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河村実(かわむらじつ)著:
雲母書房統合失調症の患者さん自身が実名を出して書いた本格的な本です。
もともと小説家志望(もう本格的な?)のかたなので、これが3冊目で、病気の体験談だけでなく、文学的にもすぐれたエッセイ集ともなっています。
第2部は、病気になったらどうしたらいいか。社会復帰のためにどうしたらいいか、患者のほんねから、対処方法が親切にかかれています。
一部引用して紹介に替えます。
福岡での体験:そこでは海が腐り、腐臭がガスとなって立ち昇り、この浜辺の家並みを包み込んでいました。世界は終末を迎え、この世に生きているのは私一人となってしまったと妄想を抱き、ぽろぽろぽろと涙を流しながら彷徨するしかすべがなく、このとき見た家並みは雨戸を閉ざし、風化した板張りがガスにさらされているのをただぼんやりと眺めていたのでした。人々は死んだのです。この町は死人の町なのです。荒涼として吹く風に廃墟となった町並みを眺め、一人生き残っている自分の皮膚がただれ、腐り、においを放っているのに気がつきました。
はまあるき
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