昨日、北海道地域医療研究会が行われました。100名ほどの出席者がいらしていたのでしょうか。会場はほぼ満員という感じでした。
内容については皆さんがどの程度関心をもたれるかわかりませんが、自分の頭の整理のため、少し書いてみたいと思います。。
伊関先生のお話しは夕張の破綻を中心に、他の試練を受けている自治体病院をからめて問題点を色々とお話しいただきました。
まずはお役所仕事の病理について解説いただきました。
自治体病院勤務の経験がある方はきっと大きく頷いていたことでしょう(私も含めて)。
そして運営の問題として、ガバナンスレベル(行政の責任)、マネージメントレベル(病院トップの問題)、オペレーションレベル(現場の問題)という感じでお話しがありました。
ガバナンスレベルでは、責任をもって病院を経営している人がいない。
マネジメントレベルでは病院の方向性が示されていない。たとえ院長にそれがあても、院長には権限がなく、思うような方向性には持っていけない。
などが示されました。
そして 以前、人と金を集めることができた自治体病院の「権威」は既に崩壊した。
そもそも自体体病院が必要か?
運営方式についても直営(公設公営)は選択肢の一つにすぎない。
公設民営化によって公共性が果たせなくなるという意見もあるが、それは論理的ではない。
まずは「政策目的」を明確にすべき。その政策目的を達成するための手段として、直営、委託がある。
そのような中、京都にある新大江病院を公設民営化を例にあげて、病院が生まれ変わった話しをされていました。
公設公営のままでも、病院経営者の権限を高め、医療を行ううえで無意味な行政上のルールを廃止し、メリハリのある資源配分と意思決定のスピードが実現でき、また職員も既得権にしがみつかず、当事者意識を持って働くことができれば問題は無い。
→でも実際は無理でしょうと
次に
兵庫県の県立柏原病院の小児科を守る会の試みについて触れられました。2人しかいない小児科の過労を防ぐために、母親達が立ち上がり、現在の小児科医の勤務状況が非常に過酷であり、、コンビニ受診はしないようにしましょうと呼びかけ、その上で署名を集め、知事に提出したとの話しであった。
キャッチフレーズは「こどもを守ろう、お医者さんを守ろう」です。いい話だなあとおもいました。
最後の締めは
これからの自治体病院は今までの方法で生き残れるのはごくわずか。相当数の病院が地方独立行政法人化、指定管理者制度による委託、譲渡、廃止など運営形態の変更を迫られるだろう。
大事なことは地域にとって必要な医療を継続して提供することにあり、そのために問題を先送りせず、出来ることはなんでもしていくべきだろう。
今後自治体病院の再編は必要。しかし、その時机上の空論では絶対だめ。まず現場の意見を大切にするべき。現場をしらない国や都道府県の役人にまかせておけばかえって地域医療は崩壊するだろう。現場にいる人達が自ら変革していくべき。
北海道も再編案が道庁からたたき台として示されました。これから各地域で話し合いがはじまっていくと思いますが、各首長だけではなく、各医療機関の院長や現場の医師、看護師、救急隊など様々な現場の意見を聞きつつ進めていっていただきたいと思いました。
また運営方式についても多くの病院で直営方式が限界に来ているのは明らかです。かといって、みんな新大江病院や夕張医療センターのように、スタッフが医療法人を作り、運営を引き受けるなどは相当な覚悟がないとなかなか難しいことでしょう。
それではどうするのか。なかなか答えは見つからないような気がします。もちろん再編とセットで考えることになるのでしょう。
私の勤める診療所も赤字が常態化しており、今後どうするか非常に難しい選択を迫られることでしょう。
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