2006.10.28 01:53 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  その他(一般)  |  波良張  | 推薦数 : 1

若い医者は信用されないか?

これも5年目のときの話です。教授の診察を受けた患者が、医療費を支払う段階になったら持っておるお金が足りなくなったので、何とかして欲しいと会計係から電話があったので行ってみると、妙齢の和服姿の婦人が立っていて、処方箋を書き直して欲しいと言われるので、小児科に戻っていただいて、カルテを見ると、溶連菌感染症で、当時発売になったばかりの、セフェム系の最初の薬剤が2週間分出ていました。そこで、その方に溶連菌ならばペニシリンの方が有効性が高いし、薬価も低いので、ペニシリンに替えてよいかと話すとよいと言われるのでその様にしました。このときに、溶連菌感染症については説明をしました。勿論、教授の了解を得るべく連絡したら、教授は出かけられた後でした。そして、その方が会計をする段になったら、今度は随分安価なのに驚かれて、またもや呼び出されて、『私に金がないからと馬鹿にしたでしょう。家に帰れば金はあります。』と泣きながら、将に柳眉を吊り上げての怒りです。薬の効果は金額でないこと、溶連菌にはペニシリンで何の不都合もないことを、はなしても、信用しては貰えませんでした。結局、セフェム系をお金のあるだけの日数にして後日、再診をしてもらうことにしましたが、若い医者は若いと言うだけで信用されないのだと思いました。

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熊本の地方の放送局で、午前中に教授が育児番組の一部でラジオで健康相談をされていました。そのときの一こまです。事の次第は、当直をしていたら、電話で相談がありました。今日、午前中に大学病院に診察を受けに行った。そのときに、肺に癌があるといわれた。子どもために出来るだけのことをしてやりたいが、今、親類縁者が集まってどこの土地を売るかの相談をしている、金額を教えて欲しいというものでした。私は、名前を聞いて、外来に行きカルテとレントゲン写真をみました。写真には赤鉛筆で印がつけてありましたが、私には正常の奇静脈の陰影に見えました。そこで、電話をして、自分には癌だとは思えないこと、明日、専門の医師に相談をしてもう一度返事をすることを告げて、翌日、呼吸器の専門の方に見ていただきました。その方の意見も異常なしでしたので、返事をしたら大学病院まで家族が来られたので説明をしました。その家族がラジオで相談をされたのです。『偉か先生に診てもろうたら、悪性の腫瘍のあるていいなはったですもんね、ところが若かデブの医者は何もなかていいなはったです。どっちがほんなことですか』というものです。丁度、医局で私はそのラジオを聴いたのです。アナウンサーがうまく話を取り次いでコマーシャルになりました。すると、教授が私を呼び出して、「お前だろー、誰かに写真は見てもらったのか」と言われるので、T先生に見て貰ったことを話すと、教授も安心されて、放送では、医局で検討して異常なしが正しいと返事をされました。患者さんの家族が若いデブ医者と言えば、教授がすぐに私とわかる、それほどに私はデブだったのです。それにつけても、誠心誠意、対応したつもりでも、患者さんの家族は私を信用しなかったのだと思います。再度、診察をした先生の外来を受診しないで、教授にラジオ放送で聞くというのは、驚きでした。

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