夢見る掃除人
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2012/02 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29

新着コメント

新着トラックバック

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< 「亀田事件簿File-3」 | メイン | 「今年の呪い・一文字」 >

「学位謝礼のお値段」

夢見る掃除人 / 2008.12.13 17:27 / 推薦数 : 3

  

  

  

  「しゃれいにならないよ」

  

  

  

博士号もそろそろ追い込みの季節。

で。どーする?

  

  

博士号で謝礼金が動いているのは昔から?

謝礼と賄賂はどこが違う?

悩んでいる人がいたら、以下、参考までに。どうぞ。

 

 ***

教授が13人の大学院生から計270万円をもらった。 

名古屋地検がすっぱ抜いた。

裁判沙汰になった。

2008年7月8日教授に懲役2年、執行猶予3年、追徴金270万円。

被告教授は控訴せず判決は確定した。

  

一方、贈賄側の13人の学位取得者(大学院生)は、起訴猶予でした。公務員ではないからです。名古屋市立大も、学位取り消し処分はしなかった。

  

一般に、贈収賄とは、公務員の汚職を取り締まるものです。

刑法197条、198条をみてみましょう。(↓)

  

***

  単純収賄罪(197条1項前段)  公務員・仲裁人がその職務に関し賄賂を要求、約束しまたは受け取った時に成立します。いくら裏金だとか不正だとしても公務員・仲裁人でなければ収賄罪は成立しません。
 なお、賄賂に関する罪は、単純収賄罪だけだと抜け道があるので、抜け道を防ぐために複雑な規定になっています。
 5年以下の懲役。

 

  受託収賄罪(197条1項後段)  公務員として一定の行為をすることを依頼されて賄賂を要求、約束しまたは受け取った時に成立します。その一定の行為が違法か合法かは一切問いません。
 ある意味賄賂罪の基本型です。
 7年以下の懲役。

 

  事前収賄罪(197条2項)  受託収賄罪は、現に公務員か仲裁人であることが必要ですが、これから公務員・仲裁人になろうとしている人が、将来公務員になった時にはということで受託収賄罪にあてはまる行為をした場合に、後に公務員・仲裁人になった時点で本罪が成立します。
 5年以下の懲役。

  

 第三者供賄罪(197条の2)  受託収賄罪は、自分が賄賂を受け取る主体であることが必要ですが、自分ではなく第3者に賄賂を受け取らせるようにした場合に成立するのが本罪です。
 5年以下の懲役。

 

 加重収賄罪(197条の3第1項、第2項)  公務員・仲裁人が単純収賄罪・受託収賄罪・事前収賄罪・第三者供賄罪をした上、不正な行為をしたり相当の行為をしなかった場合に成立します。受託収賄罪で要求される一定の行為にはその行為の正不正は関係ないのですが、不正が現に行われた場合にさらに重く処罰するための規定です。また抜け穴を防ぐため順番が逆の場合、すなわち先に行為があってその行為について単純収賄罪・受託収賄罪・事前収賄罪・第三者供賄罪にあたる行為をした場合にも成立します。
 1年以上の有期懲役。

 

 事後収賄罪(197条の3第3項)  いわば加重収賄罪の手順前後のパターンです。公務員・仲裁人が一定の行為をすることを依頼され、実際に不正な行為をしたり相当の行為をせず、その職から離れた後で、単純収賄罪・受託収賄罪・事前収賄罪・第三者供賄罪にあたる行為をした場合に成立します。
 5年以下の懲役。

 

 あっせん収賄罪(197条の4)  加重収賄罪は、自分がその行為をすることが要件となりますが、自分がやるのではなく他の公務員にやらせる場合で、賄賂がその報酬の性格を持つ場合に本罪が成立します。
 5年以下の有期懲役。

 

 贈賄罪(198条)  相手に以上までで見てきた賄賂に関する罪が成立するような場合に、受け取る側だけではなく贈る側も処罰するためにあるのがこの条文です。
 3年以下の懲役、250万円以下の罰金。
 

***

およそ一人から20万円は、博士号の値段としては安いでしょうか、高いでしょうか。どうでもいいです。そんなこと。出す方も自発的に学位を返上したら?

恥ずかしいでしょ?シュウチシン(羞恥心)という自責の念も罰のうち。

ま。執行猶予がつくと、没収金取られるだけのザル法です。

  

***

ちなみに、お隣の国(中国)ではどうなっているでしょう。

ザル法に憲法違反の(日本で言う)上告をしたら、蹴られたらしい。(↓)

 

 憲法裁判所「公務員収賄、懲役刑は正当」 

 国家人権委員会の事務官だったシン某氏(40)は2007年の第1審で懲役6カ月執行猶予1年(追徴金300万ウォン=約30万4000円)を言い渡された。2006年に市民から「息子が国家有功者になれるようにしてほしい」という要請とともに、300万ウォンのわいろを受けとった疑いであった。
 
しかし、シン氏は控訴すると同時に、憲法裁判所に憲法訴訟を出した。「公務員の贈収賄罪に罰金刑がなく、懲役刑と資格停止刑しか規定されていないのは幸福追及権と平等権を侵害する」という理由であった。
 
現行刑法(129条第1項)は「公務員がその職務に関し、わいろを授受、要求、約束をした際には5年以下の懲役または10年以下の資格停止に処する」と定めている。
 
憲法裁判所全員裁判部はシン氏の憲法訴訟を9人の裁判官が全員一致で棄却したと8日、明らかにした。該当の刑法条項は合憲だというのだ。
 
裁判所は決定文で「公務員は国民に対する奉仕者として国民に対して責任を負うように憲法に規定されているので、刑法該当の条項は公務員の職務遂行の適正性から、正当性が認められる」とし「職務に関し、賄賂を受けとった公務員は罪質も責任も軽くならないため、懲役刑や資格停止刑として処罰されるからと言って苛酷だとは思われない」と明らかにした。

***

  

  

「ザル法こそが憲法違反だ」と、いえば、せめて歴史には残ったかもしれません。

  

***By   忍者・ザル掬いの術「ゆめみ」

 

固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)

トラックバック

この記事のトラックバック URL

http://blog.m3.com/flyingmedicords/20081213/1/trackback

コメント

コメント一覧

忍者・ザル掬いの術「ゆめみ」医学博士先生

9年苦労して、論文書かれた人にすれば、おかしな判決と同感します。それも、無給に近い状態でがまんされた医師としては。
written by DAICHAN / 2008.12.13 18:02
DAICHAN 先生
忘れていたこと思い出したわ。
でも、生き生きしてましたん。
一銭もあげなかったけど、恨む人はいなかったわ。
written by 夢見る掃除人 / 2008.12.13 18:07
 私も数年前に社会人特別選抜とやらで大学院に通って学位を取りましたが、やっぱり一円も贈りませんでした。世間知らずだったから慣例があることを知ってはいましたが無視しちゃった(^^;)。ふ〜ん、そのへんが“相場”だったんですか。知らなかったなあ。
written by おかだ / 2008.12.14 09:36
おかだ先生

無視するのが一番です。

本人から指導教官や審査員に何かがわたるというのは厳に慎むべきであり、公務員の収賄罪があるかぎり、取りしまりの対象であって当然です。

20マンが相場というわけではないようです。実態は良く分かりません。でも、いくら払うか悩んでいるような人は、いいものが書けないようです。途中で挫折しています。
written by 夢見る掃除人 / 2008.12.15 14:29

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。