前回に続きまして2回目です。今回も長いのでご興味のある方のみご覧下さい。
今回はシンポジウムについてのまとめです。題名は 北海道の地域医療・保健・福祉 ~地域医療の再生をめざす~というものです。現状の厳しさの中から再生への手がかりを探るという感じでした。弟子屈クリニックの行木先生は再生への手がかりとして「家庭医」の育成をあげられました。寿都や更別の成功事例は道内では有名です。室蘭の日鋼記念病院を母体とした北海道家庭医療学センターで育った医師が所長となり、地域医療を展開している。寿都でも更別でも家庭医による地域医療を展開してから地元の医療機関にかかる率が明らかに上がっているとのこと。評判もすこぶるよい。やはりこれは一つのモデルだと思います。次は羅臼町長の脇さん。この方はすごかったです。町立病院を廃止し、診療所にすることを決断。町民から非難を受けながらも決してたじろがず政治生命をかけています。それだけお金不足、スタッフ不足が深刻であるということでしょうが、医師については10月から2名の医師が来てくれて、体制が整ったとのこと。今後は保健師と組んで予防医学を充実させる、在宅医療を推進するなどと抱負を語っておられました。使われなくなった校舎を改装して、高齢者が住めるようにしたいともおっしゃっていました。
そして診療所化することによって、中標津の中核病院としての役割がますます重要になるので、そのあたりセンター病院への国の支援をなんとかしてほしいという話しもでていました。
最後に町長さんは今まで、病院があって、医師がいればそれでよいと考えていたとも告白され、反省されていました。きっと今後は現場と色々と話し合いを進めつつ、いい方向に町の医療・保健・福祉を展開されていくのだろうと思います。とても素晴らしい町長だと思いました。まだまだ語りつくせないという感じでした。
最後はNHKのチーフディレクターの米原さん。米原さんは色々と取材している方ですが、住民意識について強調されていました。よく住民は「入院と救急だけは地元で確保してほしい」と訴える。では普段の外来はどうなのですか?実はみんな隣町の大きな病院に通院している。要は夜間や休日のコンビに救急、そして困ったときの年寄りの入院(社会的入院)のみを求めているのではないか?
こうなってしまうと当然医師のモチベーションは保ちづらい、結局は医療崩壊へまっしぐらとなってしまう。
ということで地域医療再生への手がかりとしては「住民意識」だろうとのことでした。
また診療所化も大きな話題になりつつあるが、診療所化すればいいというものではない。診療所にしてどのような医療をしたいかが重要だ。そういう意味で総合医の育成が重要だろうとおっしゃっていました。
そして最後に伊関さんのコメント
行政のマネジメント能力とコミュニケーション能力が不足している。現場との共通の理解がなさ過ぎる。結局苦労するのは現場ですと。
3名のシンポジスト+伊関さんのお話しを勝手にまとめさせていただければ、地域医療再生への手がかりは
1、総合医の育成、配置
2、住民意識の変化
3、センター病院への支援(国や道)
4、行政の意識変革
ということになりそうです。
2については マスコミを上手に使ってくださいと米原さん。
私の実感としては2、4についてはかなり難しそう。
特に4は難問。私も長くいますのでよ~くわかります。最終的には民営化することが一番手っ取り早いと思います。
住民の意識変革もきっと多大なエネルギーがいるでしょう。これもひとつひとつ怒っていたら住民から総すかんを食うかもしれません。まずは信頼を集める。そして、色々な機会を利用して、説明していく。これまた気が遠くなりそうですね。
1の総合医を育てるについては私の出来ることは私たちのような小さな診療所でも地道に医学生、研修医を受け入れて総合医の大切さ、楽しさを伝えていくしかないでしょう。
このような感じで色々と考えさせられるシンポジウムでした。
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