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「誰がために売る」

夢見る掃除人 / 2009.07.24 12:19 / 推薦数 : 2

 

東京下町・小料理屋ものがたり

  

第四回「誰がために売る」

 

です。

 

***

  

料理人が作った料理を持って行くのが、

ホールのアルバイト。

   

簡単なことです。

お皿を持って行く。

そして、片付ける。

誰でもできますもん。

  

余ったものは、ゴミ箱にきちんと捨てるだけです。

燃えるゴミ。燃えないゴミ。ビンと残飯と紙類。

それぞれのボックスに。

高等教育を受けていますから、

こんなこと簡単です。

わけないです。

  

ま。退屈?っていうのかしら。

忙しくないとき。

ひま?

だるい?

カレシーとか、お服さんとか、旅行とか。。。

気になります。

あしたの天気とか。

  

***

  

お腹がすいて食べに来るのがお客様。

おいしい料理なら、文句無しのはずです。

  

商売繁盛のはずです。

他に、何が必要というのでしょう。

  

ちょっと割のいいサービスチケット?

気の利いた照明?

流行りのBGM?

  

上品な箸置き?

立派な印刷の両開きメニュー?

お好みのスパイスチョイス?

  

そーゆーこともいいいかも。

でも、何度も言いますが、

  

致命的なのです。

  

ホールのバイトは、

「お客様の。。。顔。覚えていません。」

「料理のお皿に誰が何を残したか?。。。見ていません。」

「誰が何をいつも頼むか、覚える気もありません。」

「常連さんの頼むメニューが急に変わったことに気付きません。気づいても料理長に報告はしません。」

  

お客様の「顔と注文料理」がつながっていません。

お客様の変化が料理長に届きません。

  

顔を覚えるなんて。。。

そんな面倒な神経衰弱。

  

お客様の変化を報告するなんて、

そんなエキストラな料理長へのサービス。。。

  

本気でやってもお給与は同じだし。。。

売上?

関係ないです。

経営者じゃないんですから。

  

***

  

イイ料理。

元気なバイトの子。

売上は少しずつ伸びていきました。

忙しくなってきました。

  

料理長は、人材を募集しました。

また、イイ子が入って来ました。

  

そんな順風満帆。

お店はしずかに崩壊へと向かって行ったのでした。

  

。。。つづく

 

   

  ***By ゆめみ***

   ---   July 24, 2009   ---

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