2007.07.23 02:03 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  その他(一般)  |  波良張  | 推薦数 : 0

隔離病棟のこと

国立病院の中に周囲の8ヶ市町村の組合による法定伝染病の患者さん用のベットがありました。30床あり、治療は国立病院が分担していました。ポータブルのレントゲン装置や顕微鏡などの若干の医療器具が揃っていましたが、人工呼吸器などはなしでした。たまに、患者さんが入院しました。小児科では赤痢が殆どで、腸チフス2例、髄膜炎菌性髄膜炎1例が経験した患者さんです。髄膜炎菌性髄膜炎の患者さんは乳児で、輸液ポンプもなく、看護婦さんも乳児の管理になれていない、ベットも乳児用がなく、院長に頼んで、ナイセリアによる髄膜炎ということにして小児病棟に移して貰いました。小児病棟の個室で治療をしました。幸い、後遺症もなく治りました。インターンのとき、東京世田谷の病院だったのですが、日本脳炎の患者さんが入院され(成人)、院長が人から人へうつる病気ではないので、ウイルス性脳炎として、伝染病院に送らないで大学から来ておられた先生に診ることを許されていたのを思い出しました。院内で流行することはないと考えて、私もやらせてもらいました。多分、もう時効でしょう。逆にサルモネラ腸炎だと考えて入院させた患者さんがチフスとわかり、そのまま診ようと思ったのですが、許されず、また隔離だと医療費の負担がなくなるので一般病棟から伝染病棟に移しました。家族を調べたら御婆さんが(70代)が18歳のときにチフスに罹患したそうで、陽性でした。患者さんもお祖母さんもなかなか除菌できなくて、入院期間が長くなりました。お祖母さんは、とうとう都立の伝染病院に移されて胆嚢摘出の手術を受けられました。50年以上も保菌者だった可能性があるとのことでした。今は法律も変わり、その病棟は使われていません。伝染病という言葉も懐かしい古い言葉になりました。

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