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こんばんは。
気になった記事を見つけたので。
ネタ元はssd's diary様から
北上市の旧県立北上病院(現県立中部病院)で直腸がんの手術を受けた同市の男性(68)が、不適切な治療で術後の容体が悪化したとして、同院を管理する県と執刀した男性医師に1000万円の損害賠償を求める訴訟を盛岡地裁に起こした。提訴は09年12月11日。
訴状によると、男性は07年7月30日と同8月1日、同病院で直腸がんの切除手術と人工肛門(こうもん)造設手術を受けた。だが、間もなく腹部が化膿(かのう)して、熱が出た。転院した同市内の病院で化膿部分を取り除く手術を受けた際、腹部から体内に吸収されず感染症を引き起こすリスクの高い「非吸収糸」が見つかった。このため、容体が悪化し、男性医師らが術後も有効な治療を行う義務を怠ったと主張している。県医療局の田村均次局長は「適切な治療を施しており、医療過誤はなかった」と談話を発表した。【宮崎隆】
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あいかわらず、記事からは詳細がわからないので何ともいえないのですが・・・。
最近は手術部位感染(SSI)の予防のため、体内に残す糸は数週間で吸収される「吸収糸」を用いることが推奨されていることは確かです。
しかし、僕が大学で勉強していたときがちょうどそれが言われはじめていて、外科のドクターの中でも吸収糸や非吸収糸を使う人で分かれていました。
また今でもいろいろな理由で「非吸収糸」を用いることは良くあります。
少なくとも「非吸収糸」を用いてSSIを生じたとしてもそれは手術の合併症の一つであって、医療過誤と呼べるものではないでしょう。
吸収糸を用いていても感染するときはするし、非吸収糸を用いていても感染しないときはしないからです。
吸収糸、非吸収糸を用いるかはそのときの医師の判断によって決められるべきであって、必ずしもそうしなければいけないといったものではないと考えます。
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と、まあ、マジレスしてしまいましたが・・・。
この記事でおかしなことは、「うみを出す手術をした」にせよ、損害賠償額が1000万円ってどういうことでしょうか。
少なくとも原告は生存しているようだし、普通に考えてその手術では後遺症が残るようなものではないと思われますが、それに対して10000万円の損害賠償って・・・
弁護士もその損害賠償とれると思って依頼を受けたんでしょうか、それとも本人訴訟?
ちなみに、「非吸収糸」の絹糸1本、数十円。「吸収糸」、1本数百円~数千円。
手術で使う材料で糸などの材料費は手術の報酬に含まれません。
全部病院の持ち出し。
だから、僕たち外科医は一本の糸で数回結紮したりして糸の使用を節約したりしてます。
全て絹糸でやれば、手術の材料費5000円ぐらいはうきそうです。
でもそんなことしません。
だって、感染したら、やっかいなことは、外科医ならみんな知っているから。
1000万の損害賠償請求されたら嫌だからというわけではなく、手術していると感染は本当に嫌なんです。
できることなら感染のリスクは極力回避したい、そう思っているから、「非吸収糸が感染の危険性を上げる」という報告を信頼している医師は少々値段が高くても吸収糸を使うのです。
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この記事を書いた人は責任を持ってこの裁判の経過を報告してくださいね。
だって、これで病院敗訴ならば、「手術で体内に残る糸は非吸収糸を用いてはならない」っていう、JBM(Judgement based medicine)が完成しますから!!