血清アンモニアの測定の迅速法にアミチェックというのが、東北大学の多田教授の考案で作られて販売されていました。熊本大学の松田一郎教授に新生児の代謝異常スクリーニングに有用と勧められて、最初は目視、あとで機器を利用して測定できるようになりました。やってみると、本物の代謝異常は見付からないのですが、新生児で高い例は、予後が悪いことや、色々面白い経験ができました。国立病院を辞めるまでに、2例、代謝異常を見つけました。1例は、ビタミンB12依存性のメチルマロン酸血症でした。最初は、私の血液を使い交換輸血を行い、B12を注射で投与したら、アンモニアの上昇がなくなり、有機酸の分析で診断ができました。あとでは、内服で、その後は悪いときだけ注射で対応できるようになりました。もう一例は、脂肪酸の代謝異常で、患者さんは亡くなりましたが、組織細胞を培養してくれていた熊本大学犬童先生が信州大学に送り、8年後に信州大学の橋本教授が発見されたβ酸化に関連する酵素の欠損世界第一例であると診断されました。稀な患者さんに遭遇するのは、縁以外の何者でもありませんが、代謝異常の診断は、それなりに診ていないと、発見できないと思います。二人とも、not doing well で産科から相談されて、他の医師が診て、様子を見ようというのを、再度私が診て、アンモニアの測定をして異常高値で診断を進めてわかったものです。平成3年開業以来、やはりアミチェックを用いて、痙攣の患者さんなどに測定しています。今は、I-statという機器も入れて血清電解質
や重炭酸イオン、測定からアニオンギャップの測定、乳酸測定、アンモニア測定を組み合わせて検査を行っています。患者さんに多くの診断を否定できる、つまり診断の幅は狭くして、専門家につなげることが出来ると思ってやっています。検査1つからでも、見える世界が変わるように思います。
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