夢見る掃除人 / 2007.10.26 21:15 / 推薦数 : 1
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妖怪魔餓神 八脚攻め落とし その五:
「少年法の刑事責任年齢の引き下げの改正法案可決わずか4日前の発刊が意味するもの」
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空飛ぶ探偵事務所から
少年法では、満20歳未満の犯罪少年は、たとえ刑法で処罰されるべき犯罪を犯しても、まだこれからの人生がある、未来があるということで、「人格の可塑性」を信じて、成人同様の刑事罰を下すのではなく、死刑判決は無期刑、無期刑は有期刑へとそれぞれ量刑を緩和するとともに、少年院、児童支援施設、養護施設などで矯正教育を施し、更生させる道を与えるという社会保障法としての性格が明確にされている。
少年犯罪の審理は非公開であるとともに、実名、年齢、職業、容貌などが、週刊誌、出版物、報道で公開されることを禁じている。
少年犯罪の低年齢化と凶悪化の傾向が高まりつつある中で、また、被害者、遺族への説明や審理の結果の通知もなく、精神的な救済がないことが問題であるという世論が広がり、平成13年4月に、改正少年法が施行され、非公開性が一部改正され、被害者・遺族への処分結果の通知されるともに、審理記録の一部閲覧、コピーが可能になった。しかし、第三者への記録の公開は禁止されている。
なお、刑事責任年齢については、改正少年法では、それまで16歳以上に原則限定されていた刑事裁判(検察送致)が14歳に引き下げられ、つづく平成19年5月25日には刑事責任年齢が、14歳から「おおむね12歳」にさらに引き下げる改正法案が成立し、19年11月1日より、施行される予定である。なお、「おおむね12歳」というあいまいな表現であるが、犯罪の凶悪、重大性いかんでは11歳まで刑事処分が可能になるというのが法務大臣の解釈である。
ちなみに、諸外国における刑事責任年齢は、アメリカの7歳以上(但し、州によって異なる)、イギリスで10歳以上、カナダ12歳以上、フランス13歳以上、他、多くの国で14歳以上と定めており、このたび11月1日から施行される改正は、世界的にも厳しいレベルにまで責任年齢が引き下げられたことが分かる。
さて、このたびの「僕はパパを殺すことに決めた」(講談社、平成19年5月21日月曜日発刊)は、こうした改正少年法の一部改正法案が可決する5月25日金曜日のわずか4日前の発刊であったことは単なる偶然ではなく、注目度で週末日曜の購買を誘導しようとする「メディア売上至上主義」が強く背景にあったものと推測されて当然である。単行本のキャッチフレーズが、ご存じのように「社会に真相を伝えることの意義」であるが、供述調書などの内部資料をそのまま転記(引用)した暴露本を、時期に合わせて早急に?十分な配慮も承諾もなく公表しても、世論が本来期待している少年犯罪の減少と再発防止につながるかは大変疑問である。むしろ、遺族のプライバシーの侵害という新たな「メディア被害」を生むばかりである。少年のプライバシーや更生にも全く配慮しないこうした異常な暴露本は、少年法の趣旨を大きく踏み外すものであることは明らかで、事あるごとに重ね重ね指摘しても非難されまい。
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かくして、妖怪魔餓神は、八脚のうち五脚をすでに切り落とされ、もはや逃げることも徘徊することもできず、地にもがくのみの姿にて候。残る三脚の召し取られる様や如何に。
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鑑定医の行方、ジャーナリスト草薙氏、講談社の捜査状況、など今後動向が注目しつつ、このシリーズはあきれ顔の掃除人とともに一旦休息します。新しい展開があり次第、シリーズはふたたび激しく発進します。
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