私が埼玉の病院に勤務することになったのは、初代の院長に勧誘されたことに始まります。東京大学の卒業で熊本大学の産婦人科教授を定年退官後に院長になられた先生でした。院長、名誉院長になられても診療を行い、手術も行っておられました。病院に入る20数種の英文医学雑誌には全て目を通されコピーをとり読んでおられました。二代目の院長は慈恵医大の卒業で泌尿器科学の教授を定年退官後に院長になられました。二人共にアカデミズムを大事にされましたし、お二人は病院創成期にあり、患者のためには病床がなければストレッチャーの上でも診ることを強調されましたし、周辺の医師が送った患者は断るなと開業医との連携を重んじられました。三代目は慈恵医大の内科の助教授から、副院長として来られて院長に昇格され、大学の臨床教授も兼ねておられました。病院としては安定期に入ってきた時代で、先のお二人とは異なって内科系であり、少し違っておられました。各科の医師は、院長の意向をどれくらい受け入れて実行されるかはわかりませんが、院長のリーダーシップは大事だと思います。医師もさることながら、事務系職員、看護職、臨床検査や放射線科、リハビリ科などのコメデイカルにどれほど院長の意志が伝わるかが大事です。医師は他人に管理されることを好まない人が多く、自分の科の仕事中心になりがちです。病院全体を見る立場の人が管理職だけだと、病院の活気も出ません。病院の中には色々の委員会が設けられて、討議の場があります。でも、完全に民主的になっている訳ではありません。その意味では副院長の働きが重要なポイントになるように思います。事務長は数年で転勤されますし、其の病院への思いいれは、院長や看護部長とはチョットことなるように思いました。薬局長も転勤が多く、医局との交流は乏しく、薬事委員会でも、新しい薬の導入を決める、動かない薬の使用を促進するなどの場合でも、何か官僚的な感じがしていました。病院に対する愛情、思い入れよりも、国の施設ということでの管理が強いからでしょう。各科のチームワークがうまく出るのはやはり院長のリーダーシップによるところが大きいように思いました。
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