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夢見る掃除人 / 2008.10.09 05:15 / 推薦数 : 2
「抜き取られた時間」
祖父の愛した人の写真が、
一枚だけ残っています。
わたしの手帳に。
可愛いわよ。とっても。見る?
和服を着てるの。ほら。
笑ってるの。おどけながら。
女の子に生まれたことを、体全体で喜んでるみたい。
誰に向っておどけているのかしら。ふふ。この子ったら。
わたしの「逃げた男」の写真と、その子の写真を、二枚並べて私はお話しています。
冬の湖に身を投げた、祖父が愛したその人は、
わたしの遺伝子の中に生きているらしいの。
そんなことはいいんだけど。。。
でも、いつも思うんだけど。
なぜ、写真が一枚しかないの?
知っているかもしれません。
その子に聞けば。
何枚も、何枚もあったんでしょう?
たくさん。物語ができるほど。
でも、分厚い冊子の中に、その痕跡を見つけることができません。
誰かが抜き取った跡があるんです。
誰が、いつ、何を抜き取ったかは、今も分かりません。
ねぇ。きっと、あなたが燃やしてしまったんでしょう?
それとも、冷たい湖の底に眠っているの?
*****By ゆめみ
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