今まで元気だった子どもが、急に嘔吐をするようになり、脱水になるという患者が多いのに気がつきました。尿中のアセトン体が強陽性で、下痢は伴わない、数日するとケロっと良くなる、それを『所謂、自家中毒症』と診断していました。輸液は、東大輸液1号、3号を5%ブドウ糖、生理食塩水、1モルの塩化カリウム、乳酸ソーダ液を混合してつくり、輸液をしました。データをまとめてみようと考えて、半分はレトロスペクティブに半分はプロスペクティブにまとめてみました。実は、その症例のなかに、低血糖と判断してよい症例がありました。未だ、ケトン性低血糖の概念が知られていませんでした。日本で初めて論じられたのは、慶応大学の先生で、後に都立清瀬小児病院の院長をなさった熊谷道夫先生でした。9月に熊本地方会で発表し、熊本同門会誌に書きました。また、父親が外科医の幼児で、祖母が買ってきた感冒薬を35錠食べてしまい痙攣を起こして送られて来ました。当時は、抗痙攣薬はフェノバルビタール、フェニールヒダントインなどで、挿管して、呼吸管理をしながら、サクシンを使いました。輸液をしながら様子をみて、痙攣がとまったところで、抜管をしてことなきを得ました。これは、教授の指示で、熊本の地方の医学雑誌に投稿をしました。院内の勉強会で喋ったところ、九州大学の出身であった院長が、自家中毒の最初の報告が九州大学の初代教授であったことを、私の発表でわかったと喜んでくださって、自宅のご招待してくださりご馳走になりました。
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