患者さんは80代の男性。咳が続き、近所の内科医に治療を受けておられたが軽快しなくて、紹介されて某大学病院を受診されました。すると、肺炎であること、大学病院は重症の患者さんを診るのが使命であり肺炎のような病気は扱わないこと、自分で入院先を探すように言われて帰ってきたこと、その夜の10時過ぎに電話がかかり、『実は、貴方は肺癌であるから、翌日、受診するように』との医師の話であったそうです。急に、肺癌と言われての戸惑い、昼には肺炎と言われて拒否されて、何の準備期間も無く、寝ているところを起こされて肺癌と言われての怒りなどこもごもで、相談にみえました。肺癌にも色々の種類があることや、病気の状態で治療法があること、それには専門医の診断を受けてそれを確認することを話して、専門医を事情も加えて記載して紹介しました。大学の医師は傍若無人の振る舞いのように見えるが、本当は好い医師だったかもしれませんよ、肺炎と診断したが気になったのでレントゲンのカンファレンスに出したか、上位の医師に相談してみたら肺癌と言われて、これは大変、何とかしたいと考えてお電話をしたのでしょう。大学病院内では10時と言う時間はまだ宵の口で、寝ている人がいるなどと創造もしないのでしょう。それで、電話をした。カルテを見て電話番号を確認してという手間も踏んでいます。やり方は拙いのですが誠意の一部は認めて欲しいことを患者さんには伝えました。結果的に肺癌は間違いなく、放射線療法のみ行われ、可及的に自宅で過ごされ、末期になり入院されて華族や医師にも感謝しながら逝去されたそうです。途中、私も何度か診療をさせて頂きましたが、御自分の人生を全うされたと思います。
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