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< 点滴をさすということ | メイン | 虫垂炎定食② >
1歳娘の点滴に腐敗させた水を混入し殺人未遂容疑で母親逮捕という事件がありました。
まだ逮捕段階なのでなんともいえませんが、本当であれば何とも恐ろしいことです。お子さんのことが心配です。
さて、この話を耳にして、思い出した話を一つ。
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僕は用事があって救急外来から売店に向かって歩いていました。
その間には公衆電話があり、救急車で運ばれた家族が興奮しながら電話をかけていました。
「おじいちゃんが、朝起きてこなくって、叩いても起きないから私、救急車を呼んだの!!」
僕は盗み聞きをする趣味はないのですが、あまりにも大きな声でしゃべっているので、つい耳をそばだてて聞いていました。
(ははーん、意識障害で運ばれた患者さんのご家族だな。どうなったんだろう?)
「全然反応がないから、救急車で○○病院(うちの病院)に来て、診察してもらったの。
それで、なにか注射を打ったらすぐに目を覚ましたのよ!!
よかったわー」
(なるほど、おそらく、低血糖発作による意識障害でブドウ糖の静注で意識が回復したんだろうな)
「なんていう注射だったかしら、えーっと、えーっと、
ぶ、ぶ、ぶ・・・」
(ブドウ糖でしょ?)
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低血糖の人に「ブドウ糖」ではなく「ブドウ球菌」を注射したら意識は戻らず、そのままあちらの世界に連れて行かれてしまいます・・・。
そして「ブドウ球菌」を注射したうちの病院の救急当直医は殺人容疑(あえて業務上過失致死ではない)で逮捕されてしまいます・・・。
(補足)特に糖尿病などの治療中で血糖降下薬を飲んでいる方などは血液中のブドウ糖の濃度が下がりすぎて意識障害などをきたすことがあります(その他の原因で低血糖になることもあります)。意識障害で運ばれてきた人には血糖をはかり、もし低かったらブドウ糖を注射することで、意識障害の原因が低血糖であるならば意識が回復します。
「ブドウ球菌」の中の代表的なものは、例えば黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)で、ヒトや動物の皮膚、消化管常在菌(腸内細菌)です。膿瘍等の様々な表皮感染症や食中毒、また肺炎、髄膜炎、敗血症等の感染症の起因菌です。他にも表皮ブドウ球菌などがあります。普通にそこら中にいる菌ですが、大量に血液中に入ったり、感染しているのを放置すると致死的になります。
ご家族の方もきっと突然のことで気が動転していたんでしょう。しょうがないと思います。
言い間違いは誰にでもあることなのですが、びっくりして記憶に残ってしまいました。
関係者の方がいらっしゃったら、お気を悪くなさらないでください。
ただ、糖尿病で治療をしている患者さんがいるうちのご家族ならば(あくまでもその辺は想像で、糖尿病で治療中だったかどうかもわからないのですが)、「ブドウ糖」という重要なキーワードをまちがっちゃあいけないと思いますよ。
先日の恐ろしい事件を聞いて、そんなことを思い出してしまいました。
さて現在当直中。
クリスマスも終わり、今のところ平和なのでブログのアップが出来ました。
このまま平和な夜でありますように・・・。
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コメント
コメント一覧
当直お疲れ様です。
今晩は、だんだん冷え込んできました。
お体ご自愛くださいませ。
もうすぐ休みに入りますね。
待ちに待った奥様とお嬢様に会えますね。
1歳娘の点滴に腐敗水混入事件、
経緯不明ですが哀しいですね。
こんばんは。
ほんとに寒くなりました。これから忘年会です。当直開けの体にアルコールはかなり効きそうです。
>待ちに待った奥様とお嬢様に会えますね。
そうなんです。ありがとうございます。もう少し帰れない(泣)のですが、年末には帰りたいと思っています。
ほんとに寒くなってきたので道で滑らないように安全運転で帰りたいと思います。
自分ではブドウ糖って言ってるつもりだったりして。。。
点滴や注射は、血管が細いので、つい、じーっと見ちゃいます(笑)
術後はものすごい点滴の嵐ですから、青あざがいっぱいで、薬物中毒の人みたいで怪しい腕です(泣)
手術室に入る前、手首近くの太い血管に、これまた太い針を刺したままになるんですが、あれが一番痛いですね。
背中に刺す麻酔のやつより痛い。。。
ありがとうございます。
だいたいみんなルートを取るときに重要視するのは次のようなことなんです。
①手を動かす邪魔にならないか?
②とりやすいか?
この2つを同時に満たすことはなかなか難しいのです。
点滴が漏れやすい人は①が重要になりますし、ルートがとりにくい人は②が重要になります。
ルート確保は「いい血管を見つける」ということが重要ということだと思っています。
Kei☆さんのほっそーい血管を一度拝見したいものです(笑)。手首のところは痛いですよね、手も動かしにくくなるし。だけどしょうがないときは、僕もそこをさしてしまいます。
なかなかこればっかりは我慢していただくしかないかと・・・。
あと新卒の医師、看護師が増える4月5月は要注意です。
この時期には病気になって入院しないようにしたいものだと常々思っちゃいます(笑)。
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