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Doctors Blog

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定義を平気で無視する人たち

イッシー31 / 2009.12.24 01:09 / 推薦数 : 4

勉強をする際に学校の先生から教えられたことの一つ。

 

ものごとには定義というものがある。

それを間違って答案を書いていたら、その後の証明の論理的な構成がいくら良くてもそれは0点だ。

 

例えば数学の証明で

はじめのA=Bという定義が間違っていたら、その後の証明がや計算が全て正しくても、間違った証明であるということ。 

 

定義を無視して使うのがマスコミクオリティーなのでしょうか。

 

-----------------------  

診療報酬10年ぶり増額、産科など重点配分へ

12月23日22時9分配信 読売新聞

 政府は23日、医療機関に支払われる2010年度の診療報酬を0・19%引き上げることを決めた。

 診療報酬改定は2年に1回行われており、引き上げは00年度改定以来10年ぶりだ。地方交付税は、地方自治体が受け取る総額で約1兆700億円増の約16兆8900億円と、5年ぶりに16兆円台に乗せた。

 菅副総理、藤井財務相、長妻厚生労働相、原口総務相の4閣僚は23日、積み残しの課題についてそれぞれ協議した。政府は与党などと詰めの協議を行った上で、25日に政府案を閣議決定したい考えだ。

 医療行為や薬などの単価となる診療報酬は、医師の技術料などの「本体」と薬や医療材料などの「薬価」に分かれる。10年度は薬価を1・36%下げ、本体を1・55%上げる。診療報酬引き上げを受け、厚労省は、産科や救急など医師不足が指摘される分野への配分見直しに取り組む。

 厚労省によると、今回の引き上げで、医療費に投入される国費は年160億円増加。中小企業の平均的なサラリーマン(年収374万円)の場合、保険料は年285円、患者負担は月7・8円の増加となる。

 また、財務、厚労両省の23日の折衝で、〈1〉児童扶養手当を新たに父子家庭にも支給〈2〉生活保護費の母子加算を継続〈3〉肝炎患者への医療費助成を拡充――することなども決まった。

 地方交付税は、一般会計ベースでは前年度比約9000億円増の約17兆4800億円。地方財源の充実を訴えてきた原口総務相の主張が通った形だ。

 10年6月から支給が始まる子ども手当(10年度は1人あたり月1万3000円)の事業費は約2兆2550億円で、国が約1兆5000億円、地方が約6100億円、事業主が約1450億円をそれぞれ負担する。11年度以降の負担配分は来年、改めて検討する。

 高校授業料の実質無償化は所得制限なしで実施し、公立高については授業料を徴収しない。私立高については、公立高の授業料相当額(学生1人当たり年約12万円)を支給し、年収350万円未満の世帯には一定額を加算する。

 社民、国民新党は景気の悪化懸念などに対応する必要があるとして、一般会計の総額を95兆円程度とすることを求めている。

最終更新:12月23日22時9分

 

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診療報酬は「本体部分」と「薬価部分」に分けられることは良いとして。

診療報酬が全体で0.19%しかあがらないことも、この際はおいておきます。

 

「診療報酬の本体部分」=「医師の技術料など」

と、定義がはなから間違っています。

 

診療報酬は保険上の医療行為に対して医療機関に支払われる報酬のことであり、全てが医師の技術料のはずがありません。

 

2008年度診療報酬点数については http://social-s.jp/medical-ten-top.htmlを参照してください。

僕ら医師(特に勤務医)も実は自分の手術がどのくらいの点数なのか知らないことも多くて、これを見てびっくりすることも多々あります。

たいていは「えっ、こんなに少ないのか」ということですが。 

 

医療行為には医師の他に看護師、臨床検査技師、臨床工学技士、放射線技師、理学療法士、作業療法士、栄養士、事務員、その他多くのコメディカルが関与しています。

さらに医療行為を行うのに当たって様々な器械(たとえばCT、MRI、手術道具や人工呼吸器など)や器具(たとえば注射の針、点滴の器材、尿道のカテーテルなどなど)を用いて診療をおこなっています。

 

診療報酬の本体部分というのはそれらを全てひっくるめて計算されており、決して医師の技術料ではありません。

 

例えば(1点が10円で医療機関に入ってくる)

 

A002 外来診療料 70点

は医師が外来で患者さんを再診したときに医療機関に入ってくる報酬なのですが、

それを行うまでに関わっている人では

受付事務、看護師、医師でしょうか。

とすると70点(=700円)は医師の技術料とは言えません。

 

 

 

さらには

K655-2 胃切除術(悪性腫瘍) 42,600点

関わる人は

外科医×最低でも2人(麻酔科医は麻酔管理料で別)

看護師×2人

関わる道具は

手術器材(メス、電気メスなど)

点滴などの器材や尿道カテーテル、電気メスの対極板など

術野を作るための布など

術中には糸やガーゼなどの消耗品(ちなみに血管などを結紮するための吸収糸は1本200円ぐらい、それを手術では何十本と使う)。

などなど。

 

ざっと思い浮かぶものではこんなもの。

医療の道具は使い捨てのものがほとんどで、そのほとんどのものは診療報酬として請求できません(=胃切除術の診療報酬の中に含まれています)

しかし、もっともっとあると思います。

 

術前、術後に看護助手さんが入って手術室をきれいにしたり、考えてみると手術室や器械のメンテナンスなどの減価償却費も入れなくてはいけないかもしれません。

それらを全てひっくるめて胃癌の手術をしたときに、医療機関に入ってくる報酬が42万6000円です。

 

上記の記事だと、胃切除術の42600点(=42万6000円)はまるで全て医師の懐に入っているかのよう。

 

 

しかし本当はいろいろなものをひっくるめての報酬なのだということがいっこうに伝わってきません。

 

そのため「医者は儲けているくせに、まだ報酬を要求しているのか」という一般の人の誤解を招いています。

 

「新聞の売り上げ」=「記者の技術料など」

ではないでしょうが!!

 

 

どこの新聞も横並びで「診療報酬」=「医師の技術料」という間違ったことを言い続けています。

 

間違った定義を使い続けている人たちは次のどちらかなのでしょう。

 

① わざと間違っている。今度の診療報酬の改定は「医師の報酬を上げようとしている」という間違った考えを世論にすり込ませようとしている。

② ただ単純に間違っている。勉強していない、プロフェッショナルとしての自覚がない。

  

何度でもいいますが「診療報酬」は「医師の技術料」ではありません。

そのため、

 

「医師不足が叫ばれている産科や小児科の医師を確保する」ために「産科や小児科に重点的に診療報酬を上げる」ことは、産科医や小児科医の報酬が増えるわけではなく、産科や小児科を持つ医療機関の報酬が増えるだけで、そのほかの設備や赤字の補填に消えていくだけになると思います。

 

医療の集約化と病院数、ベッド数の削減はまだまだ続くでしょう。

病院や診療所の倒産が続き、大都市以外の地域では満足な医療が受けられなくなる日も近いかもしれません。

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