東京で仕事が終わると雑踏と仕事疲れのダブルパンチで、新幹線の中で本を読もうという気には、まずなりません。東京行きの新幹線で読みかけた推理小説が物語の佳境であっても、カバンからそれを取り出すことはないのです。
そんな時のつよい味方が車内販売のおねえさんが運んでくる「ウイスキー」。「ローヤルと山崎がございますが。。」と聞かれると、必ず山崎にしてしまいます。プラスチックのグラスはちょっと興ざめだけれど、大きめの氷を3個ほど入れてくれ、ミネラルウォーターつきです。自分でコクコクコクと注いでつくる新幹線の中の水割りは、疲れた体と頭にはとても甘くておいしいのです。実はあの50ml入りのミニチュアボトルには普通に売られている700mlのボトルの中身とはものが違うものがはいっているんじゃないかと密かに思っています。ウイスキーの味わいは体調によってずいぶん変わることは知っているのですが、そう思いたくなるほどおいしいってことです。。。
おつまみはスモークチーズ。新幹線の車内販売だからといって馬鹿にしてはいけません。しっかりとした味と香りの優秀なチーズでとてもおいしいのです。本当は「柿ピー」がいいのですが、隣で寝ているかたが、カリカリという音で目を覚まさないように、気を遣って音のしないチーズにしているなどとは、誰も気がつかないでしょうね。

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旅する外科医としてはお恥ずかしいのですが、実は東京はよくわかりません。いつも東京フォーラムか、京王プラザか、良くて築地周辺ですから、新しいところに足を踏み入れることがないのです。たまに新しい所へ行くにしても地下鉄で「ゴー」っと移動してしまうと絶対的な距離感がわからなくて、平面で理解できないのです。
よくわかっているのは東京駅だけ。駅のなかをうろうろしていると結構良いお店もあります。実は黒塀横町なんか好きではいってみたいのですが、時間帯が中途半端でいつも店が休憩中か、お客さんがいなくてはいりづらいのです。
そんなこんなで、昔から東京にいったら必ず立ち寄るのが、東京駅一番街の紀どりという店です。迷路のような東京駅の中で、ここもはじめはなかなかたどり着けませんでした。
変な時間帯に行くのですが、いつもオープンしていて誰か必ずお客さんがいます。それも旅する外科医のように一人客が多いのです。駅の中としては少々高値ですが、築地直行の旬の材料がいろいろあります。東京駅に着いたら一時間ほど先の指定席をとって、おもむろに店に入り、ちょっと一休み、本日のご苦労に対するご褒美です。こんな時はやっぱり日本酒かな。今日はヒラメの薄造りと八海山にしました。

満足満足!
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