昨日北海道での医師不足対策について書きました。私の診療所も医師不足がありました。もともとは町立病院だったのですが、常勤医2名がやっとでした。今回は私なりの医師移住促進計画です。
数年前に私が院長になり、その後有床診療所となりましたが、その段階で私は一つの方針を立てました。
・医師は診療所になっても3名体制とする
・医師の給与は私を含め減額し、以前の2名分の医師給与で3名分を支払う
・医師には研修日を週1日確保する
・夏休みなど長期の休みをしっかり取れるようにする
・土日当直をしたら代休を1日確保する
・研修医や医学生の実習を積極的に受け入れ、医学教育にも参加できる環境を整える
(*医学教育については専門医の先生方は面倒くさいだけかもしれませんが、総合医療や家庭医療の分野では結構興味を持っている先生が多い印象です。ポートフォリオ、コーチング、オスキー、EBM+NBM、フィードバックなど、研修指導医養成講座で色々と習い、カルチャーショックを受けましたが、家庭医として研修してきた医師はほとんどそれらが身についています。)
もともと保健福祉センターを併設していて、町の保健師さんとも連携をとり、地域包括ケアに積極的に取り組んでいたり、町内の特別養護老人ホーム、ディサービスセンター、障害者施設などとの連携をしたり、在宅診療や地域巡回診療にも取り組んでおりました。人口4000人弱の町で1箇所の医療機関で、周辺にはこのような環境があり、地域医療を学ぶ上では、楽しいフィールドに育ってきていました。
そして診療所になる段階で若い医師を2名募集したところ、1ヶ月くらいですぐ2名の応募がありました。他にも大学関係から派遣を依頼されたのですが、4名の雇用は無理ということで大学はお断りしたという状況でした。
新しく来られた医師は1名は本州の都会から、1名は道内から来てくれました。両名とも地域での総合医を目指して勉強されてきた方でしたので、若いといっても即戦力でした。
3名になることによりそれなりの余裕が生まれ、私もフィリピンやネパールの海外医療協力の様子を見に行ったりすることもできるようになりました。またカンボジアのスタディーツアーに参加された医師もおります。夏休みも2週間とってもよいことになっています。
今後はより質の高い、しっかりとした地域医療を目指して進んで行きたいと考えているところです。予防医学、町の医療費を下げる、町外流出患者さんを最低限に食い止めるなど、夕張の村上先生や他の地域医療に取り組んでおられる先生方にも色々と教えを頂きながら、当町なりの地域医療のモデルを創れたらと考えています。
あとは医師4名体制にして、他の困っている地域の病院や診療所に医師派遣を行い、人件費を稼ぐということも考えているところです。そうすると私自身も研修日や有給休暇を確保できるような気がします。
こんなような感じでやっています。まだまだ発展途上の診療所で、いわゆる先進的と呼ばれている診療所などを視察するとその足元にも及んでいないことも自覚しています。経済的にも苦しい状況が続いているのも確かですが、なんとかかんとかやっています。あとはしっかりとした後継者が、今一の私をしっかりと引き継いでくれ、継続して安定した地域医療を作っていってくれればそれが一番と思っています。
道庁が考えた北海道の医師不足に対する案です。
1、北海道の職員として採用し、2年間地方、1年間基幹
病院で勉強というパターン (5名募集)
2、団塊の世代を中心に北海道移住を促進
3、民間病院から地方に医師派遣すれば、病院に対して
年間500万円の資金援助をする(2名分のみ!)
というもの。1年間の予算が2800万円。お金のない北海道とすれば精一杯の対策なのでしょうか。
まずは北海道の移住医師を募ることですが、あまりに情報がないです。私も10年前北海道に戻る際、何の情報もなく、あちこちの町立病院の面接に歩きましたが、結局よくわかりませんでした。
北海道地域医療振興財団が頼みの綱かもしれませんが、財団も細かいところはつかんでいません。北海道に来たのはいいが、結局夢破れ辞めていった先生はたくさんいます。自治体職員や首長との確執、古い体質の院長や他の医師との確執、住民との確執などなど。
医師が足りない足りないと騒いで、北海道庁や医局になんとかしてくれ~と頼むだけではなく、受け入れる自治体病院だって、環境を整えるとか、情報を発信するとかの自助努力は必要だと思います。
あと移住促進は団塊の世代にこだわる必要はありません。若い人のほうがかえってよい面もあります。子供が小さいうちは都会より田舎のほうがいいと考える方も多いのではないでしょうか。お受験していい小学校や中学校に入学することが本当に幸せとは限りません。
田舎の生活も楽しいですよ。数年間でもいいですから、ぜひ北海道の地域医療のために働いてみませんか?
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道は本年度に実施する医師確保対策をまとめた。
《1》道職員として医師五人を採用し医師不足の地方に派遣する
《2》地域に勤務医を派遣する民間病院に資金支援する
-など五事業で、本年度の補正予算案に計約二千八百万円を計上、六月中旬開会予定の定例道議会に提出する。
五事業はこのほか、団塊の世代を中心とした道外在住医師の移住促進事業、医学生を含めた道外現役医師の勧誘活動、臨床研修医の指導医の研修事業。
医師を道職員として採用する事業では、五人程度を三年単位で雇用し、医師不足の市町村立病院や診療所に派遣する。道内での義務勤務(九年間)を終えた自治医科大卒者に道職員となるよう働きかけるほか、新聞や雑誌で全国に呼びかける。
三年のうち、二年間は市町村立医療機関の勤務医として働き、一年間は道職員として都市部の病院で研修する。予算は給与を除いて約四百万円。
また、市町村立病院、診療所に医師を派遣した民間病院に対し、医師一人当たり年約五百万円の資金支援をする。年二人程度を予定している。初年度予算は約七百万円。
このほか、移住促進事業では、首都圏などでの説明会を開催、地域医療の現場視察も行う。勧誘活動では、道職員が医大や道内出身の医師らを訪問、ホームページなども活用する。
指導医研修は、地域病院での臨床研修受け入れ増を目指し、指導医がプライマリ・ケア(初期診療)を教えられるように研修する。
こんな記事が出ていました。バフンウニというところがいいですね。よくあるとげとげのウニはムラサキウニで、エゾバフンウニのほうが、甘みもありおいしいです。値段もだいぶ違います。一家族2万円 ということで高価なウニ採りですが、おもしろそうな気もしますね。採れたてのウニは本当においしいですよ。私も以前猟師さんが経営してる民宿に泊まったときに食べて、そのおいしさにびっくりした覚えがあります。世界遺産知床に遊びに行くついでにこのツアーに参加するというのはいかがでしょうか?
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【羅臼】知床羅臼観光協会は、初めてのウニ採り体験ツアーを六月十五日午前九時から根室管内羅臼町のサシルイ岬海岸で行う。
磯から水中眼鏡とタモを使ってエゾバフンウニを採り、バケツ一杯分、約三十個を持ち帰ることができる。潮干狩りのようにウニ採りを楽しんでもらおうと、羅臼漁協の協力を得て企画した。ガイドは漁業者や漁協職員が務める。
参加料は小学生以上一万円、幼児五千円、三-五人の家族は一家族二万円。町内の宿泊施設に泊まることが条件となる。定員は二十人で先着順。
申し込み、問い合わせは同協会(電)0153・87・3360へ。
(北海道新聞ホームページから引用)
少し医療関係の話題が続きました。ピックアップブログに取り上げていただいたおかげでアクセス数が急に多くなりました。少しプレッシャーを感じながら最近やってます。
本日はちょっと別の話題で…。
日に日にだんだん緑が濃くなっています。自宅の寝室から毎朝眺める景色が個人的には大好きです。暖かくなって、ベランダでぼやーと景色を眺めたりするのもとても気持ちがよくなりました。

昨日のETV特集は夕張を取り上げておりました。われわれ僻地医にとって村上先生の手法はお手本になります。前任地の瀬棚診療所は地域医療のモデルでした。
夕張市や夕張医療センターについてはあまり説明しなくてもお分かりと思いますが、少しだけ。
夕張市の財政破綻、そして、夕張市立総合病院の多額の一時借入金。親の破綻により、子供である病院も運営続行が不可能になってしまいました。もともと夕張市は病院に対する国からの交付税をほとんど病院に繰り入れせず、病院の負債をどんどん増やしていってしまいました。最終的には一時借入金40億円近くあったとのこと。このあたりの無責任さもひどすぎますね。
テレビをご覧になった方はおわかりになったと思いますが、総合病院といっても名ばかりで、内容は総合ではなく、常勤医も少なく、運営は大変だったようです。しかも自治体病院でありながら、経営本体の自治体から支援がなかったわけです。入院も社会的入院が多く、急性期の病院とはほど遠い感じでした。といっても他の北海道内の田舎の町立病院と比べれば、内容はほとんど同じで、どこもあんな感じ。ある意味、典型的な北海道の地方病院だったと思います。
番組では指定管理者として選ばれた村上先生の医療法人が短い期間(100日)で新しい診療所を立ち上げていく様子を追っていました。
オープンの数日前になっても約束していた改修をしていないとか、光熱費の負担について何の回答もないとか、開設責任者である夕張市の無責任ぶりも描かれていました。市長は部下に指示していたが、どこかでその指示が止まっていたらしい。ありがちな対応。そして誰も責任はとらない。これもありがち。関連記事→ http://blog.m3.com/hokkaido/20070521/1
けれど医師も2名採用が決まったり、その2名の医師がやってくるまでの空白期間を東京の大学病院の医師が穴埋めをしてくれたり、薬剤師、放射線技師、看護師、経営アドバイザー、事務長など様々な人たちが村上先生のもとに集結してきました。(最終的に5名くらいの医師の応募があったと聞いています)
給料は民営化によりかなり下がるらしい。けれど「給料は安くなるかもしれませんが、やりがいをもって働けるような職場にしていきます」みたいなことを堂々と述べられる村上先生の姿は立派でした。確かに運営は大変だと思いますが、村上先生ならきっと成功できる! 根拠はないけどそんな気がしました(ご本人も番組内でそうおっしゃっていました)。
当町は北海道のやや内陸部に位置していて、合併した隣町とは約40キロ離れています。またいつもお世話になっている後方病院はさらに30キロ先になりますので、あわせると70キロ先ということになります。
余談ですが、70キロというと直線距離では新宿→大月、小田原あたりです。東京から筑波は直線距離で50キロくらいですので、道なりに行けばだいたい70キロくらいになるのではないでしょうか。
話しをもとに戻します…
合併した隣町にも病院はありますが、常勤医が1~2名の小さな病院です。救急体制は旧町の境界線が基準となっています。ということは中間地点より1cmでもこちら側で急患が発生した場合は、当診療所に救急搬送されます。わざわざ20キロの道のりを当診療所まで戻ってきて、その後70キロ先の後方病院まで転送ということもあるわけです。旧隣町との中間地点の場合は、あちらの病院に搬送した方が効率がよいと思われ、合併後に消防署長などと協議しましたが、「直近の医療機関に搬送するのが原則です」の一点張りで、先に進みませんでした。結局合併後も同じ救急体制で救急を受け入れています。その間、隣町の病院の医師不足が深刻となり一時的に救急受け入れを停止したりということもあり、救急搬送については従来通りにするしかないような状況になっています。いずれにしましても当町の救急体制を考えると、結局はどちらかの病院か診療所にまずは搬入せざるを得ません。ということは夜間、休日などは当直医1名、レントゲン技師不在、検査技師不在、看護師は病棟のナース2名程度という体制ですべての救急患者さんに対応しなければなりません。何が来るかわからない状況で、この体制は非常に恐ろしいです。町内には大きな国道が2本走っており、大きな交通事故もしょっちゅうあります。いっぺんに5人とか運ばれてきてしまうこともあります。多発外傷などの重症患者さんが一度に運ばれると本当に現場はパニック状態です。もちろん近くに住んでいるナースや医師を呼び出すこともありますが、町外に住んでいる方も多く、そう簡単ではありません。この間も11人が一度に運ばれてきました。重症者は少なく、ちょうど日中で3名の医師プラス研修医がおり、なんとか対応はできましたが、これが夜間や休日だったらと思うとぞっとします。救急ヘリも時々利用しますが、平日の日勤帯のみの対応となりますので、お願いできるケースは限られます。
僻地の救急体制って、だいたいどこの町もこんな感じになると思います。少ないスタッフ、遠い後方病院がストレスになります。さらに後方病院に転送するときも電話でいやみを言われたりすることもあり、これもまた大きなストレスなのです。だから暇な当直でうれしいなあと思っていても、いつ修羅場になるかはわかりません。こんな体制の当直を3名の医師で順番に担当してるわけですから、それなりにストレスが蓄積してきます(他と比べればまだいいほうかもしれません)。何事もないことを祈りつつ、あと残り24時間の週末当直をしたいと思います。
昨日の金曜夜から3週ぶりの週末当直です。金曜日夜から月曜日の朝までの長丁場です。前回はゴールデンウィーク中で、少し忙しく、長く感じられました。http://blog.m3.com/hokkaido/20070505/1
本日はうって変わって患者さんが少ないです。日中2名、夜も今のところ2名です。時間があったので、たまっていた書類などを書きました。主治医意見書、保険の診断書、生活保護の診断書、たまっていた退院時サマリー(15人分もありました!)を一気に書きました。また来週に開かれる介護認定審査会の資料(40人弱)に目を通し、検診の心電図60名分も読みました。まだ気の重い「眼底写真」が残っています。それは明日やります。
あと散らかっていた医局と自分の机の上も整理整頓。なんだか色々と整理されて気持ちよくなりました。あ~あすっきりした。すっきりしたところで心電図の勉強をしようとテキストを開いたら、とたんに眠気が…。ということで今ブログを書いています。
本日の北海道新聞に「コミュニティレストラン(コミレス)」の記事がありました。初めて聞く言葉でした。内容的には地域に高齢者が集まれるような家庭的なレストランを作って、そこで地域のお年寄りが集まってご飯を食べたり、会話を楽しんだりするというもの。一人暮らしのおじいちゃんが、家庭的な食事が安く食べられ、またいろいろな人と交流できるということで参加されている様子が書かれてありました。運営するのはNPO法人が主体で、働いている人も地域のお年寄りが多く、ボランティアも多いようです。もちろん経営的に儲かるものではありません。だいたい収支とんとんがいいところだそうです。しかしこの取り組みは素晴らしいと感じます。地域社会のコミュニティが崩壊してきているのは都会でも田舎でも同じです。一人暮らしのお年寄りや老夫婦世帯も増えています。介護予防とか、地域支援事業とか色々と厚生労働省は政策を作り、お年寄りに筋トレを強要しています。デイサービスに行って筋トレするのもいいかもしれませんが、あくまでお年寄りの自発性が大切です。「やらせている」雰囲気では効果は望めないと思います。デイサービスはどちらかというとお年寄りが受身になってしまいがちです。一方小規模な民家改修型のデイサービス(よく宅老所とも呼ばれます)はお年寄りが自分たちで日課を考えたり、買い物に行ったり、食事を作ったり、非常に自主的に活動するところが多いように思います。宅老所を立ち上げる方は基本的に儲けより、地域のお年寄りをどう支えるかというビジョンでやっていますので、そのあたりはうまくお年寄りのやる気を引き出しています。このような取り組みの延長線上に「小規模多機能型居宅介護」が発生しました。医療と違ってまだまだ介護分野は採算性がいいです。しかも大規模化して、お年寄りの主体性を奪えば奪うほど儲かるようになっているような気がしてなりません。地域密着型サービスという分類もあり、国も少しずつ小規模のよさを認めつつありますが、介護報酬は低く、採算性は依然厳しいままです。結局はボランティア的なものが地域を支えているといわざるを得ません。コミレスをはじめ地域で頑張っているこのようなシステムに対してもう少し行政の経済的支援が得られればもっと普及するような気もします。
うちの診療所もコミレス始めたいなあ。診療帰りに寄ってご飯を食べたり、お茶をしたり、ゲームをしたり。地域の若いお母さん方も気軽に子連れでお茶をしに来たり、小学生や中学生も遊びに来たり。まさに地域のたまり場的な場所。レストランだけではなく、サークル活動の場になったり、余力があれば高齢者への弁当宅配もしたり。儲けにはならないけど楽しそうだし、うまくいけば地域にとって大切な場所に育っていきそうな、そんな予感があります。
http://www.comiresu.org/index.html
→コミレスについて説明、実践例があります
本日北海道新聞に、北海道内の3大学の初期研修医が3年前に比べて半減していると報じられていました(97人)。また後期研修医(卒後3年目以降の医師)も12%減の191人だったそうです。その内訳は北大93人、旭川医大23人、札幌医大74人だそうです。確かに初期研修医は減っていますが、後期研修の段階でそれなりに大学に戻っていると私は感じました。旭川医大は確かに厳しそう(-23%)ですが、札幌医大はマイナス5%にすぎません。以前と比べて3年目の医師が専門科で即戦力とはいかないかもしれませんが、これだけ戻ってきてくれればそう悲観的にならなくても済むのではないでしょうか。今6年生の医学生が実習に来ていますが、同級生では小児科、産婦人科も結構人気があるようです。他の地域のことはわからないのですが、北海道に関してはまだまだ医局に余力が戻ってくる余地はあるように思います。大学の先生方いかがでしょうか?
本日夕方から本町で会議があり、行ってきました。その前に少し挨拶するところもあり早く診療所を出発。挨拶が終わった後、会議まで時間が空いたので本町にある温泉に入って一休み。温泉も夕方のラッシュ前ということで空いていて気持ちよかった。北海道弁風に言えば「たいしてあずましかった」という感じでしょうか。また町内では田植えも始まっています。あと情報によるそろそろ初メロンのせりがありそうです。夕張メロンは2個で200万円!さて当町のメロンは?


ホテルも併設されている結構立派な温泉施設です。
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