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妖怪魔餓神 八脚攻め落とし その五:
「少年法の刑事責任年齢の引き下げの改正法案可決わずか4日前の発刊が意味するもの」
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空飛ぶ探偵事務所から
少年法では、満20歳未満の犯罪少年は、たとえ刑法で処罰されるべき犯罪を犯しても、まだこれからの人生がある、未来があるということで、「人格の可塑性」を信じて、成人同様の刑事罰を下すのではなく、死刑判決は無期刑、無期刑は有期刑へとそれぞれ量刑を緩和するとともに、少年院、児童支援施設、養護施設などで矯正教育を施し、更生させる道を与えるという社会保障法としての性格が明確にされている。
少年犯罪の審理は非公開であるとともに、実名、年齢、職業、容貌などが、週刊誌、出版物、報道で公開されることを禁じている。
少年犯罪の低年齢化と凶悪化の傾向が高まりつつある中で、また、被害者、遺族への説明や審理の結果の通知もなく、精神的な救済がないことが問題であるという世論が広がり、平成13年4月に、改正少年法が施行され、非公開性が一部改正され、被害者・遺族への処分結果の通知されるともに、審理記録の一部閲覧、コピーが可能になった。しかし、第三者への記録の公開は禁止されている。
なお、刑事責任年齢については、改正少年法では、それまで16歳以上に原則限定されていた刑事裁判(検察送致)が14歳に引き下げられ、つづく平成19年5月25日には刑事責任年齢が、14歳から「おおむね12歳」にさらに引き下げる改正法案が成立し、19年11月1日より、施行される予定である。なお、「おおむね12歳」というあいまいな表現であるが、犯罪の凶悪、重大性いかんでは11歳まで刑事処分が可能になるというのが法務大臣の解釈である。
ちなみに、諸外国における刑事責任年齢は、アメリカの7歳以上(但し、州によって異なる)、イギリスで10歳以上、カナダ12歳以上、フランス13歳以上、他、多くの国で14歳以上と定めており、このたび11月1日から施行される改正は、世界的にも厳しいレベルにまで責任年齢が引き下げられたことが分かる。
さて、このたびの「僕はパパを殺すことに決めた」(講談社、平成19年5月21日月曜日発刊)は、こうした改正少年法の一部改正法案が可決する5月25日金曜日のわずか4日前の発刊であったことは単なる偶然ではなく、注目度で週末日曜の購買を誘導しようとする「メディア売上至上主義」が強く背景にあったものと推測されて当然である。単行本のキャッチフレーズが、ご存じのように「社会に真相を伝えることの意義」であるが、供述調書などの内部資料をそのまま転記(引用)した暴露本を、時期に合わせて早急に?十分な配慮も承諾もなく公表しても、世論が本来期待している少年犯罪の減少と再発防止につながるかは大変疑問である。むしろ、遺族のプライバシーの侵害という新たな「メディア被害」を生むばかりである。少年のプライバシーや更生にも全く配慮しないこうした異常な暴露本は、少年法の趣旨を大きく踏み外すものであることは明らかで、事あるごとに重ね重ね指摘しても非難されまい。
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かくして、妖怪魔餓神は、八脚のうち五脚をすでに切り落とされ、もはや逃げることも徘徊することもできず、地にもがくのみの姿にて候。残る三脚の召し取られる様や如何に。
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鑑定医の行方、ジャーナリスト草薙氏、講談社の捜査状況、など今後動向が注目しつつ、このシリーズはあきれ顔の掃除人とともに一旦休息します。新しい展開があり次第、シリーズはふたたび激しく発進します。
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妖怪魔餓神 八脚攻め落とし その四:「表紙に刷り込まれた少年の殺人メモ」
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空飛ぶ探偵事務所から
これまで、憲法13条幸福追究権から演繹される「プライバシーの権利」と、憲法21条代1項の「表現の自由」のいずれが優先されるかという観点で、実にさまざまな少年犯罪報道の事例で議論されてきた。
こうした基本的人権の対立においては、「その濫用によって他の基本的人権を侵害しない」という憲法解釈がなされて久しい。マスメディアを擁護する立場は、そのたびに「国民の知る権利」という概念を持ち出して、あたかもプライバシーを無視してでも、 事実の報道を優先することで「国民に利益をもたらす」という錯誤に固執している。
とくに、マスメディアは扱う題材の注目度によって、出版部数、視聴率、宣伝収益を競うビジネス的側面が強いため、プライバシーを顧みず、無理な取材、行き過ぎたキャッチフレーズ、誇大報道に走りやすい傾向は、昨今ますます激しく、かつ巧妙になってきている。
このたびの鑑定医の秘密漏示嫌疑での逮捕後、講談社はその取材方法の姿勢への反省もなく、プライバシー侵害の自覚と反省もないまま、少年法の問題、非公開の是非に議論をすり替えようとしているのは明白である。一過性に激しく報道されては、その後の経過があいまいになっていき、次の目あたらしい話題へ流れていくのは、メディアの変わらぬ体質ともいうべきであるが、少年法の再考・改訂につながるようなメディア側の真摯な報道は見当たらない。
少年犯罪にかかわる精神医学的考察の学会報告、執筆は、それそのものは学問的、医学的範疇であるが、取材への対応や協力のあり方如何によっては、連座的にプライバシーの侵害、少年法違反に抵触することも考慮するとともに、遺族からの告訴、関係者からの告発も、常に視野に入れておかなくてはならない。すなわち、当初公表するつもりのない、簡単なメモ書き、事実整理のための覚書、面談の生の記録、実名入りの公的文書、などの保管と処分には最新の注意が必要になる。このたびの医師逮捕は、ジャーナリストと講談社の常軌を逸した「ありのままの事実?」の取材と公表は、こうした書類を不用意にスパイされた?ことによるものと推理される。少年の殺人メモを書籍の表紙に刷り込むという失態は、事実を公表して世に知らしめる以前のもので、その節度のなさを物語って余りあるだろう。
こうしたメディアの体質に鑑みて、医療機関における個人情報の危機管理が求められている。裁判所の供述書類のコピー、鑑定医による個人的持ち出しについては、かなり危険な要素があり、今日の病院カルテの保管形態同様、真剣に再考すべき時期に来ているだろう。
。。。。。。。。。。つづく
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予告)
今日の少年法は昭和23年に規定された。少年犯罪の凶悪化、低年齢化によって、その見直しも議論されている。実名公表、厳罰化によってはたして、少年犯罪は減少するか。。。
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妖怪魔餓神 八脚攻め落とし その三:「見かけはお辞儀 手に剣」
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空飛ぶ探偵事務所から
これまで、ジャーナリスト草薙厚子氏が奈良放火殺人事件を題材にした「僕はパパを殺すことに決めた」(講談社)を出版するに至る、少年の供述調書や鑑定書などの資料の入手をめぐるいくつかの不自然さと、疑念について述べてきた。
出版後、遺族(父親)は、供述調書をそのまま引用・公開することはプライバシー侵害、名誉棄損に当たるとして告訴し、法務省人権擁護局からも人権侵害との勧告を受ける。これを受けて、奈良地検が強制捜査に踏み切り、結果的に鑑定医が秘密漏示嫌疑で逮捕されるという異例な事態に発展した。精神鑑定医の「良心に基づく医学的見地からの意見」が、ジャーナリストおよび講談社の意図的な策略で、ビジネス至上主義に利用されたとみるべきであろう。
出版元である講談社は、医師逮捕の事態を受けて声明を発表した(「空飛ぶカルテ」医師逮捕・講談社声明file A-16参照)。マスメディアの「言論・表現の自由」と、少年法に定められた少年審判の「非公開の原則」という対立概念を持ち出して、取材の正当性と出版の社会的意義を主張している。声明では、当初取材に協力した少年の祖父、逮捕された鑑定医、捜査を受けた京大教授にたいして、「ご迷惑をおかけした」というコメントを添えることで、一見、出版の非を認め、社会に謝罪したかのように見えるが、よく文面を吟味すると、実は全くその逆で、少年審判の非公開原則を逸脱した違法行為と、父親および少年に対するプライバシー侵害については、明確な反省と謝罪は巧妙に避けている。
また、書籍の今後の出荷・重版については、事態の成り行きをうかがう形で保留はしているものの、自主回収・絶版の意向はまったく示していない。まさに、「見かけはお辞儀、手に剣」の反逆である。
講談社は、自ら調査委員会を内部に設けて事実関係の調査・検討に入る旨を約束しているが、委員会の構成や調査内容公表の有無については明らかにしていない。
今後、調査委員会がいかなる調査結果を導き、講談社がいかなる明確な声明を世に公表するか、マスメディア「講談社」としての良識が問われている。
。。。。つづく
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(予告篇)
このたびの精神鑑定医に掛けられた秘密漏示の嫌疑に関して、、今後、マスメディアの取材への対応のみならず、医学的、学問的見地からの意見の公表や症例報告、ネット上での意見などに、少なからず影響が及ぶことは必至である。医療における秘密保持とは何か。守るべきものは何か。さまざまな医療訴訟において垣間見るプライバシー権、名誉権の行方について、メスを入れる。
牢獄に幽閉された鑑定医の行方やいかに。。。
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雨風をしのぐために衣をまとい
寒さに耐えるために火を起こし
食を満たすために耕す
頼もしきかな 人の営みよ
心病めるものを慰め
身病めるものを癒し
倒れしものをいたわる
美しきかな 人の心よ
枯れた木々を蘇らせ
不毛の砂漠に水を引き
暴れる川を導く
強きかな 人の知恵よ
荒れ狂う獣たちをしずめ
迷いし鳥たちをいざない
怯える羊たちに歌をかなでる
楽しきかな この世のいのちよ
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「妖怪魔我神 八脚攻め落とし その二:ジャーナリスト草薙厚子氏の隠蔽するもの」
空飛ぶ探偵事務所から:
このたびの草薙厚子氏「僕はパパを殺すことに決めた」(講談社)の資料となったとされる、「独自に入手した3000枚の供述調書」については、いくつかの点で大きな疑問が残されています。
すなわち、鑑定医自ら、意図的に漏示する動機や根拠が見当たらないのである。精神鑑定医がインタビューの退席後に、草薙氏と講談社社員数名がデジタルカメラやボイスレコーダでコピーしたとされているが、資料が膨大であることから、そうしたツールでは極めて非効率的であり、しかもその入手方法は、鑑定医に対する背信行為であり、極めて犯罪的色彩が濃厚であるが、その一方で何か演技めいてはいないだろうか。
書籍に正確な引用が正確に?多用されていることから、鑑定医に接近するかなり以前から内部資料をすでに入手していたのではないかと推理している。
東京法務局種年鑑別所の教務教官として、10年前後の勤務歴?があることから、内部の事情に精通していてもまったくおかしくない。
ちなみに、みずからのブログにも以下のように載せており、これまでも、たびたび内部資料を入手していることがわかる。
草薙氏のブログより
これまでの著作で当局の内部資料を参考にする場合は、今回のようにそのまま引用することはなかった。そうすれば抗議や勧告を受けることもなく、穏便に出版することができる。実際、法務省からは「なぜ地の文に溶け込ませて書けなかったのか」との質問があった。
ちなみに、少年犯罪をテーマとしているのは、
『少年A矯正2500日全記録』(文藝春秋)
『子どもが壊れる家』(文春新書)
『追跡!「佐世保小六女児同級生殺害事件」』(講談社)
などはみなさん御存じのことだろう。。
このたびの「僕はパパを殺すことに決めた」のような、内部資料の入手は、はじめてのことではなく、独自のルートを司法当局内部に持っていることをうかがわせる。
このたび強制捜査で「鑑定医が家裁に返却ないし提出した資料」に、草薙氏の指紋が検出されているとのことであるが、草薙氏の事務所からも資料が押収されている。押収された資料に草薙氏の指紋みならず、内部資料入手に関わった他の予想外の協力者の指紋が隠されているかもしれない。
もしもそのような検証結果であるなら、積極的な秘密漏示をする協力者がいることになる。
一連の彼女の著作から見て、当局内部からのリークが今回の事件以前から恒常的に行われているのではないか、というのが現在行われている捜査の中心的なポイントである。。。というのが、「空飛ぶ探偵事務所」の推理である。
。。。。。。。。。。。。。。。つづく
追記)
なお、この一連のシリーズは、地検捜査当局からの内部情報に基づいているわけではありません。
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「妖怪魔我神 八脚攻め落とし その一:暴走するジャーナリストの人権侵害・法務局批判論」
「情報源(取材減)の秘匿」は、ジャーナリストの取材姿勢になくてはならない原則であるのは論を待たない。情報を提供する側にも、「守秘義務」を持つ立場の者がいるからである。
一般人でも、情報を提供することで、さまざまな嫌がらせや、妨害、身の危険が生じることがあるからである。
したがって、明らかに情報提供者が特定されるような公表の仕方は、提供者の事前の承諾がなくてはならない。
このたびの草薙厚子氏の「僕はパパを殺すことにきめた」(講談社)においては、捜査資料や鑑定書などの内部資料の入手方法に、きわめて不可解なスパイまがいのツールが使用されていること、「内部資料・鑑定診断そのままの引用文」が多用されており、少なくとも二つの方面に困惑と被害を与えた。
精神鑑定医が出版後に驚くような内部資料そのままの「引用文」である。引用というよりはむしろ、内部資料に加筆したともいうべき「あるまじき作文」である。
こうした作文スタイルは、ジャーナリストに期待される「取材源の秘匿」が守られていないばかりか、現在の少年法で定められている少年審判の非公開の原則に挑戦的な逸脱である。秘密漏示の嫌疑で精神鑑定医が強制捜索・逮捕された。
そして、少年や遺族(父親)の更生を大きく阻害して余りある、「プライバシーの侵害」である。遺族から名誉棄損で告訴されたのは当然である。
* * *
このような、情報提供者を守ることも、プライバシー・名誉権を守ることもできないジャーナリスト草薙厚子を擁護する代表的な論法を見てみることにしよう。
***有田邦生ブログより 2007/09/15 草薙厚子を擁護する!
。。。(前半略)。。。草薙さんは『僕はパパを殺すことに決めた』(講談社)のなかで、非公開の少年審判や供述調書の内容を詳細に引用した。それが刑法の秘密漏示に当るというのだ。奈良地検が少年の父親などから告訴を受けていたものだ。ここには言論・表現の自由をめぐって深刻な問題がある。しかしどこのマスコミも指摘しないことに父親の問題がある。事件は父親の異常な暴力がきっかけに起きている。少年は本当は父親を殺害しようとしていたのだ。その父親が自己の責任を背負うことなく、草薙さんを告訴した背景には自己保身があると私は思っている。見栄や外聞が自己責任よりも大きいのだろう。
前妻に対する自分の面子で少年を医師にすべく日常的暴力で受験勉強に駆り立てた異常な様子が調書ではリアルに明かされている。事件の根源がこの父親の人格にあることを無視して少年の動機は理解できない。それが明らかとなったことが耐えられなかったのだろう。社会が事件から何事かを教訓とするには、父親にとってはつらいことだがこうした「事実」を知らせることからはじまる。情報を得たジャーナリストの立場からすれば、知った以上は報じなければならない。ましてや匿名ではなく名前を出して書くことはそこに責任が伴っている。私が準備している単行本『X』について、ある危惧を抱き鶴見俊輔さんに相談したことがある。そのとき鶴見さんは言った。「たとえ訴えられても書きなさい。それが歴史への責任というものなんだ」草薙さんもそうだと思う。ただし情報源との関係で問題はなかったか。情報源には「引用する」ことまでの了解は得ていただろうか。そんな疑問もある。しかし、私はあくまでも草薙さんを擁護する。少年事件の再発を少なくするためには、本来法務当局などが事件の概要を明らかにすべきだからだ。そうした再発防止策を取らない怠慢こそ糾弾されなければならないのだ。 以上、有田邦生・公開ブログより抜粋 * * *
以上が、草薙氏を擁護する論調の代表的なものである。
ジャーナリスト有田邦生氏は、「情報源や引用の承諾」について少し触れておきつつも、遺族(父親)の暴力と自己責任に重きをおいて草薙氏を擁護している。資料を公開することは、ジャーナリストの「取材源秘匿の原則」に優先しても良いという論理である。さらに、非公開性がために少年の犯罪事件の再発を防げないのは法務当局であるとして、ジャーナリストの暴走を責任転嫁しているのである。
ここに、憲法に保障された「プライバシー・名誉の基本的人権」を犠牲にしてまでも、「言論・表現の自由」を謳歌し闊歩する現代ジャーナリズムの傲慢と錯誤が見て取れるだろう。
。。。。。。。。。つづく
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講談社から皆様へ
『僕はパパを殺すことに決めた』について
弊社学芸図書出版部は本年5月21日、『僕はパパを殺すことに決めた』を刊行いたしました。本書に関連するとして奈良地方検察庁は「秘密漏示」を名目とする一連の捜査を続け、10月14日、事件を起こした少年の精神鑑定を担当した医師を逮捕するに至りました。
私たちは今回の捜査の目的はメディアの取材活動を萎縮させることにあり、到底容認できるものではないと考えております。版元として取材源を明らかにすることはできませんが、本書に関連するとして身柄を拘束され、多大な苦痛を受けておられる鑑定医の方には心よりお詫び申し上げます。また、本書刊行の結果として、本来あってはならない出版・報道に対する権力の介入を引き起こしてしまった社会的責任を社として痛感しております。弊社では、本書出版の経緯、形態、意義について第三者を含む調査委員会を設けて詳細に検証を行い、その結果を改めて公表いたします。
著者の草薙厚子氏が本書でテーマとしたのは、2006年6月20日、奈良県の進学校に通う当時16歳の少年が起こした自宅放火事件です。この事件では少年の継母と異母弟妹の3人が犠牲となっており、発生当初から社会的に大きな関心を呼び起こしました。
まことに痛ましく、かつ重大な事件にもかかわらず、少年審判が公開されないこともあって、事件の真相はほとんど明らかにならないまま風化しようとしていました。草薙氏は取材の過程で少年や父親の供述調書をふくむ捜査資料を入手し、それらの資料を引用しつつ、少年が事件を引き起こした動機や心理状態を描いております。そして、事件の背景には常識をこえた勉強の強制、過熱する受験戦争が横たわっており、どの家庭でも起こりうる普遍性があることを明らかにしました。弊社出版部としても、この事件の真相を伝えることは社会的に大きな意義があると判断して、本書を刊行した次第です。
本書については7月12日、東京法務局長より、非公開とされる少年審判の供述調書などを引用し、少年の心理、家族の私事などを詳細に記述することによって少年のプライバシーを侵害したとして、以下の勧告を受けております。
《本件書籍による更なる被害を防止するための適切な措置を講じるとともに、今後、このような人権侵害行為をすることのないよう、ここに勧告する》
弊社はこの勧告を真摯に受けとめ、少年法の精神を尊重しながら今後も弊社の出版活動に反映させていく旨を公表しました。
その後、9月14日、奈良地方検察庁により、本書に関連するとされる強制捜査が行われるという事態に至りました。著者の草薙氏の自宅ならびに所属事務所、少年の精神鑑定を担当した医師の自宅ならびに勤務先に家宅捜索が入り、以後、担当編集者をはじめ何人もの社員が奈良地検による任意の事情聴取を受けてきました。さらに9月28日には、この件に関連するとして京大教授の自宅ならびに研究室が家宅捜索を受け、任意の事情聴取が繰り返されました。
一連の捜査は、「秘密漏示」に対するものとされています。「秘密漏示」とは、弁護士、医師や薬剤師といった高度な守秘義務を要する職業につく人が、正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らした場合に適用される罪状です。
一方、私たちジャーナリズムに携わる者の使命は、国民の知る権利に応えるべく、真実を明らかにして報道することにあります。社会的意義、公益性のある報道のために、官公庁の不正や企業の組織的犯罪など、本来なら国民に広く開示しなければならないような重大な情報を得るため、守秘義務保持者らを含む情報源を取材するケースもあります。今回の事件にあたっても、真相を明らかにすることを目的として、著者を中心に取材活動を展開しました。一連の取材のなかで供述調書を含む捜査資料を入手したわけですが、この取材活動は正当な行為であったと考えています。
弊社および草薙氏は奈良地検の事情聴取に対して、調書の入手に関しては正当な取材行為であったことを主張し、情報源秘匿の原則を守りながら可能な限りの説明を任意で行ってきました。現在も捜査は続いており、弊社としては出版社として守るべき原則にしたがって対応してまいります。
取材経過ならびに今回の捜査に関する弊社の考え方は以上のとおりです。
本書によって傷つけられたと感じておられるご遺族の方々、鑑定医の方、京大教授はじめ今回の捜査によりご迷惑をおかけした方々につきましては、弊社としてもまことに申し訳なく思っております。ことに取材にご協力いただいた少年の祖父の方には、お気持ちに反する結果となってしまったことを、心よりお詫び申し上げます。
なお、弊社としては事態の推移に鑑みて重版を控え、出荷を見合わせております。その他、本書については図書館での閲覧問題などさまざまな混乱が生じており、読者のみなさまにご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
今回の本作りについてはさまざまなご指摘をいただいております。真相を明らかにするためとはいえ、捜査資料を引用することによって少年法に定められた審判の非公開原則を破ってよいものかどうか。人権に対する配慮が欠けていたのではないか。もっとも大切にすべき取材源を危険にさらすものではなかったか。これらのご批判については、弊社としても謙虚に耳を傾け、みずからの本作りを問い直す必要があると考えています。具体的には冒頭で申し上げたとおり、調査委員会が詳細に検証を行い、その結果を公表するとともに、今後の出版活動に活かしてまいります。なにとぞご理解いただきたくお願い申し上げます。
2007年10月17日
講談社
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広げられた物にも 隠されたものがある。
しかし 見えないようで 見えるものがある。
偽善という名の詭弁は いつもそうのように
人を惑わすために 隠れるものなり。
「空飛ぶカルテ」07.10.18-2
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。。。。。つづく
シリーズ 「妖怪魔餓神 八脚攻め落とし」
「報道の自由」の下で、ジャーナリストたちの、法をも怖れない、傲慢な取材によって、一人の精神鑑定医だけがはめられていった謎を暴く。ジャーナリズムと司法界に横たわる癒着の疑惑にメスを入れる。
夢見る掃除人 見参!
乞うご期待。
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さて、いよいよ、というより、やっと、本題です。
* * *
3000枚にも及ぶ供述調書は、簡単に漏示できる量ではあり得ません。鑑定医にそれだけの大量の資料を漏洩するつもりがあるなら、あらかじめコピーを準備しておくはずです。彼はあらかじめ準備していません。
では肝心の鑑定書はいかかでしょう。簡単に口述しボイスレコーダーに収められます。カルテのまとめのようなものですから。
公式取材のあなたの言葉や、講談社の書籍紹介にあるように、口述調書だけを参考にしたというのであれば、彼は漏えいするつもりはなかったことがこれまでの、諸状況から明快です。それを収録、撮影して持ち出し、書き起こしたのは彼ではないからです。
あなたの書籍は、口述調書を多数引用してその秘密を公にしています。公にしているのは、もちろん彼でもありません。なにしろ書籍の出版は、そこに行くまでに大変な労力とお金がかかりますし、印刷、製本、販売は膨大なお金がかかります。彼が大衆に積極的に訴えることのできる手段ではありません。
もし彼が、大衆に訴えるなんらかの信念があって漏えいするなら、インターネットでじゅうぶんです。ほとんどただでできます。
さて、鑑定書はどうでしょう。数枚のものでしょうから、漏えいは容易です。しかし、彼は、あなた方が鑑定書をコピーしたことを知らないはずです。
では、「僕はパパを殺すことに決めた」の中に、鑑定書の内容と一致する部分を探してみましょう。。。
「もうよろしいでしょうか。」
* * *
追記)
刑法134条第1項
医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する(134条1項)。
* * *
詐欺罪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』移動: ナビゲーション, 検索詐欺罪(さぎざい)とは、人を欺いて財物を交付させたり、財産上不法の利益を得る(例えば無賃宿泊をする、無賃乗車するなど、本来有償で受ける待遇やサービスを不法に受けること)こと、または他人にこれを得させることにより成立する犯罪のこと。日本では刑法に規定されている(246条1項、2項)。未遂も罰せられる(250条)。
[編集] 法定刑など
犯罪をおこなったものは10年以下の懲役に処され、犯罪によって得たものは没収(19条)または追徴(20条)される。組織的に行った場合は組織的犯罪処罰法により1年以上の有期懲役と罪が重くなる。
[編集] 成立要件と特徴
詐欺罪は以下の4つの段階を経過した時点で既遂となる特殊な犯罪で、単に「騙した」だけでは成立せず、社会一般でいう詐欺の概念とはやや乖離しているのが特徴。1. 一般社会通念上,相手方を錯誤に陥らせて財物ないし財産上の利益の処分させるような行為をすること(欺罔行為) 2. 相手方が錯誤に陥ること 3. 錯誤した相手方が、その意思で財物ないし財産上の利益の処分をすること 4. 財物ないし財産上の利益が行為者ないし第三者に移転すること さらに上記1~4の間に因果関係が認められ、また行為者にその故意が認められる必要がある。上記の要件が必要とされる結果、たとえば、
嘘を言って店員の目を逸らせ、その隙にショーケースから商品をかすめ取った場合 →詐欺罪は不成立(騙す行為が相手方の財産上の処分行為に向けられたものでない。但し窃盗罪)。
欺く行為があり、その後相手方から財物が交付されても、相手方が欺罔を看破しておりトラブル回避や憐憫の情から行為者の要求を飲んだにすぎない場合 →詐欺罪は未遂に止まる(欺罔行為と処分行為の間に因果関係が認められない)
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人間の言葉には、いろいろな謎解きの鍵が必ずどこかに隠されています。
「空飛ぶカルテ」07.10.18.2
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さて、このたびの「僕はパパを殺すことに決めた」という書籍の出版理由についての公式発表を、もう一度見直してみましょう。
文法的に奇妙な箇所がひとつあります。
「真実を明らかにしたかった。一人の少年が追い詰められて事件を起こす事実を大人は知らないといけない。(供述調書を) そのまま使うのがいいと判断した」。(2007年6月毎日新聞)
なぜ供述調書に( )が付いているのでしょう。毎日新聞の取材に対して、供述調書とは、あなたは言っていないのです。毎日新聞が加筆したのです。
あなたは、「何を」そのまま使うと、言うつもりだったのですか。無意識に隠してしまったのではないでしょうか。
毎日新聞の記者も、取材の録音を書き起こした時、目的語のない最後の言葉に、不自然さを感じたことでしょう。ジャーナリストは文章が命です。目的語のない文章は書けません。
無意識に(供述調書)と補足してしまったのでしょう。あなたに事前に確認はされていませんね。
さて、そのまま使うことが求められるもの、しかも鑑定医しか書けないもの。
そうです。鑑定書以外にはあり得ないのです。
鑑定書は公判でも一般の眼の前には出てきません。しかし、書籍は公判中に書かなければなりません。10年以上も前の事件を書いても、あまり価値はありませんからね。
さて、あなたの書籍はどのように紹介されているでしょう。鑑定書とは一言も触れていないはずです。わたしの推理は当たるでしょうか。
アマゾンの書籍紹介をもう一度、一緒に見てみましょう。
内容紹介
IQ136の天才少年はなぜ、自宅に火をつけたのか――。