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医者は「コスト削減」と聞くととても嫌がるようです。
きっと医療事務の方に「この治療器具は高いから買っちゃいけません」とか「診療のこことここのムダを減らしてください」とかきりきりと締め付けられた経験があるからでしょうか。
古今東西その傾向があるようで、アメリカのお医者さんも同じような反応を示していました。
彼曰く「コストはスーツVS白衣の争点の元」だそうです。
ただ「コスト」というのは、ビジネスにおいてはもちろんのこと、医療においてもものすごく重要な概念だと思います。
コストをどのように推定するのかというのは実はものすごく奥深く面白い世界で、またいつかの機会にご紹介したいと思うのですが、今回はコストに関する大きな誤解を解きたいと思って筆をとりました。
「コストを下げることで、医療の質が下がる」というのは大きな誤解である。
コスト削減と聞いたときの、医者の反論は「コストを下げることで、医療の質が下がる。我々の使命は患者さんに最良の医療を提供することであり、金儲けすることではない。したがって我々医療者はコストなど気にするべきではないのである」というのが典型的です(これは極端な例かもしれませんが)
この医者の反論の中には、「コスト削減」と「医療の質」はトレードオフの関係にあるという暗黙の前提が存在するようです。
でもこれって本当に正しいのでしょうか。
データはその前提を否定します。
質の高い医療はコストも低いのです。直感的にも正しいと思いませんか。
質の高い手術を行えば、術後の感染リスクも低くなりますし、早期退院も可能になります。
つまり「コスト削減」と「医療の質」は互いに対立するトレードオフではなく、同期して同じ方向に動く指標なのです。
したがって最大のコスト削減は最良の医療を提供することなのです。
医療にかかるコストというと、薬剤であったり施設であったりを想像するかもしれませんが、医療コストの最大の要素は人件費です。
治療における色々なムダを省き(病院の効率の悪さは異常です。医師の先生がたでしたら、色々なムダがあることは容易に想像できるのではないでしょうか)、医者が医者の看護師が看護師の仕事を出来るようにすることが「コスト削減」の本質なのです。
この「ムダ」を省く活動のことをリーン活動と呼び、トヨタなどの製造業ではよく知られている活動なのですが、医療従事者の間では毛嫌いされているようです。
ただそれはリーン活動・コスト削減を勘違いしている、もしくはリーン活動のやり方が間違っているかのどちらかであり、本来的なリーン活動は、医者という貴重なリソースを投じたときに、最大限の成果をあげる(=治療の質を改善させる)活動のことです。
それらのやり方もまた別のエントリで書きたいと思います。
「コスト削減」と聞いて拒否反応を示すのではなく、医療の質の改善というルートでもってぜひ医療者の先生方にはコストを削減していって欲しいと願っております。固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
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