先日、どう考えても通えないような遠方の患者さんが相談に来ました。
250kmくらい遠方なのですが、雪の日でしたが高速で運転して来たそうです。
透析を始めてから、手指の痛みが強いとのことです。
オンラインHDFを行うことで良くならないかという相談でした。
1ヵ月ぐらいなら、近くに宿泊して透析を受けることができるとのことでした。
話を聞いたところ、週3回3時間の透析を受けているそうです。
痛みが、透析に起因するものでしたら、オンラインHDFを受けることはいいことですが、まずは3時間から4時間への時間延長を行ってみてはどうかとお話ししました。
もしくは、もう一度整形外科で原因を調べてもらうべきだとお話ししました。
透析歴がアミロイドが貯まるほど長く無かったからです。
でも、通院中の病院の整形外科では、透析を受けているのだからしょうがないと言われたそうです。
昔からよく言われるのが、『透析を受けているのだからしょうがない』。。。
現在では、しっかりした透析を行っていれば、元々も合併症が有って治療が難しいということは有っても、透析を受けているのだからしょうがないということはないとお話ししました。
透析を受けていても整形外科的な治療で改善する症状はたくさんあります。
当院より遙かに近い所にある、透析治療が有名で、なおかつ整形外科がある総合病院をお伝えしました。
整形的な治療で難しく、透析不足から生じている症状なら、十分な透析を行えば改善する可能性がありますので、時間延長や血流を上げたり、ろ過透析を希望すると言う選択肢も有ります。
困っている方は沢山いるのだと思います。
しっかり透析を行えば、全て解決すると言うことではないとは分かっています。
たとえば、家庭環境からうつになっている方や、合併症から栄養障害を起こしている方など。
ただ、基本はしっかり透析です。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」と言われるように、透析者は、十分な透析を受けるということから全てが始まると考えています。
昨日、糖尿病の講演会が有りました。
現在、我々が血糖の指標として使っているのはHbA1cで、目標値は6.5%以下となっています。
その目標値が2年後には変わるとの話でした。
というのは、日本で使っているHbA1cはJDS (Japan diabetes society)値を採用していて、アメリカ、ヨーロッパでは、NGSP (National glycohemoglobin standardization program) 値を指標としているそうです。
日本で使っているのはHbA1cで、海外で広く使われているのは、A1Cだそうです。
そして、
A1C (NGSP 値(%))=HbA1c (JDS値(%))+0.4
と言う差があります。
これは、海外での学会発表がNGSP値で行われているので、日本だけ違う値で発表すると不都合が生じるようです。
そのため、日本でも2年後にはNGSP値を基準とすることに決まったそうです。
そうすると、昨日までは、HbA1c6.5で合格と言われていた人が、明日からはA1Cを採血して6.9と言う結果が出てしまいます。
前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAも、以前はいろいろなはかり方があり、数値の基準も異なっていました。
現在は、同一の基準となっていますので安心ですが、HbA1cの様に広範囲に使われている採血の値が変わるのは現場は混乱し大変でしょうね。

福島県糖尿病療養指導士認定証が本日届きました。
ちょっと恥ずかしいですが、事務さんに一枚写真を撮ってもらいました。
うちの透析室も、糖尿病の方ばかりですので、学んだ知識をこれからの診療に役立てていきたいと思います。
今回は、限局性前立腺がんの低侵襲治療として、
HIFU(ハイフ)療法
トモセラピー
小線源療法
陽子線治療
を書いてみました。
現局性前立腺がんの治療で最も一般的に行われているのは手術療法です。
その他にも、75歳以上の高齢者では、現局性前立腺がんでもホルモン療法が第一選択とされます。
それぞれ比べてみると、
陽子線治療は300万円の費用がかかりますので、他の治療が有ることを考えるとかなり高額だと思います。
HIFU療法や小線源療法は前立腺内に限局している可能性が特に高い方を選んだ方がいいかと思います。
利点としては、短期間の入院で治療が行えることです。
さらに、HIFU療法では抗凝固剤を止めなくてもできることと、繰り返し出来ると言うメリットもあります。
トモセラピーはかなり良さそうです。
ただ、2ヵ月くらいの間、毎日通わなくてはならないというのが一番のデメリットだと思います。
そして手術療法ですが、最大のメリットは、癌がどこまで進行していたのか、取り切れたのかそうでないかが分かることです。
白黒はっきりするのは手術だけです。
当院では、手術もHIFU療法もトモセラピーも小線源療法もできません。
陽子線治療ももちろんです。
というは、入院さえできませんので。。。
だから、当院の価値は無いとは思っていません。
その方その方によって、病気の進行度も異なりますし、生活スタイルやその時の事情も異なります。
本人が治療方法を迷っている場合や、全く知識が無くてどうすればいいか分からない場合もアドバイスができると考えています。
当院では、市内の泌尿器科がある総合病院の太田西ノ内病院、太田熱海病院、寿泉堂綜合病院、星総合病院、総合南東北病院と病診連携を行っています。
これらの病院は全て福島県立医大泌尿器科の同門ですので、来院された方が市内の場合には、最も適した治療が行える病院をご紹介できると考えています。
もちろん、HIFU療法、トモセラピー、小線源療法など現在郡山市内で行えない治療でも、行える病院をご紹介できます。
それが当院の役目だと考えています。
陽子線治療は、癌の治療法で、放射線治療の一部です。
通常の放射線は、皮膚の部分が放射線の量が最も多く、身体の中に入っていってから徐々に減っていきます。そのため、皮膚から癌の部分までと癌より後ろの部分にもかかってしまい、副作用が生じます。
これに対して、陽子線は体内に入っても表面近くではエネルギーを放出せず、一部の深さでエネルギーを放出して大きな線量を組織に与える性質があります。
エネルギーが強い部分を決められるので、その部分だけ強いエネルギーを出すことが可能となります。
通常の放射線治療では、体内に入るにしたがって放射線量が減少するので、病巣の前後にある正常の組織も有る程度の放射線が及び、副作用を生じる原因になりますが、陽子線の場合には病巣のみに効率よく線量を集中でき、副作用を少なくできます。
脳腫瘍、頭部の腫瘍、肺がん、肝がん、骨軟部肉腫、前立腺がんなどが適応とされています。
前立腺のすぐ後ろには大腸があり、大腸に放射線がかかると副作用が出る恐れがあります。
周囲への影響が少ない治療はとてもいい治療となるでしょう。
ただ、保険適応がなく、現時点では300万円くらいの費用がかかります。
全国でも治療ができる施設は7施設しかないのですが、郡山市にある南東北病院で行われています。
今回は小線源療法です。
小線源療法とは、放射線治療の1つの方法です。
一般的は放射線療法は、外照射と呼ばれ、体の外から患部に放射線を照射します。
そのため、どうしても前立腺の周囲組織へも放射線が照射され、放射線に特に弱い直腸や膀胱の粘膜、皮膚などで放射線障害が起こることがあります。
小線源療法は、ヨード125と言う放射線物質を長さ4mmくらいの筒型容器に入れて、超音波ガイド下に前立腺内に80個から100個程度挿入することにより、放射線治療を行う治療法です。
英語ではブラキテラピー(brachytherapy)と言われています。
ブラキ(brachy)とは短いという意味で、放射線源と照射目標で有る前立腺との距離が短いことから呼ばれています。
通常の外部照射では1回の治療時間は10分程度と短いものの、全部で6-7週間以上の治療期間が必要とします。
それに対して小線源治療では、挿入してしまえば治療は終了と鳴ります。
その挿入した小線源が徐々に放射線を出し続けて、前立腺がん組織を死滅させるのです。
放射線源が前立腺の中に直接存在しますので、外照射に比べると合併症が起こりにくい治療です。
適応となるのは、転移や浸潤がなく、がんが前立腺内に限局している早期がんです。
適応は限られますが、有用な治療法だと思えます。
この治療の一番の利点は、たった1回の刺入で全ての治療が終了するため、入院・治療期間が短い事です。
さらに、他の治療に比べ、性機能が維持されやすく、QOLを低下させない治療であると言えます。
県内で行っている施設は知りませんが、東京や仙台では積極的に行っている施設があります。
当院では、この様な治療を行うことはできないのですが、適応に有った施設を提示する事ができます。
患者さんそれぞれの状況から、どの治療が適しているかを提示することが僕の使命だと考えております。
迷っている方は、一度ご相談ください。
今回はIMRTとトモセラピーです。
これまで行われてきた放射線治療では、しっかりと放射線を当てようとすると、周囲の臓器にも放射線が当たっていました。
逆に、周囲の臓器に影響を与えないようにすると対象とする癌の治療が十分でなくなっていました。
前立腺がんで言うと、前立腺にはしっかり放射線を当てたいが、直腸には当てたくないという事になります。
最新の放射線治療器では、、強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy: IMRT)という、コンピュータの助けを借りて腫瘍部分のみに放射線を集中して照射できる画期的な新照射技術を併用して治療が行われます。
これによって、従来法では不可能であった理想的な放射線治療が可能となり、十分な線量でしかも合併症が軽減されます。
さらに、今までは最初に患者さんをCT撮影室で画像診断して、それから放射線治療室で治療を行っていました。
この方法だと別々の装置で治療を行うために放射線の照射の位置が、がん病巣から外れる可能性が有ります。
また、1回だけの撮影で、その後の治療を続けて行くと、実は、治療ごとに無視できないくらい前立腺の位置はずれているそうです。
前立腺の腹側には膀胱があり、尿が貯まっていると前立腺は圧迫され、若干移動します。
また、前立腺の後面には直腸があり、直腸内にガスが貯まっていると前立腺は圧迫されて移動します。
このずれは、数cmあり、前立腺が皮一枚で直腸と接している子とを考えると、無視できないずれだというのです。
このことに対して開発された装置がトモセラピーです。
トモセラピーとは、「トモ(Tomo=tomogram)」(断層写真)と「セラピー(therapy)」(治療)を合わせた造語で、アメリカの医療機器メーカーTomoTherapy社が2003年に開発したそうです。
トモセラピーは、コンピューター断層撮影法(CT)診断装置と放射線治療が同時に出来て、装置の外観はCT装置とにています。
TomoTherapy 外観
トモセラピーの場合は、毎回CT撮影を行い治療部位を決めて照射しますので、より正確な照射が可能となるのです。
治療成績では、手術と変わらないと言われています。
低侵襲な治療法ですので、これまでは手術の対象とされなかった高齢者や合併症のある方でも治療が可能です。
治療費についても、現在は保険の適応となっています。
これらのことから、今後も前立腺がんの治療として広まっていくのではないかと考えています。
現在、福島県では北福島医療センターと福島医大で行われていますが、郡山市内でも治療を計画している施設も有ります。
昨日、福島市で限局性前立腺がんの低侵襲治療についての講演会が有りました。
演題は、
1、HIFU(ハイフ)療法
2,トモセラピー
3,陽子線治療
でした。
どれも非侵襲的な早期の前立腺がんに対する治療です。
放射線治療としては、他に小線源療法という治療法があります。
今回は、これらの治療法について書いてみます。
まずは、HIFU(ハイフ)療法からです。
高密度焦点式超音波(HIFU:ハイフ)療法とは、肛門から入れた機械から強力超音波が前立腺に向けて照射されて、そのエネルギーで癌を凝固壊死させる装置です。

A:HIFU本体
B:超音波発生プローブ
C:プローブ先端
D:超音波が照射される範囲(イメージ)
公立藤田総合病院ホームページから
当初は前立腺肥大症の治療法として研究されたのですが、あまり成績が良くなく、10年前より前立腺がんに対して行うようになり、低侵襲な治療法として注目されてきています。
焦点領域の温度は80~100℃に上昇するのですが、周囲の臓器にほとんど影響を与えなく、抗凝固剤(血液サラサラの薬)を一時的に中止しなくても治療できるのが特徴です。
麻酔は腰椎麻酔で行うことができるそうですが、抗凝固剤を飲んでいる方では、全身麻酔で行うことになります。
HIFU療法の治療成績では、前立腺内に限局する悪性度の高くない癌の場合の非再発率は80-90%くらいあり、早期がんでは開腹手術に匹敵する治療法と言われています。
しかし、病気が進行した高リスク癌の成績は極端に低くなり、有効性は低いようです。
また、一度だけしかできない開腹手術や放射線治療と異なり、患者さんによっては残存がんに対し複数回の治療が可能です。
さらに、開腹手術や放射線治療後の局所再発に対しHIFU療法を施行することも可能です。
合併症としては、最も多いのが尿道狭窄で、約15%と言われており、術後は一定期間尿道カテーテルを留置しておく必要が有ります。そして、もっとも重篤な合併症は膀胱直腸ろうですが、ほとんどが初期の装置で起こっているようです。
尿失禁は、術後一時的なもので、勃起障害も3割くらいと、前立腺全摘術に比べ非常に低率です。
この治療法は、開腹手術に比べ明らかに術後合併症が少ないため、基礎疾患があり開腹手術に耐えられない方や、75歳以上の高齢者にも可能です。
この様に、HIFU療法は、早期癌の患者さんであれば、特に年齢制限は無く、手術の合併症である勃起障害や尿失禁も少ない治療法であり、入院期間も短い治療法です。
福島県内では、公立藤田総合病院で昨年1月より行っており、当院でも希望された方をご紹介しています。
実家から深谷ねぎが送られてきました。
2週間前に送られてきたねぎが下仁田ネギで、間違って送ったので今度は間違いなく深谷ねぎを送るからと両親に言われたのですが、本当に送られて来ました。
ちょっと来たのが早かったかもしれません。
下仁田ネギが消費し切れていない我が家の昨日の夕食は、下仁田ネギとキノコのなべと、焼き深谷ねぎでした。
焼いて食べるのは、下仁田ネギより深谷ねぎの方がちょっと上かなと思います。
ネットで調べてみると、長ネギダイエットという物が有るようです。
ちょっと頑張ってみようかな。
成人で透析を受けている方の死因の約2割が心臓突然死であることが、今年の日本疫学学会で発表されたと言う記事が日経メディカルオンラインに載っていました。
発表された公衆衛生学の先生によると、
「血液透析患者において心臓突然死による死亡率は非常に高く、また発見が遅れるケースも少なくないことが分かった。
この調査結果は、血液透析患者に対する注意深い経過観察の必要性と、血液透析患者における心臓突然死を防ぐための対策が必要であることを示している」とコメントされています。
僕自身としては、これほど多いのかとびっくりしたのが正直な感想です。
それと共に思ったのが、〝血液透析患者における心臓突然死を防ぐための対策〟とはなんなのかと言うことです。
心臓突然死の半数以上が目撃されずに死に至っていたと言うことも記載されていましたが、できるだけ早期発見ができる体制を作る事でしょうか。
透析患者さんでは一人暮らしの方もかなりいらっしゃいますので、その方たちが常に緊急連絡とれる体制というのもなかなか大変ではないかと思います。
この様な話になると、どうしても何か有ったときの対策というのが注目されます。
でも、本当は何か起こらないための対策が大切だと思います。
一般の方では、これほどまでの突然死と言うことは起こりません。
そしたら、何が違うのでしょうか。
一番は動脈硬化です。
透析患者さんでは、高リン血症により異所性石灰化がおこり、動脈の弾力性がなくなり硬い動脈になります。
動脈のプラークも増えて脳梗塞や心筋梗塞も起こしやすい状態になります。
そして高血圧です。しかも、早朝高血圧があると脳卒中、心筋梗塞を起こすリスクが数倍に高くなります。
これらを回避するための唯一の方法は、十分な透析を行うことです。
たとえば、長時間透析を行っている方では、高血圧の頻度が非常に少なくなります。
そして、リンの値も低くなるので、異所性石灰化も起こりにくくなります。
さらには、透析中に無理な除水を行うことがなくなるので、透析中のショック状態を回避し、昇圧剤を減らすことができて、透析中に起こり問題である無痛性の心筋梗塞も起こす可能性が低くなります。
現状の週3回4時間血流200の透析でも、日常生活を過ごすためには何とか透析量は足りているのかもしれません。
でも、10年、20年後に突然死を起こさない為には、しっかり透析を受けると言うことが大切ではないかと僕は思っています。
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