前回の続きですが、透析患者さんの動脈硬化については、透析が開始してからは、『高リン血症』が一番問題だと言われています。
高リン血症があると、血管の筋肉の細胞が石灰化していくと言われており、その治療で行う炭酸カルシウムによる高カルシウム血症も血管石灰化を誘発します。
制限をしなければ、食事から摂取するリンは一日1200mg位となります。
しかし、1回の透析で除去できるリンは700-800mgとなり、週あたり6000mgも過剰となります。
そのため、炭酸カルシウムやカルシウムの塩酸セベラマーを飲んでもらっています。
今年は、より使いやすい炭酸ランタンが発売されると言う話ですので、期待したいです。
以上は、一般的な話です。
通常の透析を行っての話です。
有名なフランスのタサン中央透析センターでは、8時間透析を行うことですばらしい成績を上げています。
透析による蛋白の漏出が有るので、蛋白をとにかく取るように指導され、リンも下がってしまうので、とにかくせっせと食べろと指導されるようです。
他にも、長時間透析を行っている方や十分な透析量を取っている方ではリンのコントロールを必要としない場合が多いです。
要は、しっかりとした透析を行えば、リンについてもコントロール可能と言うことになります。
全国的にも、透析時間と透析量を増やすことで十分な成績を上げている施設では、リンの値が下がりすぎて心配だと話す先生もいらっしゃいます。
当院でも、時間の延長とオンラインHDFを行い透析量を増やすことを行っています。
まだまだ時間を延ばせない方も多いのですが、それなりに透析量を増やすことで、でリンの値を上げずに炭酸カルシウムの量を減らせることが出来ました。
以前、福島腎不全研究会に発表しましたが、当院転院後3ヶ月以上経過した患者さんのデータでは、
透析量KT/Vを1.28から1.85に上げることで、
リンの値は、5.01から4.73mg/dlと少し下がり、なおかつ炭酸カルシウムを一日2.64gから1.32gと半分に減らすことが出来ました。
たくさん食べる方は、炭酸カルシウムを飲む必要が出てきます。
ただ、十分な透析を行えば、そして服用方法が間違っていなければ、それでもリンが上がってしまうことは、決して多くないと思います。
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