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脳梗塞治療改革-ロンドンの事例

Ponyo / 2012.01.18 09:30 / 推薦数 : 1

医療の「質」を高めるには結局「量」が大事なのではないか、したがって中小総合病院などナンセンスという話を前回のエントリでしました。

そのような例がないのかなと探してみたところ、ロンドンでそのような取り組みがあったので紹介します。

 

 

脳梗塞で発症24時間以内の虚血性脳梗塞は血栓溶解療法の適応になります(すみません。臨床を離れて久しいので、間違っていたらご指摘下さい)

ただその適応のいかんを決めるのに、出血性の脳梗塞だったら大変なことになるので、CTの撮影と脳梗塞の診療に慣れた神経内科医の判断が必要になります。

ロンドンの脳梗塞治療は残念ながら、いわゆる中小総合病院のオンパレードのような状態で治療されていたようです。

すなわちどの施設もそこそこの数の神経内科医および施設を有して、そこそこの数の脳梗塞患者を診る状態です。

その結果どのようなことになっていたかというと、CT撮影のタイミングが遅れたり、撮影したとしても血栓溶解療法の可否が判断できなかったり、などの理由で治療のクオリティに大きなばらつきがみられました。

そこでロンドンが何をしたかというと統廃合です。

この場合は病院の統廃合ではなく、脳梗塞治療の統廃合です。

スタッフの数、設備の充足度、過去の治療成績などを勘案して、ロンドン市内で8つの脳梗塞治療センター(Hyper Acute Stroke Unit HASU)が作られました。

HASUはその施設の神経内科医だけでは人手が回らないので、地域の神経内科医がローテーションでHASU診療にも携わることが義務化されました。

脳梗塞の急性期治療をその8ヵ所のHASUに集中させるために、資金も人員もそこに回したのです。多くの医者がその決定に反対したそうですが、一つの医療機関で「量」を診た方が治療の「質」が改善するとの信念のもとこの改革が行われました。

結果は非常に劇的なものでした。脳梗塞発症後30日の急性期の死亡率が15%から7.6%に減少2008年→2011年)。

脳梗塞患者のうち血栓溶解療法を受けることができた患者の割合が3.5%から14%まで上昇しました

それだけではなく、脳梗塞患者の入院期間、治療にかかる総コスト、患者および患者家族満足度などのすべての指標で大幅な改善が認められました。

繰り返しますが「量」は「質」に大きな影響を及ぼします。

似たような規模の似たような病院が乱立していたり、中小総合病院というのは、「量」および「質」を棄損します。

ぜひ地方自治体単位でも救急医療圏範囲でも、このロンドンでやったようなドラスティックな改革をやってみてくれないものですかね。。

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