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2008.11.25 16:10 |  診療  |  研究  |  医療制度 / 行政  |  その他(医療関連)  |  援腎会  | 推薦数 : 0

前立腺がん検診について2

これだけPSA検診が有用だと言われているのに、なぜ厚生労働省は『死亡率減少効果の有無を判断する証拠が現状では不十分』と言っているのでしょうか。

実は、世界的にも未だに評価が分かれているのも事実です。
その理由が、前立腺がんが非常にゆっくりと進行する癌であり、発癌から癌で亡くなるまでに40年以上の経過が必要だと言われているからです。

つまり、生前癌と診断されず、亡くなった後に解剖することで確認される『潜在癌』がとても多く、70歳以上で40%以上いると言われているからです。

つまりは、「前立腺がん検診が普及した場合におこる前立腺がん死亡率低下の中で、過剰診断、過剰治療を被っている受診者がいるのではないか」という点を指摘しているのです。

厚生労働省が危惧しているのはこの点であり、前立腺がん検診を行うことによる無駄な医療費を作りたくないと言う考えがあるのかも知れません。

それから、最近では後期高齢者医療制度も出来てから、いろいろな論議が起こっていますが、前立腺がんが非常に進行が遅い癌であり、図でも示しました様に、後期高齢者で増え続けている癌であるという特徴があります。

国が積極的にがん検診を行うのは、働き盛りの方の癌を減らすことを目的としています。
そう考えると、後期高齢者に多い前立腺がんは、積極的に検診を行う必要のない癌であると考えられているのかもしれません。

ただ、我々泌尿器科医が、何もしていないわけでは有りません。
世界的には、死亡やQOLの低下に影響しない癌を治療前に選別して、治療を行わず、経過観察を行う方法も行われています。

我々も、PSAが4以上であっても、症状がなく直腸診で進行した前立腺がんが疑われなければ、高齢者では十分な説明をした後に、積極的な検査を行わず、経過を見ることも行っています。

泌尿器科学会でも、近い将来は、必要のないと思われる方への検査や治療の問題も解決していき、検診の有用性もこれまで以上に高くなるのではないかと記載しています。

厚生労働省の研究は、調査に基づく研究です。
我々は、目の前で苦しんでいる前立腺がんの患者さんと接しています。

現場の声として、50歳以上の男性には、是非とも前立腺がん検診を受けてほしいですし、検診が受けやすくなるシステムを確立していきたいと考えております。

今回、この記事を書くにあたって、一般の方に分かりやすく書くために、用語がちょっとずれてしまっているところがありますが、ご了承ください。

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