今年4月に診療報酬の改定が行われました。
医師不足が深刻な救急や産科、 小児科、外科などの分野に診療報酬を増加させたことで話題になったかと思います。
その中で、入院患者様の他の医療機関での受診の取り扱いが変更されたことにかなり問題が有るようです。
問題点としては、
1,入院中の患者様が、他医療機関を受診した場合には、入院した病院の入院基本料が30%減額されます。
2,さらに、受診した他医療機関においても、「医学管理料や投薬、注射及びリハビリテーションに係る費用」が請求できなくなり、処方は受診した1日分しか出せません。
ただし、薬事法上の取扱いにおいて処方を行う医療機関が限定されている医薬品や、専門的な医師の診療の下で処方することが必要な薬剤については、処方可能です。
入院が必要な高齢者では、複数の病気を持つことが多く、綜合病院でない単科病院や、2,3科しか無いような病院では、診療できない病気も出てきます。
さらに、この病気はここの診療所の薬でなければダメなんだという患者さんもいるかと思います。
単科病院では、これまで置いていなかった薬を置かなければならなくなり、その数が多くなれば使わないで捨てる薬も増えて経営を圧迫するようになります。
もちろん入院基本料が30%減額されるのですから、患者さんが希望しても紹介すること自体を我慢してもらう施設も出てくるかもしれません。
そのような場合で、患者さんやご家族が入院している事を言わないで我々のような外来医療機関を受診すると、後日とんでもないことが生じます。
いつものように30日分の投薬を行っても、保険者側から実は入院中だったので、処方1日分以外(30日処方すれば29日分)の薬の代金は出せませんという返事が来てしまい、請求額を返還したり、調剤薬局から出された薬代を補償するような事も起こってくるかもしれません。
このように、今回の改訂は全く理にかなっていません。
このような入院患者様が入院中の医療機関で診療できない専門的な治療が受けられなくなるこのような制限は設けるべきではありません。
この受診制限は4月からすでに始まっており、このまま放置すると大変な問題となってくると思います。
現在、保険医協会でも厚生労働大臣に請願書を出しているようですので、なんとか改善していただけないかと思っております。
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