今日は先週末当直の代休日ですが、色々と事務仕事が残っていて診療所に来ています。また夕方は家庭医療学会出席のため東京に行きます。
そんな中、北海道新聞の朝刊を読んでびっくりしました。
知床の羅臼にある町立病院が本年度内に無床診療所にするということです。羅臼というとかなり近隣の町から離れていると思うので、無床にして、救急もすべてやめるということは相当思い切った決断のはずです。地図で見ると隣の標津まで60キロくらい、さらにその先の少し大きな病院のある中標津まで20キロくらいありそう。今までも重症者は釧路に運んでいたのでしょうが、120キロはありそうです。
17年度の公営企業年鑑では、不良債務6億8000万円、一時借入金6億7000万円、不良債務比率120%ということで、道内でもかなり厳しい経営をされていた病院であることは間違いなく、ちょっとやそっとでは経営改善は望めません。でもこれはあくまで今までの積み重ねなのです。
こうなる前に何か手立てはなかったのでしょうか。
町の規模や地理的な関係では、最低限のベッドや救急体制は必要と思うのですが、それすら維持ができないということで、6000名強の町民の方々の不安はどうなのでしょうか。
国の政策の強引さがここにも現れてしまった格好です。中核病院+サテライト診療所で、地域医療の再編を行うという趣旨はある程度理解できますが、今のままでは再編する前に地域の医療が消滅していきそうです。
このままでいいのでしょうか?
以下「北海道新聞」より引用
************************
【羅臼】根室管内羅臼町の脇紀美夫町長は二十一日の町議会で、同町唯一の医療機関である町立国民健康保険病院(四十八床)について、財政難と医師、看護師不足を理由に本年度内にも「無床の診療所にせざるをえない」との考えを明らかにした。診療所になれば、救急医療などは数十キロ離れた同管内中標津町、標津町の協力が不可欠となる。
同病院は内科常勤医二人、外科の非常勤医一人、看護師十七人の体制だが、七月末までに常勤医一人、看護師四人が自己都合で退職する予定で、後任は見つかっていない。一方、診療報酬改定の影響で、入院収益が二○○六年度決算で前年同期比約四割減の約一億三千万円に激減。不良債務も○六年度決算で六億六千万円に上っている。
同病院はすでに土日と平日夜間の救急を、三月十日からやめている。脇町長は「診療所化する場合、近隣の町にも理解を求めたい」と話している。
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
| 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
| 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
| 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
| 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
コメント
コメント一覧
本年の1月頃からぽつぽつ看護婦さんが辞め始め、今年度に入って辞め方が早くなり、今回、婦長、主任など看護の中心メンバーがごそっと退職しました。
看護婦不足で本年3/10より新規入院をなるべくしないようにし、退院・転院・転所できるPt.はできるだけそのようにして入院患者を減らして、少なくなった看護婦でも病棟と外来が回るようにしてきましたが、やはり、病院と言う看板をあげて診療している以上、入院できませんという態度には自己矛盾がありますし、近くの協力病院(中標津)も外科系はわりと「どんとこい!」と助けてくれますが、内科系は紹介入院をやんわり嫌がられます。
私も昨年末より、以前勤務していた病院から「医者が足りないから帰れコール」が来ていたので今年2月ごろからすでに病院事務には「羅臼も診療やりにくくなってきたし、実家の病院の方も帰れと言ってきてるから、ぼちぼち辞めるかも知れないので、後任の内科医探し始めといてね」と言っていたのですが、今でも内科医募集さえしていない状態です。
今は週代わりで非常勤外科医(北大一外科)の先生が来てくれてますし、時々は週末の当直もしてくれますが、来年の4月には派遣は中止され、現在のままでは来年4月から常勤は院長(内科、肝胆膵、消化器)1人となります。
うちの院長は単身赴任なので毎週末は家のある札幌へお戻りになります。犬も院長室で飼ってます。そうでもしないと気が変になりそうだからです。私もそのへんの院長の気持ちわかりますので何も言いません。
ただ羅臼は漁師の町だけあってみなさん元気で、車を1時間20分も運転して中標津病院に行ってしまいますので、病院が診療所化したり、夜間救急がないことも、むしろ直接中標津へ救急車で運ばれるから助かる、といった意見の方が多いのが現状です。町民から見ればここには金食い虫の病院も診療所もいらないでしょう。
町は救急車も高規格型をもう一台(計4台になりますね)導入予定ですし、ドクターヘリの陳情も結構な数が集まっているそうです。ですから、羅臼の医療は心配無いでしょう。私が心配なのは院長の心と体のこと。激務ですので・・・毎日午前3時4時まで働いていらっしゃいます。
私ももう羅臼の町は安心して歩けない。自分の車の影に誰かいないか、病院から帰る時物陰に誰か隠れてないか、時々後ろを振り返りながら通勤・帰宅しています。
責任は先生には全く、100%ないと思うのですが。先生を批判している記事があるのですか?とんでもないです。先生は先生の人生があるのですし、町の都合に振り回される必要はないと思います。あらかじめ辞めるという意志表示をしていたのですし。今後は北海道で働かれるのでしょうか?それとも違うところ行かれるのでしょうか?北海道の地域医療のために一生懸命働かれたのに、いやな思い出だけで北海道を離れてしまうのではと思うと残念で仕方がありません。
今後のご活躍をお祈りいたします。
はじめまして。
お疲れ様です。
先生のお話を聞けば、少なくとも医師達は
共感できると思います。
なんでもかんでも医師のせいにするのは
どうしてでしょう?
マスコミの書き方でしょうか?
国策が間違っているのは明らかですが、
地域住民の理解が無いと
地域医療崩壊は止まらないと思います。
先生だけが苦労する必要は全くありません。
みなが目を覚ますまで、逃散してください。
仕方のないことだと思います。
最後まで皆、原因がなんなのかわからない
ということも恐れていますが・・・。
拙ブログの関連記事です。
http://blog.goo.ne.jp/peak1839/e/b6197903298a2008f2a6ccdc5cfc5950
ちょっと、言葉が思いつきません。
月いっぱいで羅臼を退職する内科医先生
本当にお疲れ様でした。
コメントを書く