尿路感染は、検体採取が容易で、病原体を明らかにできて、隠れている疾病も明らかに出来る感染症です。病原体を明らかにするための検査には、色々の課題があります。本当に尿を汚染なく採るにはどのような方法があるのかを考えても必ずしも容易ではありません。尿道口をきれいにして採取する中間尿、同じようにパック尿、カテーテルを使ってとるなどと方法があります。膀胱穿刺もありますが、下手すると腹腔に菌を撒き散らすことにもなるので、自分なりの方法論を確立することが必要です。乳児でパックを貼り付けて尿が出るのを待っていて、出たら直ちにカテーテルを入れて摂り、両者を菌数、菌種を比較してみると十分にパック尿が診断的価値があることを確認できました。生理食塩水で混合希釈した菌数とディップスライド方式と比較したら、これもディップスライドで十分臨床上使えることも確認しました。尿を放置すると容易に菌数が増えることを確認しました。そこで、尿を採取したら直ちに冷蔵庫に入れて低温に保つか、直ぐに培養を行うことにしました。尿路感染と診断できたら、膀胱造影は必須だと考え、行うようにしました。そのようなときに、新潟大学の小林先生を班長とする研究班ができて参加させて頂きました。このときの経験が今も生きていて、尿路感染症の診断に使っています。病院勤務時代は、熱が出たら、親に尿を採らせて、マイクロスティックM3という紙製の培地を持たせておいて、尿にそれを浸して、ビニール製の小袋に入れて、それをお母さんのパンツの内側のお腹に貼り付けて病院にやってくる、つまり体温を利用して培養すると菌数がグラム陰性と陽性に分けて測定できましたし、そこから菌を釣り上げて培養同定もできました。外来でお母さんがパンツの内側から取り出すという、見知らぬ人が見るとぎょっとする風景画ありましたが、有用な方法でした。ところが開業すると、直ぐに患者さんが受診できるので、検体を持ってきてもらうよりも患者さんが来てしまうので、VURのある患者さんに付いての管理は容易になりました。今はベクトンデッキンソンの培地を使って尿の菌数と菌種を容易に診断できるようになりました。
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