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Doctors Blog

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点滴に汚染水混入

イッシー31 / 2008.12.25 23:40 / 推薦数 : 0

1歳娘の点滴に腐敗させた水を混入し殺人未遂容疑で母親逮捕という事件がありました。

まだ逮捕段階なのでなんともいえませんが、本当であれば何とも恐ろしいことです。お子さんのことが心配です。

 

さて、この話を耳にして、思い出した話を一つ。

 

---------------------

僕は用事があって救急外来から売店に向かって歩いていました。

その間には公衆電話があり、救急車で運ばれた家族が興奮しながら電話をかけていました。

「おじいちゃんが、朝起きてこなくって、叩いても起きないから私、救急車を呼んだの!!」

僕は盗み聞きをする趣味はないのですが、あまりにも大きな声でしゃべっているので、つい耳をそばだてて聞いていました。

(ははーん、意識障害で運ばれた患者さんのご家族だな。どうなったんだろう?)

「全然反応がないから、救急車で○○病院(うちの病院)に来て、診察してもらったの。

それで、なにか注射を打ったらすぐに目を覚ましたのよ!!

よかったわー」

 

(なるほど、おそらく、低血糖発作による意識障害でブドウ糖の静注で意識が回復したんだろうな)

 

「なんていう注射だったかしら、えーっと、えーっと、

ぶ、ぶ、ぶ・・・」

 

(ブドウ糖でしょ?)

 

「そう、ブドウ球菌!!」

-----------------------

 

低血糖の人に「ブドウ糖」ではなく「ブドウ球菌」を注射したら意識は戻らず、そのままあちらの世界に連れて行かれてしまいます・・・。

そして「ブドウ球菌」を注射したうちの病院の救急当直医は殺人容疑(あえて業務上過失致死ではない)で逮捕されてしまいます・・・。

(補足)特に糖尿病などの治療中で血糖降下薬を飲んでいる方などは血液中のブドウ糖の濃度が下がりすぎて意識障害などをきたすことがあります(その他の原因で低血糖になることもあります)。意識障害で運ばれてきた人には血糖をはかり、もし低かったらブドウ糖を注射することで、意識障害の原因が低血糖であるならば意識が回復します。
「ブドウ球菌」の中の代表的なものは、例えば黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)で、ヒトや動物の皮膚、消化管常在菌(腸内細菌)です。膿瘍等の様々な表皮感染症や食中毒、また肺炎、髄膜炎、敗血症等の感染症の起因菌です。他にも表皮ブドウ球菌などがあります。普通にそこら中にいる菌ですが、大量に血液中に入ったり、感染しているのを放置すると致死的になります。

ご家族の方もきっと突然のことで気が動転していたんでしょう。しょうがないと思います。

言い間違いは誰にでもあることなのですが、びっくりして記憶に残ってしまいました。

関係者の方がいらっしゃったら、お気を悪くなさらないでください。

 

ただ、糖尿病で治療をしている患者さんがいるうちのご家族ならば(あくまでもその辺は想像で、糖尿病で治療中だったかどうかもわからないのですが)、「ブドウ糖」という重要なキーワードをまちがっちゃあいけないと思いますよ。

 

先日の恐ろしい事件を聞いて、そんなことを思い出してしまいました。

 

さて現在当直中。

クリスマスも終わり、今のところ平和なのでブログのアップが出来ました。

このまま平和な夜でありますように・・・。

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点滴をさすということ

イッシー31 / 2008.12.25 00:52 / 推薦数 : 3

点滴をさすという作業は簡単そうに見えて職人技です。

点滴をさすといことをルートを確保すると言ったりします。

 

太い血管、細い血管、もろい血管、硬い血管、動く血管、いろいろあります。

またさされる患者さんもいろいろいらっしゃいます。

にこにこしている人、じっと見つめてくる人、あっちを向いている人、すごんでくる人、「絶対に一回で入れて」とプレッシャーをかけてくる人、意識がない人、血管が龍の鱗の中にある人、そっこーでルートをとらないと死んでしまう人さまざまです。

 

研修医になりたてのときは患者さんのルート確保が、患者さんに侵襲を加える一番はじめになります。

点滴一本とるのでも汗だくになっていました。

さすがに最近は点滴ルートをとることにプレッシャーはかんじなくなってきたのですが、やはりそれでもプレッシャーがかかるときはあります。

最近は結構細い血管にもいい感じに入れられると自負しているのですが、やっぱり入らないときは入らないです。

 

点滴をさされる患者さんに言っておきたいことがあります。

これからルートをとろうとしている、医者、看護師には「絶対に一回で入れて」とかは言わないでください。

ただでさえプレッシャーになります。

そして何回かはずれてしまったときは優しく言ってください。

「人を替えてやってみたら?」

 

ルートをとる人を替えるとさくっと点滴が入ることが多いです。

失敗するとどんどんプレッシャーが強くなって頭に血が上ってルートがとれなくなってしまうのです。

ルートがとれなくて困っている人に「人を替えて」と頼むのはある意味優しさなのです。 

 

プレッシャーをはねのけて仕事ができる人をプロフェッショナルと言います。

ルート確保のプロフェッショナルへの、道は険しいのです。

 

たかがルート確保、されどルート確保です。

 

おいらが下痢をして点滴をされたとき3回失敗されました。顔では笑っているつもりでしたがやっぱり顔は笑っていなかったと周りはいっていました。

脱水でとりにくかったらしいです。肉に血管が埋もれていたからではありません。

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