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人間は自分の体調が悪いと見るものすべてが悲観的に思うものです。そして、最後には情けない自分だとか、だめな自分だとか、自分のことを責めてしまいます。これを自責的になると言います。
この自責感は、上でも述べたように、自分の体調が悪いから起こるわけであり、自分の体調が悪いことが原因です。
自責感が強いと最悪に場合には、自殺の原因になります。
体調の悪化は原因を特定すれば治療することが出来ます。つまり、自責感は自分で治すことではなく、自分のことを客観的に観察して、信頼できる人に頼ることが必要です。場合によっては、医学的治療が必要な場合もあります。
人間は一人では生きていけない弱い存在です。そんな一面があることを忘れず、肩の力を抜いて過ごせば、人生の意味が変わってきます。
うつ病の薬物治療は目覚しく進歩しています。
以前は、便秘や口渇などの副作用が患者さんを悩ましておりましたが、最近の抗うつ薬は以前の抗うつ薬と効果は同等であり、副作用が少なくなったのが特徴です。最近では、SSRIなどと呼ばれる抗うつ薬を最初に使うことがほとんどです。抗うつ薬は単剤で十分な量を使用することが大切です。睡眠薬や抗不安薬を短期に使用することがあります。
抗うつ薬が効果を発現するためには、2週間から4週間は必要です。薬物の効果を判定しながら、抗うつ薬の量を調整していきます。
抗うつ薬は症状が改善しても3-6ヶ月は継続して内服する必要があります。自分の判断で中断したり、調整することは禁物です。抗うつ薬は、うつ病を治す効果と再発予防効果があります。
しかし、うつ病から学んだ体験を自分のものにしたほどに状態が良くなったと判断すれば、薬物治療はもう必要なくなります。
うつ病は苦しかったけれど、自分の健康について多くのことを学び、もう大丈夫だと判断した患者さんには、”これjからは薬物は減量・中止しましょう”と伝えます。精神科医にとってこの上ないうれしい瞬間です。
最近のうつ病に対する注目度は非常に高くなってきました。外来における患者さんの受診数は多くなり、地域でうつ病の講演を行うと多くの方が集まります。
うつ病は適切な認識を行って、適切に対応すれば治ります。2020年には世界で2番目に多い疾患になると言われていますが、うつ病についての理解があれば恐れることは何もありません。
最近では、さらに新しい薬が開発されてきています。今後は、医師としては多くのうつ病の治療戦略が増えて、ますます治療環境は良くなるでしょう。
ですから、自分の健康を守るために大切なことを自分のために行って下さい。そして、それを忍耐強く継続して下さい。
ドクターショッピングとは、何箇所も医者を受診して治療を受ける行為を指します。世間では医療費の無駄使いだと非難され、医者は信用できない患者だと非難しています。
しかし、私はドクターショッピングを支持します。
私は、良いものがほしいときには自分で調べた良い店と思われる店を数箇所行って、実際に物を確かめて自分が納得したものを購入します。
良い医者と出会いたいと考えるのは当たり前ですから、ドクターショッピングをして納得できる医師と出会えれば良いと思います。
労は必ずに報われる。良い医者とめぐり合えるために医者の品定めは重要です。
うつ病の治療では精神療法は大変重要です。これは、患者さんの状態に合わせて適切な生活上のアドバイスや相談をすることです。マイナス思考を是正したり認知行動療法なども行います。かなりの専門的な精神医学的な知識と経験がいる治療方法になります。
あるときには絶対的な休養を指示したり、またあるときには背中を押して負荷をかけてみたりと、患者さんと二人三脚で行います。患者さんの生活・家族・性格などをみながら、その絶妙なタイミングをみて、生活上のアドバイスをしていくのです。
精神科医が行う精神療法はうつ病の治療においては必須であり、まさに腕の見せ所です。
信頼できる精神科医と出会うことは人生の財産と言っている方がおりましたが、精神科医は精神療法の力量が問われると思います。
うつ病の治療の第一歩は休むことです。疲れた神経を休ませてあげることが最も大切なのです。特に最初の治療段階では絶対的な休養を保障します。例えば、仕事、学校、家事などすべての仕事は一時的に全て休みます。自宅や病院などでしっかりと安静療養します。そこで、うつ病の症状である不眠、食欲低下、意欲低下などがゆっくりと改善していくのを待ちます。時間をかけてあせらずにうつの症状と向き合うことが大切です。
うつの方は、なぜ悪くなったのかと自分を責めてしまいます。みんなに迷惑をかけていると悩みます。しかし、うつ病を治すための休養は大切な第一歩ですから、何よりも自分の体を治すことを最優先して、休むことに全力を尽くすことが大切です。
自分の体のブレーキを全開にして休むことが必要です。
うつ病は神経細胞の伝達が不調になった状態です。例えば、川の流れがダムでせき止められて、ダムの上と下では水量が全く異なるようなイメージです。川の流れが増水または減水しているために、うまくダムでの水量が調整できないような状態です。
人間の活動にとって大切な神経の活動が支障を来たしてるわけですから、神経の調子が良くなるまでは無理は禁物です。
上で述べた水量やダムの例えは、その原因は遺伝的な要因や過剰なストレスなどで神経を無理に使ったときに多くみられます。
しかし、どのような原因であれ、神経の流れが悪くなるのは徐々に起こることがほとんどです。早期発見して早期治療をすれば、神経の流れは早く良くなります。