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激安ラーメン屋と診療報酬

イッシー31 / 2009.07.01 20:24 / 推薦数 : 11

こんなラーメン屋があったら、入りたいですか?

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ラーメン  100円

チャーシューメン 150円

チャーハン 80円

ギョーザ 50円

 

10年前はラーメンは650円、チャーシューメンは850円だったそうです。 

値段はそれなりではあったのですが、味にはそれなりに定評があったそうです。

 

約8年前にこのラーメン屋は金を払うはずのお客さんの代表が値段を決めることができるシステムにしたそうです。

だんだん値段が下がっていって、こんな値段になってしまいました。

ラーメン屋の店主はそれでもお客においしいラーメンを食べてもらえるように、なんとか材料費を切り詰め、パートのおばちゃんもリストラしてやりくりしてきました。

 

さらに昭和30年代に建てた店舗も古くなりました。

創業時から使っていた寸胴が壊れてしまいました。

 

店舗を新装することができません。

壊れた寸胴を買うことができません。

 

親父は町の人がラーメンを「おいしい」といって食べてくれるのがとてもうれしかったので、何とかおいしいラーメンを作って、町の人にラーメンを提供しようと頑張りました。

 

利尻産の昆布を使ってだしをとっていたスープをどこ産かわからない謎の昆布を使ってだしをとるようにしました。

麺も国産小麦を使ったこだわりの麺だったのが、どこで作られたかもわからない謎の麺を使って出すようにしました。

チャーシューは自家製だったのをスーパーのハムにしました。

 

それでもやはり、採算ラインぎりぎりです。へたすると店を開けていればいるだけ赤字になります。

 

それではやはり、お客さんからは、「親父、この店も味が落ちたねー」とか「こんなぼろい店、行ってられるか」という声が聞こえてきて、ぱったりと客足が減ってしまったようです。

 

それでもお客さんの代表は、このラーメン屋に客が入らないのはサービスが悪いからだといったり、

親父が横柄な態度をとっているからだとか、

店員の数が少ないからだとか、

店舗が汚いからだとか、

年中無休、24時間営業じゃないからだとか、

出前をやっていないからだとか、いってきます。

  

あまつさえ、ラーメンが期待していたほどおいしくなくて1週間後に下痢をしたといって損害賠償を求める客もでてきました。

 

人の好いラーメン屋の親父は、30年守り続けていたのれんを下ろしました。

 

(追記 2009/7/5 4:26) ラーメン屋の客足は遠のくどころかむしろ増えており、それは近くのラーメン屋も全てそのようなシステムとなっていて、経営が立ちゆかなくなってしまい、地域のラーメンを食べたくなった客が唯一開いているこのラーメン屋に来ている、としたほうがいいかもしれませんね。

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もうおわかりだと思いますが、ラーメン屋を病院、客の代表を国、客を患者さんと思って考えてください。

 

医療の値段はとても細かく国が決めており、診療報酬といいます。

ここに摩訶不思議な構造がうまれます。

 

ラーメンの値段の大部分を負担する人がラーメンの値段を決めているのです。

診療報酬を決めているのは国で、国は診療報酬を医療機関に払う立場です(この辺は厳密には違うのですが・・・)。

 

国が決める診療報酬は連続して下がり続けています。

2008年度の診療報酬改訂では、診療報酬の本体部分は0.38%アップしたのですが、材料費や薬剤費などを含めた全体は0.82%マイナスでした(ちなみに2006年度は3.16%、2004年は1.05%、2002年は2.07%のマイナス、2002年度から8年連続のマイナス改定)。

そして2010年には診療報酬の改定があります。

 

全国保険医団体連合会2010年の診療報酬改定は全体で10%UPを要望しています。

自民党の園田政調会長は「診療報酬UPを政権公約に」とはいっていますが、本当でしょうか。

財政審などは、「開業医への報酬を減らして勤務医へ増やそう」とか、「救急医療への集中投下を」とか言っています。

 

医療の高度化、細分化によって、国の医療費は上がり続けています。多くのラーメンに「鹿児島黒豚あぶり豚トロチャーシュー」が必要な状況になっています

いつまで豚トロチャーシューをスーパーのハムの値段で出さなくてはいけないのでしょうか。

 

今度の選挙の争点は知事達が火をつけた地方分権や、自民対民主の構造がクローズアップされそうです。

医療についてはおそらく、「救急医療の充実」「産科小児科の充実」などが叫ばれるでしょう。

今、医療経済は、どこかにお金を集中的に回して何とかなる状況ではなくなっています。

 

例えてみれば、大出血をしていて循環血漿量が減ってしまった人が末梢(手や足)の血管を締めて、脳などの重要臓器に血液を送ろうとしている状況でしょうか。

この状況を打開するためには、十分な循環血漿量を全身に補充するしかありません。重要な脳や肝臓だけに血液を送ってもいずれ他の臓器がやられて死んでしまします。

真っ先に末梢は壊死してしまします。 

 

「救急医療を充実する」とか「産科、小児科を充実する」というのは、必要なことで、実に聞こえが良いのですが、我々からすると、「それだけじゃ、基幹病院や地域の開業医はつぶれちゃうよ」としか思ってしまいます。

 

もうけ至上主義や不正をおこなう病院が取りざたされたりしていますが、全国のほとんどの病院や診療所は減っている診療報酬の中、なんとかやりくりしてまじめに経営を維持しています。

そして地域の医療を守っています。

救急医療を充実させても、その後のフォローアップをしてくれる地域の開業医や病院が無くてはいつまでたっても急性期病棟は空きません。

慢性疾患を定期的に見ていただいている開業医さんがいなくなると、基幹病院に慢性疾患患者が押し寄せ、勤務医は疲弊します。

開業医と勤務医の対立構造が好きな人が多いようですが、この両者がうまく回って地域医療が成り立っていることを我々は知らなくてはいけません。 

 

2010年診療報酬の改定はおそらく医療崩壊をさらに加速するか、食い止めるかの瀬戸際になるでしょう。

あまりクローズアップされていないし、国対地方、脱官僚、派遣問題、などなど問題が山積しているので、医療問題はその中に「こそっ」と紛れ込まされてしまうのでしょうね。

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