軽い患者の診察を分担してもらって、病院勤務医の負担を軽くする狙い。患者が仕事や学校の帰りに医者にかかりやすくなる利便性向上も見込む。

 勤務の過酷さから、地域の拠点病院などで勤務医の退職が相次いだことが「医師不足、地域医療の崩壊につながった」と指摘されており、改定案は勤務医の待遇是正策の一環。厚労省は「病院は大変。開業医も協力を」としているが、診療所の再診料を引き下げて加算分に回す方針で、日本医師会は反対を表明。調整は難航しそうだ。

 厚労省は「午後6-8時」に絞って診療所の開業延長に加算、患者を病院から開業医に誘導する考え。救急搬送を含む病院の夜間外来が、この時間帯で突出して多いのに対し、診療所の大半は夕方で閉めている。

 

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2007.11.02 08:35 |  医療制度 / 行政  |  近隣の僻地医  | 推薦数 : 3

公設民営化と行政の責任

以前からこのブログでしばしば取り上げていますが、公設民営化と行政の責任について考えてみたいと思います。

先日お話ししたある先生は、公設民営化したとたんに首長も議員もまったく病院に関心を示さなくなったとおっしゃっていました。

毎年の交付税分の繰り入れをしてはくれるが、行政側や議会はあとは知らないという感じになってしまう。大きなお荷物がなくなってせいせいしたという感じでしょうか。

順調に行っているうちはいいですが、このご時勢、いつ経営が悪化するかわかりません。

そんなとき行政は委託先をちゃんと守ってくれるのでしょうか?そんなに無関心になってしまっていてはあまり期待できないのではないでしょうか。かといって、ほかに委託先があるかというとそう簡単なものではないないはずです。

公設民営化された自治体病院は、自分たちからつぶれそうな病院の経営を買って出た勇気ある人たちが立ち上げた医療法人によって支えられているといっても過言ではありません。その人たちのモチベーションをどう支えていくのか。

委託する側の自治体はよ~く考えるべきです。お金をだせばいいというものでもないでしょう。自分たちの町の医療をどうしたいのか、たえず病院側とコミュニケーションをとってすすめるべきです。

夕張のようにお金をださない(かもしれない)というのは論外でしょう。少なくとも交付税措置される部分は医療センターに補填するべきです。

公立病院改革懇談会では公設民営化ということがかなり強調されそうですが、公設民営化をした後のこともしっかりと検証されるべきと思います。座長の長さんはそのあたりのことはしっかりと発言されており、私も夕張については今後の運営について注目しています。

 http://www.higashinihon-group.com/interview/000746.html

 

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