2007.05.31 23:26 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  波良張  | 推薦数 : 1

喘息の治療について

昭和48年、入院患者では急患でも入院でも喘息が多かったのです。プリックテスト、希釈しての皮内テストを行うと、殆どがハウスダストで、鳥居の抗原を用いて減感作療法をおこないました。治療は、発作の時には、当初はアミノフィリンの点滴やアロテックの吸入を行いました。脈が速くなるのが嫌でした。入院させてインタールをスピンヘラーを用いて吸入、液が出るとネブライザーで吸入しました。ベネトリンの吸入液が出てからは、インタールと併用するとコントロールが有効になり、西川先生が論文を出されたときには、似たようなことをやる人もいるものだと思っていました。テオフィリン製剤は、テオナPの時代から、テオドールへと変わってゆきました。其のうちにベクロメサゾンの吸入も治験から使うことが出来て、コントロールが容易になりました。小児の夜間の急患で喘息が多いので、看護婦達がアンケート調査をしたり、急患の数を減らせないかと看護研究をやり始めました。私は、喘側日記をを書かせていたのですが、日記をつけている子は急患で来る頻度が低い、子どもが使っている薬の名前を言える親の子は急患で来る頻度が低いということでした。教育が行き届けば効果がよいことなのだと思いました。開業して、今も、喘息児は多いのですが、発作で来る例は少ないし、日記を書くか経過を書くようにしているので、効果はよいようです。昔に比べるとコントロールしやすくなり軽症化しましたが、アウトグロウできない例も多くなったように思います。

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2007.05.31 00:56 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  その他(一般)  |  波良張  | 推薦数 : 5

麻疹の流行に

今、平成19年5月現在、麻疹が首都圏で流行しています。大学生が多く、たくさんの大学で閉鎖が行われています、学問の府の大学が其の門を閉ざすのはよほどのことなのですが、どう今後は推移するのでしょうか。想えば、私の弟は麻疹で亡くなりました。昭和20年5月のことで、母の血液を輸血していましたが、今から考えるとガンマーグロブリン投与と同じ意味だったのでしょう。麻疹で亡くなった子どもにも何人となく出遭ってきました。病院勤務医時代に、AOD(病院到着時に死亡していた)の例の中で、麻疹でそれほど重篤感がなかった女児で、早朝に布団のなかで心肺停止で救急車で来られた方がありました。剖検をさせていただいたら肝臓などはま黄色になっていて脂肪変性が顕著でした。組織所見強い脂肪変性を呈していて、麻疹での死亡にはこのような例もあるのだと思いました。平成2年だったと思いますが、流行があり、約80名の入院で3名死亡しました。1例はダウン症候群でしたが、他の2例は、日頃は健康な児であったと聞いていました。幸い、今のところ死亡例の報告はないようですが、怖い病気であることをもっと認識して欲しいと思います。

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2007.05.26 03:09 |  診療  |  研究  |  その他(一般)  |  波良張  | 推薦数 : 1

脊髄液検査でのクロールの測定

脊髄液の検査をするには、蛋白、細胞数、糖、クロールがルチンに測定されています。でも、多くの人が、無頓着に行っていて何故クロールを測定するかを蔑ろにしています。小児科学会の専門医の面接試験で訊いても、キチンと答えられる人はいませんでした。本当はナトリウムを測定すべきなのです。結核性髄膜炎が多かった時代には、低ナトリウム血症を起こすのを髄液で検査していたのですが、ナトリウムが直接測定できなかったので、クロールを測定していたのです。今は、ナトリウムが直接測定できるのですから、わざわざクロールをmg/dlで測定する理由はありません。私は、検査伝票を改定する機会に、髄液の伝票にNa,Cl,Kを入れてもらいました。電極法で測定します。この3つは同時に測定できます。すると、わざわざ、Cl だけに丸をつける人や、Clだけでよいのに何故Naを測定したかと文句を言う人も出てきました。脊髄液のNa やClは血清のそれと平行しますが、Kは髄液の方が低値を示します。髄膜炎や出血などがあると髄液のkが高くなり診断的意味が出てきます。髄液の糖を測るときには血液の糖も測定しておくべきです。痙攣や脳症をきたしたときには血液の糖が高くなります。糖尿病と見まがうくらい高値を呈します。それが、かえって重症度をうらなう指標になります。細胞数を表すときにもX/3 と表現しますが、計算版があれば1μℓあたりの数が出せます。それでも、分子に3がついていないと間違いではないかと言う人がいます。私がやめて16年になりますので、検査伝票はまたもとに戻っているのはないかと思っています、

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2007.05.23 23:16 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  その他(一般)  |  波良張  | 推薦数 : 1

外来患者の血液培養

赴任した直後だったと思いますが、熱性痙攣の患者の血液培養を行うと、肺炎球菌が陽性になることが多いという外国論文を読んで、やってみることにしました。ベクトンデッキンソン社の試験管様の管に液体培地が入っていて、陰圧になっていて2ミリリットルが吸引されるようになっていました。実際には2本採取し、2本共に同じ菌が出たら陽性としました。思うように陽性にならないので50例くらいでやめました。肺炎球菌の菌血症は抗菌剤を使わないでも軽快することが多いという論文もありました。近年、オカルトバクテレミアなる概念が明らかになり、震えを伴う急性の発熱(高熱)の患者に血液培養をおこなってみると、菌が陽性になります。白血球は多く、好中球が多い例ですが、CRPは陰性の場合もあります。菌種は肺炎球菌で、AMPCを60mg/kgを半日で投与して、2回投与くらいで解熱します。昭和48年、から行ったのももう少し続けていたら陽性になったのかもしれません。血液培養は病棟にはいつも置いておき、インクベーターも用意しておきベットサイドでの診断には随分有用でした。

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2007.05.23 07:05 |  診療  |  研究  |  波良張  | 推薦数 : 0

臍帯血IgMの測定

免疫グロブリンの測定が保険収載になってから、産科に依頼して、臍帯血でIgMの測定を提出してもらうようにし、若し、25mg/dlを超えるとわかったら、連絡をしてもらうようにして、患者さんに対応しました。北海道大学の後の教授になられた松本先生が、先天梅毒でIgMが高値を示しても、必ずしもIgM が抗梅毒スピロヘーター抗体ではないことを報告しておられましたが、何らかの胎内感染の可能性を示すのではないかと思い、スクリーニングに使っていました。高い、例はときどきありましたが、診断がきれいに出来た例は余りありませんでした。中には40mgを越す例もありました。TORCHが先天感染では有名で、つまりトキソプラスマ、風疹、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、ですが、ウレアプラスマ、B群溶連菌も破水があれば考えなければならないのでしょうが、研究と言うレベルには至りませんでしたが、生まれた子ども一人一人には役に立てたのではないかと思います。

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2007.05.23 06:42 |  診療  |  研究  |  その他(一般)  |  波良張  | 推薦数 : 0

血清アンモニアの測定

血清アンモニアの測定の迅速法にアミチェックというのが、東北大学の多田教授の考案で作られて販売されていました。熊本大学の松田一郎教授に新生児の代謝異常スクリーニングに有用と勧められて、最初は目視、あとで機器を利用して測定できるようになりました。やってみると、本物の代謝異常は見付からないのですが、新生児で高い例は、予後が悪いことや、色々面白い経験ができました。国立病院を辞めるまでに、2例、代謝異常を見つけました。1例は、ビタミンB12依存性のメチルマロン酸血症でした。最初は、私の血液を使い交換輸血を行い、B12を注射で投与したら、アンモニアの上昇がなくなり、有機酸の分析で診断ができました。あとでは、内服で、その後は悪いときだけ注射で対応できるようになりました。もう一例は、脂肪酸の代謝異常で、患者さんは亡くなりましたが、組織細胞を培養してくれていた熊本大学犬童先生が信州大学に送り、8年後に信州大学の橋本教授が発見されたβ酸化に関連する酵素の欠損世界第一例であると診断されました。稀な患者さんに遭遇するのは、縁以外の何者でもありませんが、代謝異常の診断は、それなりに診ていないと、発見できないと思います。二人とも、not doing well で産科から相談されて、他の医師が診て、様子を見ようというのを、再度私が診て、アンモニアの測定をして異常高値で診断を進めてわかったものです。平成3年開業以来、やはりアミチェックを用いて、痙攣の患者さんなどに測定しています。今は、I-statという機器も入れて血清電解質

や重炭酸イオン、測定からアニオンギャップの測定、乳酸測定、アンモニア測定を組み合わせて検査を行っています。患者さんに多くの診断を否定できる、つまり診断の幅は狭くして、専門家につなげることが出来ると思ってやっています。検査1つからでも、見える世界が変わるように思います。

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2007.05.12 01:13 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  その他(一般)  |  波良張  | 推薦数 : 3

ケトン性低血糖症

いつも早朝に痙攣で受診する患者さんがいました。都内の大学病院の神経外来に紹介して、てんかんとして治療されていました。たまたま、私が当直をしているときに、早朝に痙攣で来られました。血糖を測定してみると低血糖でした。ブドウ糖を注射すると意識も直ちに清明になりました。入院して、検査をすることになりました。検査は当時、大学から来ていた先生に受け持ちになったもらって、やってもらいました。低血糖を誘発するべく、絶食にしても低血糖は起こりません。ケトン食だと誘発できました。グルカゴンでは血糖は上りませんでした。色々の検査を行い、結局、上記のように診断をしました。所沢小児科医会で話が出て、それが」きっかけで、防衛医科大学校の岩波教授が金原出版の小児科という雑誌で、日本での最初のケトン性低血糖症の報告をされた熊谷通夫先生が都立清瀬小児病院の院長をされていたが対談をすることになり、お話をさせていただく機会がありました。小児の自家中毒はブドウ糖の注射で劇的に治るといわれる先生もあり、その一部か全部がケトン性低血糖だろうと思うと所沢小児科医会では、発言していたので、それも話題になりました。あるとき、子どもが急にぐったりとして変だとして、やはり病院に急患で男の子が連れて来られたことがありました。やはり低血糖で、ブドウ糖を静脈注射したら回復されました。お父さんが医師で、来られたので、低血糖だと話をしましたが、納得されません。お父さんは大学の法医学教室に居られる方でした。お母さんには、砂糖水や糖分の多いジュースを飲ませることを、対応策として話したのですが、それもお父さんはご不満でしたので、その方のお勤めの大学病院小児科宛に紹介状を書いたことがありました。意識があれば、注射は不必要ですから、小児科の外来にはカルピス、チョコレートは必須の保存食になりました。開業してからも、お薬だよと、飴やチョコレートを口に入れると速やかに顔色がピンクになり、元気を出す低血糖の患者さんを沢山診ています。困るのは、次回、別の疾病で受診されるときにも、飴を要求されることです。

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2007.05.09 03:16 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  その他(一般)  |  波良張  | 推薦数 : 0

歴代の院長

私が埼玉の病院に勤務することになったのは、初代の院長に勧誘されたことに始まります。東京大学の卒業で熊本大学の産婦人科教授を定年退官後に院長になられた先生でした。院長、名誉院長になられても診療を行い、手術も行っておられました。病院に入る20数種の英文医学雑誌には全て目を通されコピーをとり読んでおられました。二代目の院長は慈恵医大の卒業で泌尿器科学の教授を定年退官後に院長になられました。二人共にアカデミズムを大事にされましたし、お二人は病院創成期にあり、患者のためには病床がなければストレッチャーの上でも診ることを強調されましたし、周辺の医師が送った患者は断るなと開業医との連携を重んじられました。三代目は慈恵医大の内科の助教授から、副院長として来られて院長に昇格され、大学の臨床教授も兼ねておられました。病院としては安定期に入ってきた時代で、先のお二人とは異なって内科系であり、少し違っておられました。各科の医師は、院長の意向をどれくらい受け入れて実行されるかはわかりませんが、院長のリーダーシップは大事だと思います。医師もさることながら、事務系職員、看護職、臨床検査や放射線科、リハビリ科などのコメデイカルにどれほど院長の意志が伝わるかが大事です。医師は他人に管理されることを好まない人が多く、自分の科の仕事中心になりがちです。病院全体を見る立場の人が管理職だけだと、病院の活気も出ません。病院の中には色々の委員会が設けられて、討議の場があります。でも、完全に民主的になっている訳ではありません。その意味では副院長の働きが重要なポイントになるように思います。事務長は数年で転勤されますし、其の病院への思いいれは、院長や看護部長とはチョットことなるように思いました。薬局長も転勤が多く、医局との交流は乏しく、薬事委員会でも、新しい薬の導入を決める、動かない薬の使用を促進するなどの場合でも、何か官僚的な感じがしていました。病院に対する愛情、思い入れよりも、国の施設ということでの管理が強いからでしょう。各科のチームワークがうまく出るのはやはり院長のリーダーシップによるところが大きいように思いました。

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