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また新聞の医療記事から引用。
最近こんなのばっかり。
イラストも描いていないなー。
ちょっと学会準備に追われているもので。
それでもちょっと長文になってしまいましたが。
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http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20090613ddlk14070279000c.html
4月中旬、老衰と脱水症状で救急搬送された父。受け入れ拒否の連続で6カ所目の病院に入院し、点滴治療を受けたものの、38度台の熱が約1カ月間下がらなかった。「このまま逝ってしまうのでは」と心配した▼「自分でものを食べられないというのは、生き物としての体を成していない」との主治医の説明。さらに「状態がさらに悪くなった場合、人工呼吸器などの延命処置をしますか。処置を求めないご家族も多いですが」と言われた。延命処置を求めたが、回復する可能性の話も聞かせてほしかった▼この1週間、幸い父の症状は安定した。しかし、口からものを食べるのはほんのわずかで、胃に穴を開けて栄養を補給している。主治医は転院先の話をし始めた▼次々やってくる重症患者のためにベッドを空けなければならないのは分かる。延命処置の確認も必要なことだ。だが、医療の現場が荒涼としていることを感じざるを得なかった。
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さて、まずは、記者さんのお父様の症状が安定してきていることは喜ばしいことです。つつがなく転院の段取りがついて、よい病院に転院されることを願っております。
まず、押さえておかなければならないことを挙げます。
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人間の体で嚥下をするという動作は非常に複雑な動作を伴って行われています。固体の食物を咀嚼し、舌の動きでで咽頭まで送り、それと同時に喉頭の動きによって気道をふさぎ、食道に食べ物を送り込みます。
健康な人はこの動作を無意識のうちに行うことができます。しかし、高齢になり嚥下に関する筋肉が落ちてきたり、咀嚼の力が弱くなったりしてくると、その複雑な動きができなくなってしまい、食べ物が気管の中に入ってしまいます。
そのため食べるたびにむせてしまいます。むせて気管に入ったものを外に出せるうちはよいのですが、だんだん繰り返しているうちに肺炎になってしまい、熱が出たり、全身が衰弱してしまい、悪循環に陥ってしまいます。さらに嚥下機能が低下してしまうと自分の唾液さえも気管に入ってしまい、食事をとったりしてもいないのに肺炎をくりかえしてしまいます。
食べ物が食べられなくなった動物は衰弱して死んでいきます。「動物の体をなしていない」と主治医が言ったのかもしれませんが、それは間違いではないと思います。言い方や受け取り方によっても変わってくるでしょう。
それはそうと
このことはあまり一般の人はご存じないのではないでしょうか。
われわれも終末期の患者さんや超高齢者の患者さんを受け持つことが多いのですが、嚥下の機能が落ちて食事が食べられなくなってしまう方が多いです。
そのときに以上のことを説明するのですが、なかなか理解いただけないようです。
そして、医師や看護師は「食事を食べてもらって退院してもらいたい」と思っています。
なんとか、嚥下しやすいような食形態にしたり、嚥下の訓練をしたり、ゆっくり時間をかけて食事介助したりすることで経口摂取を目指してやっていきます。
それでも発熱、肺炎を繰り返して結果的に胃瘻や経鼻胃管をいれるという選択肢をとらざるを得ないものなのです。
呼吸状態が悪化したときには気管挿管といって気管の中に管をつっこんで、強制的に呼吸をさせます。
気管挿管をしたときには人工呼吸器につなげるか、手でバッグをもんで空気を強制的に送り込むかのどちらかなのですが、人工呼吸器につなげるといくら家族が外してくれと言ってもはずせません。
そのため、呼吸状態が悪くなったときは延命処置の確認が取れていない以上は挿管しても家族が来るまではバッグを手で揉んでいなければいけないことになります。
さらに高齢者の肺炎で人工呼吸器管理になってしまうと回復の見込みはほとんどありません。
入院したときには「いつ、何時そのようなことが起こるかもしれません。お気持ちの整理をつけておくように」という意味で、基本的には厳しい説明をします。
長期間に入院して治療やリハビリが必要な患者さんは療養型の病床がある病院で治療する必要があります。
さらに長期入院が増えると急性期病床を占拠してしまい、この記者さんのお父様のような急病の方を受け入れることができなくなります。
3ヶ月以上入院していると1日の入院費が急に下がって病院が赤字になります。
もっというと、長期療養型の病床がある病院も現在ばたばたとつぶれていて、どこもいっぱいです。
そのため、1ヶ月治療をして病状が安定したところで転院の話をするのは至極妥当なところです。
入院してすぐに転院先を探し始める病院もあります。
先の選挙で大勝した人たちが社会保障費の年2200億円抑制を掲げて医療費削減を行っている成果です。
記者さん達の上司のお仲間たちが、「骨太の方針」は堅持していくことを再確認していましたが、荒涼とさせている原因は誰だといいたいのでしょうか。
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このあたりのことがわかっていて書いている文章とは思えません。
あきらかに
ということを書いているだけでその背景にあることを考えていませんね。
そして、お父様の病状を安定させてくれた医療従事者(医師、看護師、その他)に対する患者の気持ちが全く見えません。
字数の制限があるとしても、とても文章のプロが書いたとは思えない日記、随筆の類で、僕のこのブログと大して変わりありません。
荒涼としているその原因が何かを考察してこその新聞なのではないでしょうか。
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最後の一文
この一文の後にこんな言葉を入れておけばよかったのに。