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「やっぱり」の再発だけど。

イッシー31 / 2009.06.12 01:13 / 推薦数 : 3

僕が胃を切り始めた頃(ちょうど2年前ぐらい)の胃癌の患者さんが、再発して入院してきました。

数ヶ月前に再発が見つかったのですが、抗癌剤も数回は行ったものの副作用の方が強く断念しました。

再発は急速に彼の体をむしばんでいるようです。

 

元々進行癌でリンパ節転移なんかもあったので、出てくるだろうなーって思っていたので「やっぱり」って感じはするのですが、それでも、術後の経過が順調で年齢(80代前半)のわりにとても元気だったので大丈夫かな?って思っていた頃でした。

 

今から考えてみると「あそこのリンパ節郭清をもっとアグレッシブにやっておけば」とか「切除マージンをもっと取っておけば」とかいろいろ出てきます。

ガンの治療をしている以上、再発は避けることができないものなのですが、やはり自分が手術をした患者さんで再発するととても悔しい思いになります。

「もともと進行していたから」という一言ですませてしまうのは簡単です。

しかし、それだけでは片付けられないものがあります。

 

アメリカでは癌の治療も分業制で診断は内科医、手術は外科医、補助化学療法や再発後の化学療法は腫瘍内科医、終末期は緩和ケア医となっています。 

日本では診断は内科医がするとはいえ、手術から、補助化学療法、再発後の化学療法、終末期まで外科医が見ることが多いです。

いまでこそ緩和ケアや腫瘍内科という形での分業やチームでの関わりが増えてはきていますが、実際は外科医や普通の内科医が終末期を看取っています。

 

外科医は手術をしていればよいという考えもあるかもしれませんが、やはり再発した患者さんと向き合うことが無ければ、次の手術につなげることができないように思います。

あそこの郭清が・・・とか、切除断端が・・・とか、再建術式が・・・とか、術後化学療法が・・・とかいろいろなことを術後の患者さんは教えてくれます。

 

彼は年齢的には強力な化学療法を行うことは実際は不可能なので、これからは緩和医療になっていくでしょう。

おそらく胃癌の再発によるなんらかの原因で亡くなる可能性が高いと思います。

 

終末期の患者さんを診察していると、多くのことを学ばせていただきます。

それらの多くは自分が手術して、自分が外来で見ていて、話して、検査結果にお互い一喜一憂していないと、わからないかもしれません。

 

これから数ヶ月(数週間、数日かもしれませんが)は、彼と命と自分の治療法について向き合うことができる日が続くと思います。

そして彼が最後の時間を有意義に過ごすことができるように関わっていけたらなと思っています。

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イッシー31先生の様なドクターに診て貰っている患者さんは幸せです!
小生、現役時代、抗癌剤の開発も担当し、又、父を胃癌肝転移で見送りました。薬問屋に勤務していた父は、『昔、丹毒に罹ったから癌にはならない』の迷信を信じ、胃の痛みを、ロートエキス製剤を勝手に飲み、抑えていました。食事が詰り始め、受診した時には完全に手遅れで、肝臓は潰れていました。父との付き合いが長い教授の『一度だけ、美味い物を食べさせよう』との計らいで、胃を半分だけ切除して貰いました。在宅療養2年の後、
再入院し、3ヵ月後、眠るように亡くなりましたが、この間の、医局を挙げてのフォロー、今でも感謝で一杯です。『余命は神のみぞ知る』レベルになってからの加療は、痛み、苦しみを与えないことしか出来ませんが、家族に対しての治療としては、それが最高の治療と25年経った今でも感じて居ます。研修医の先生方との懇談の場で、よく話した昔話で恐縮です。
written by kadoji / 2009.06.12 11:52
>Kadoji様
ありがとうございます。
なかなか、終末期になってしまった患者さんとの関わりは難しいものがありますね。
だんだん弱っていったり、患者さんの焦りや不安が見えてきたりすると、僕も病室に足が遠のいてしまうことも事実です。向き合って行こうという自分の気持ちと、なんだか行きたくないなーっていう相反する気持ちが入り交じってしまいます。そんな気持ちって患者さんに伝わってしまうんでしょうね。
お父様も食事が食べられて、ゆっくりと亡くなられて、さらにkadoji様のように思っていただいて幸せだったのではないでしょうか。25年も経ってもそのことを思い出させてもらえるお父様はとっても幸せで、Kadoji様に大きなものを残せたと思います。
written by イッシー31 / 2009.06.14 23:51

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