夢見る掃除人 / 2009.07.22 13:00 / 推薦数 : 2
東京下町・小料理屋ものがたり
第二回「そんなの知らない」
です。
***
「あ。これ。お願いね。」
「あ。はい。」
「これ持ってって。早く。」
「。。。あ。はい。」
純情派アルバイトガール。
生活のタシ、自分探しのアルバイト。
フリーペーパーで見つけたイイ・バイト。
一所懸命。それなりに。
言われるままに。文句も言わず。。。
だって、バイトですもの。
料理長がイイ子をバイトに雇ったそうです。
確かにイイ子です。
つぶらなひとみ。
料理長はこのお店をはじめて生き生きしてます。
料理もうまい。
よそで修業してきたらしい。
まだ、若い。
でも、そーこーしているうち、傾きました。
お店が。
?
なぜ?
料理もうまい。
イイ子バイトに雇って。。。
何が悪かったの?
「知らない」んです。
バイトの子。
なにを?
とっても大切なこと。。。
どんな大切なこと?
料理。。。
当たり前じゃん。料理作るのが仕事じゃないんだから。。。
知らなくて。
***
「おいしい~これ。」
「。。。」
「料理長って、どこでこんな料理考え付いたのかしらん~」
「・・。。。」
「一番おいしいお勧めは?」
「。。。あ。。。ん~」
愛想がないんです。
知らないから。
店長の料理を食べたこともありません。
食べたかもしれませんが、好きではありません。
店長がどんな料理を自慢しているか、知りません。
聴く気もないし、何を聞いてイイかも知りません。
客がお世辞を言っても褒めても返答できません。
知らないから。。。
っていうか、料理に興味がないんです。
。。。致命的です。
知らないと、愛想もでません。
食べてもらって「うれしい」「よかった」もありません。
お客が来てくれて「感謝」することもありません。
お客が来ようが来まいが「知らない」ということになります。
お店の看板は立派です。
でも、肝心の看板が何も「知らない」のです。
料理長はお店の奥でモクモクと作り続けています。
料理長は、調理場の外で何が起きているか。。。
「知らない」んです。
。。。危ないです。
。。。つづく
***By ゆめみ***
--- July 22,2009 ---
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